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子どもの頃のことをしっかり覚えているわけではない。断片的に思い出す切れ切れの事柄が、一体いくつの時のことかもおぼろげだ。記憶がしっかりしてくるのは小学校入学の頃からだろうか。
この、本人にはおぼろげな乳幼児期にどのような過ごし方をしたのかが、実はその後の人生に大きな意味を持つということが分かってきている。信頼できる大人に支えられて、子ども時代には子ども時代にふさわしい過ごし方をすることが望ましいそうだ。
『くまのぷーさん』の作者、A・A・ミルンは幼児期の子どもの思いをほのぼのとした言葉で綴っている。普通の大人は子どもの頃の心を忘れてしまうことが多いけれど、稀に覚えている人がいて的確な言葉で伝えてくれるのは本当に嬉しい。できるならば私も「ありったけ おりこうな」6つでいたかった・・・・。
A・A.ミルンの詩集『いま、わたしは6才』(「Now We Are Six」)(訳 周郷 博)
「ぼくは6つになった」
1つのときは なにもかも はじめてだった
2つのときは ぼくは まるっきり しんまいだった
3つのとき ぼくはやっと ぼくになった
4つのとき ぼくはおおきくなりたかった
5つのときは なにからなにまで おもしろかった
いまは6つで ぼくはありったけ おりこうです
だから いつまでも6つでいたいとぼくはおもいます