Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

南ア、塩見岳登山詳細(2日目)

2016年07月08日 | 山歩き

7月6日(水)     天気=曇り後一時晴れ

04:55三伏峠小屋→ 05:06三伏山→ 05:50~06:04本谷山→ 06:56~07:09ゴーロ→ 07:37塩見小屋→ 08:42~46塩見岳西峰→ 08:49~09:15塩見岳東峰→ 10:14塩見小屋→ 10:35~47ゴーロ→11:48~59本谷山→ 12:40~58三伏山→ 13:07~09三伏小屋→ 13:24塩川コース分岐→14:22~30水場→ 14:22~30豊口山コル→ 15:06~10鳥倉登山口→ 15:45鳥倉林道ゲート

 

 慌ただしく朝食を済まし。朝5時前に出発する。小屋から50m程の所で道が左右に分岐する。右は荒川岳や赤石岳へ向かう道で、我々は塩見岳へ向かう左の道を進む。程なく三伏山のピークに着くが、濃い霧の中で何も見えぬ。雨を降らせそうな霧ではないが、今朝もスッキリしない天気だ。

 出発してすぐの分岐(塩見岳は左)

 樹林の尾根道を三伏山から緩やかに降り、今度は本谷山へ向けて緩やかに登って行く。三伏小屋から1時間で本谷山(2658m)に着いた。ここも霧の中で何の展望も無い。若い男性が1人休憩中で、聞くと千葉から来た人で昨日はテント泊、南アルプスは初めてだと言う。彼とはこの後、抜きつ抜かれつで歩く事になる。

 霧の本谷山山頂

 本谷山を緩やかに降り、権右衛門山の山腹を巻くように進んで行く。霧で薄暗いけれど道は明瞭で迷いようもない。途中重い荷を背負った若い女性に軽い足取りで追越された。小柄な身体なのに只者ではない強さだ。

 霧の中の登山道

 やがて岩のゴロゴロした権右衛門沢の源頭に着く。特に標識は無いが地図上にゴーロと記された地点で、ここから塩見小屋に向かって急登が始まる。30分程急登を頑張ると樹林帯を脱し、霧の中に佇む塩見小屋に着いた。

 霧の中の塩見小屋

 この先は森林限界を越えて、強風吹きすさぶ岩尾根の道を進んで行く。天狗岩から一旦降り山頂へ向け最後の急登になる。視界が殆ど無いので、踏み跡を慎重に辿って行く。危険と言う程ではないが、油断のならぬ岩場の道が続く。黙々と登っていたら前方に重荷を背負った女性の姿が見えた。流石に強者の彼女も岩場の連続に脚が重そうだ。やがて稜線の一角に到達し彼女に続いて塩見岳西峰(3047m)に到着した。50m先のガスが流れる合間に塩見岳東峰(3052m)が見えた。

 岩場の登り

 塩見岳西峰

 西峰から最高地点の塩見岳東峰

 最高地点の東峰に着くと一瞬ガスが切れ雲海が望めたが、次の瞬間には再び雲に覆われて山頂からの大展望を得る事は叶わなかった。それでも登頂できただけでも大満足だ。山頂に居合わせた重荷の女性に「何処まで行くの?」と訊ねたら、「今宵は熊ノ平でテント泊、最終的には甲斐駒を越えて黒戸尾根を下山したい。」と言う。若い彼女の勇気と体力気力に心底感心した。30分程滞在し山頂を後にする。

 塩見岳東峰山頂

 山頂からの雲海(緑服の人が重荷の女性)

 下山を開始すると千葉の男性が入れ違い登って来た。「山頂はすぐそこだよ。」と言ってエールを送る。天気はだんだん回復傾向のようで、天狗岩から一瞬遥か上に聳える塩見岳山頂部が見えた。

 山頂部付近の高山植物

 一瞬ガスの切れ間に山頂部が見えた

 天狗岩から山頂部

塩見小屋付近から下山の道

 樹林帯の道を辿って本谷山まで戻り振り返ると、塩見岳はすっかり晴れ上がり急峻な山容を天空に突き上げている。今山頂にいれば素晴らしい展望が得られただろうに一寸登るタイミングが早過ぎた。南アルプス北部の白根三山や仙丈ヶ岳や甲斐駒もここから望む事ができた。

 本谷山手前から塩見岳

 本谷山付近のシャクナゲ

 本谷山からの尾根道を緩やかに降って登り返し三伏山に山頂に着くと、三伏峠小屋のおネェーさんが1人佇んで周囲の景色を眺めていた。三伏山からの眺めは素晴らしく今日一番の展望だ。この景色を拝めただけでも登って来た甲斐があったというもんである。おネェーさんとしばらく山談義を交わしたが彼女は古い時代の三伏峠の事は知らず、30年前に私が登った正月山行の塩見岳登山の話を興味深げに聞いてくれた。

 三伏山山頂

 山頂から塩見岳

 山頂から仙丈ヶ岳(左奥)、本谷山(中央手前)、白根三山(右奥)

 山頂から三伏峠小屋

 三伏峠小屋に着いたのが午後1時過ぎ、今日の行動時間が8時間を超えているので私は此処でもう一泊してもよいかなと思ったが、「明日用事がある。」と妻が言うので鳥倉登山口へ下山を開始する。

 三伏峠小屋に戻る

 午後の時間には登る人の姿も殆ど無く、7人組の登山者ツアーの人達とすれ違っただけだった。下山の最後の頃は妻の脚は重そうで、歩みが滞りがちになった。車を停めている鳥倉林道ゲートに戻り着いたのは午後3時45分、今朝出発してから行動時間は約11時間だ。妻に体調を聞くと「最後の方は足腰が固まって動かなかった。」と応えた。70歳間近の老夫婦には過酷な一日だったようだ。

 塩川コース分岐手前の下山道から本谷山(中央)と塩見岳(右奥)

 降りの丸太桟橋(滑りそうで一寸難渋)

 やっと鳥倉林道ゲートに戻ってきた。

 車に乗ると小渋川沿いの小渋温泉赤石荘に向かう。料金が500円で雄大な山々を望む展望露天風呂があり、山の疲れを癒してくれる心地よい温泉であった。温泉を出ると帰宅の途につき、午後9時頃ようやく我が家に戻る事できた。塩見岳登山は30年ぶりであったが南アルプスの山並みは雄大で北アルプスとは違った良さがある。今度は南部の赤石岳や聖岳を登りたくなった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする