「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

愛着に関する問題点

2011年09月16日 20時49分58秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 もうひとつの環境的問題は  「愛着」、

 つまり、 他の人と感情的な結びつきが うまくいかないことです。

 健全な愛着を持つことは、 良いメンタルヘルスや 人間関係に不可欠です。

 BPDを持っている場合、 非承認的人間関係が多いと、

 安定した愛着を作ることが 難しくなります。

 あるBPDの人は 自分の親を、 無関心, 虐待的, 支配的だと表現したそうです。

 親との関係が 困難な子供は、

 不安定な愛着を抱いてしまい、 母親に対して 矛盾する反応を示します。

 母親と触れ合うのを嫌がったり、 逆に近づいたりすることを、

 交互に繰り返します。

 このような子供は、

 ぼんやりしているように見えたり、 混乱や不安になりやすいのです。

 このタイプの愛着は、 虐待を受けた子供で よく見られます。

 不安定な愛着は BPDによく似ていて、

 身近な人に対しての気持ちが 行ったり来たりします。

 養育者との経験が、 BPDの原因になっている 場合があるということです。

〔「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」(星和書店)より〕
 

 心子も母親とは、 密着したり 憎悪していたようです。

 生前 僕に対しては、 母親とは 価値観も感性も異なると言って、

 いつも母親を罵倒する 話をしていました。

 ところが 心子が旅立ったあと、 母親や周りの人たちからの 話を聞くと、

 心子は母親と一緒に よく旅行へ行ったり、

 同じベッドで母娘 寝たりしていたといいます。

 しかし 僕に対するのと同様に、 僅かなきっかけで激怒し、

 ののしって母親を追い返したり、

 その直後に 追いすがって呼び戻したりしたそうです。

 愛され方を知らず、 愛し方も分からなかったのです。
 

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