数十年前私が勤めていたのは男ばかりの職場で、その殆どが喫煙者だった。その時代には喫煙マナーなど無いに等しく、職場の空気は紫煙で淀み私は随分副流煙を吸わされたものです。
その後タバコによる健康被害が世間に広く知られ、喫煙マナーが厳しく求められるようになり、タバコ税も大幅に上って愛煙家には肩身の狭い時代になりました。
非喫煙者でタバコ嫌いの私は良い世の中になったものだと喜び、このままタバコなんぞ無くなってしまえばいいと思っていたのですが。・・・ある時経済評論家の門倉貴史さんという方が書いたタバコに関する記事を読んで、喫煙者に対する考えが大きく変わりました。
彼は記事の中で、「もし誰も吸わなくなったらそれは非喫煙者にとって喜ぶでき事なのだろうか?」と疑問を投げかけています。2000年以降日本の喫煙者数は減り続けているが、その分タバコ税が値上がりしてるのでタバコによる税収は毎年約2兆円を超えているそうです。
これは消費税約1%に相当する金額で、タバコ税が無くなれば国民はこの分を等しく負担しなければなりません。現在タバコ一箱の価格はその6割が税金なので、喫煙者はタバコを吸って税の負担に貢献していると言っても過言ではありません。
そしてもう一つ、喫煙者の平均寿命は非喫煙者に比べると、約10年寿命が短いそうです。違った観点でこれを見ると、喫煙者は非喫煙者より約10年分少ない年金しか受給できないという事です。又喫煙者が短命な分だけ、日本の超高齢化社会抑制にもなっているんじゃないでしょうか。
つまり喫煙者が増えれば税収はアップし高齢化率はダウンするという、日本の国家財政にとっては大きなメリットがあるわけです。だから喫煙者倍増計画を・・とまでは言わなくても、喫煙者、非喫煙者の双方が共存共栄できる社会になっても良いのではと思えるようになりました。