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去る2月2日、江別市大麻中町のえぽあホールにて「よだかの夢」の舞台があり、久しぶりに演劇を味わうことができました。
「夢に破れた少年と夢をもつことさえも諦めた少女。それぞれの思いをよだかに重ね、秘め、共有する時間と惹かれ合う時間」が丁寧に描かれた作品です。
十代の揺れ動く青春期に結婚を諦めなければならないと自分に言い聞かせる少女の思い。自分が特別支援学校に通っていることを秘密にしている生徒たちの存在があること。「わたしは結婚なんかしない。わたしみたいな可哀想なこどもが生まれたらやだもん」と過去に演劇部の部員がもらした言葉が顧問の先生の心に突き刺さり、この脚本が生み出される契機になったようです。
等身大の役柄を見事に演じていた皆さんの舞台。これ以上親しくなってはいけないと距離を取ろうとする少女、少女の身の上を知ってしまい、自分の心をのぞいて揺れる男子。二人の思いがあまりに切なくて、涙が出てしまいました。
きれいごとで済まされない現実と淡い恋の行方は、賢治の珠玉の作品「よだかの星」を提示することで、私たち観客の手に委ねられたように思います。
この舞台を演じたのは北海道新篠津高等養護学校演劇部の皆さん、脚本を手掛けられたのは演劇部顧問でもある山田勇気氏です。
2015年創部の新篠津高等養護学校演劇部は「よだかの夢」で2018年全道大会優秀賞を受賞。過去には高文連高校演劇の全国大会にも出場した経歴を持っています。
この度は江別市自立支援協議会主催。会の定例会が作品発表の場として設けられました。