「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

援助を求める動機づけ (1)

2014年03月24日 20時59分10秒 | 「BPDファミリーガイド」より

 ノン・ボーダーの人は、 BPDの人を セラピストに会わせようと、

 次のような 多くの努力をします。

 操作, 買収, 泣く, 相手の欠点を指摘, 論理的に説明, 懇願,

 自己啓発書を置いておく。

 その結果は 目に見えています。

ステージ1

 BPDの人は、 セラピストが必要なのは ノン・ボーダーの人のほうだと言います。

 ノン・ボーダーの人のことを、

 虐待的で、 理不尽で、 支配的だと批難します。

ステージ2

 ノン・ボーダーの人は必死になって、

 「セラピストに会いに行かなければ 出ていく」 のような 最後通告をしたりします。

 セラピストが説得してくれるだろうと 期待するのです。

ステージ3

 ノン・ボーダーの人が 脅しを実行するのではないかと恐れ、

 BPDの人は セラピストに会いにいきます。

 しかし セラピーは暗礁に乗り上げます。

 援助を得ようとしない人を 助けることはできないからです。

ステージ4

 BPDの人は セラピーをやめる理由を探します。

 これは、 セラピストの腕がよく、 BPDの人の被害者意識を 強化させる代わりに、

 中核的問題に 焦点を当てる場合です。

 しかしセラピストが 患者を受け入れすぎると、

 歪んだ考えを強化してしまい、 事態を悪化させてしまうかもしれません。

ステージ5

 やがてノン・ボーダーの人は、

 人に何かを 「させる」 ことは できないということに気付きます。

 時には、 長いプロセスが繰り返されます。

ステージ6

 数ヶ月から数年後、 ノン・ボーダーの人は、

 相手を変えようとする試みが、 さらなる苦痛を 引き起こしただけだと気付きます。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 
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