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今日の北海道新聞日刊紙にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんがノルウェー・オスロで行ったスピーチの全文が掲載されていた。最年少の17歳で受賞した彼女の言葉は明快であり、重苦しい現実としっかり向き合いつつも理想を失わずに突き進もうとする強い決意に満ちていた。17歳の少女のスピーチとは思えないほどの説得力ある堂々としたものだった。マララという名前はパシュトゥン人のジャンヌ・ダルク(民族的英雄)マイワンドのマラライにちなんで付けられたとあったが、まさにそのねらい通りになっているように思える。
故郷がテロの舞台となった10歳以降、女子は学校に通うのを禁じられ、彼女の中で優先順位が変わった。黙って殺されるのを待つのか、声を上げて殺されるのかという二つの選択肢へだ。後者を選び、声をあげようと決めた彼女は2012年10月9日にテロリストに襲撃された。
「でも、彼らの銃撃は勝てませんでした。私たちは生き延びました。」ときっぱり言い切る彼女は、いくつかの問を投げかけている。なぜ「強い」といわれる国々は、戦争を生み出す力があるのに、平和をもたらすことにかけては弱いのか。なぜ、銃を与えることは簡単なのに、本を与えることは難しいのか。なぜ、戦車をつくることは簡単で、学校を建てることは難しいのかと。
現代に暮らす中で、私たちはみな、不可能なことはないと信じている。それならば、21世紀には全ての子どもたちが、良質な教育を受けられるという夢もかなうという決意を持たなければならないと。「子どもが学校に行けない状況はもう終わりにしましょう。終わりにすることを始めましょう。私たちで終わりにしましょう。今ここで、より良い未来を築きましょう。」このスピーチはこう結ばれている。
2013年7月12日に行われた国連でのスピーチ、「言葉の力と強さを私たちは信じます。私たちの言葉が全世界を変えることもできるのです。一人の子ども、一人の先生、一冊の本、そして一本のペンが世界を変えられるのです。」というフレーズはとても感動的だった。この度の平和賞受賞スピーチも忘れ難いものとなるだろう。