小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

母島 渡り鳥が増えてきました!!

2015年11月05日 | 鳥獣保護員 活動
■ここ1ヶ月、なかなかブログを更新することができませんでした。
様々なイベントで忙しかったり、
プライベートで色々あり、記事を書く気になれなかったり…

そうこうしている間に渡り鳥たちがどんどん増えて来ました。
鳥達の頑張りに触発されて、ぼちぼち久々の記事を書こうと思います☆


■こちらは台風接近直前に保護したヒドリガモ(アメリカヒドリかも?)。

長距離の渡りで疲労して飛べなくなっており、
路上で保護しました。

2日間、餌をよく食べて、台風の風が落ち着いてきたので野外に放鳥しました。
無事に生き延びて、また渡って巡ってほしいと思います。


背中の筋が特徴的なタシギ。


母島で見るのはめずらしいオオハシシギ。
シギ・チドリの類はよく似ていて判別に苦労します!


今年は珍しくユリカモメが母島にやってきました♪


■こちらは母島のとある水場で溺れかけていたキンクロハジロ 幼鳥(スズガモ幼鳥かも)。

保護してみたものの、すごいことに、
ボサボサで飛べなくなっていた羽を1晩で復活させた羽繕い。

あの大きな嘴で、どうやって器用に修正するのでしょう?

この写真、同一個体とは思えませんよね~
凄い表情の差があります(笑)。


その後、自ら箱を飛び出すほど元気になり、無事に放鳥に成功し野生に還りました☆


オオバンも見かけるようになりました。
足の指の水かきがとても特徴的な鳥です。
オオバンはカモというよりクイナの仲間です。

■少し前、とある畑のキュウリネットに羽が絡まって動けなくなっているアマサギがいると通報がありました。


その後、保護して無事放鳥することができました。

サギ類やカツオドリは保護する時、こちらの目を狙って突いてきます。
僕は普段眼鏡をしているので少しマシですが、保護する立場の皆さんは注意が必要です。


この表情、何が言いたいのかな~(笑)。


無事に飛んで行くことができました。

保護から放鳥まで見守ってくれていた次女も応援します♡

アマサギは現在10羽くらい見かけますね!



■他にはちゃんと冠羽があるキンクロハジロ。


オナガガモ♀


ヒドリガモもたくさん見かけます。


川に来ているカモ(ヒドリガモとシマアジ)をスケッチする土曜日午後の次女☆
「カモかわいい♡」
お陰で畑にローゼル収穫するのが遅れ、脇浜で遊ぶ時間が少なくなっちゃったけど、こんな時間も幸せです♪


■それにしてもどうして鳥は大きなリスクを背負ってまで渡ることを選択するのでしょう?
キョクアジサシなんて、北極から南極まで渡ってしまう鳥までいます。
(ハト位の大きさで1年で北極から南極に渡るのです!!飛行距離は4万km!!!)


こちらはセグロアジサシの幼鳥です。
衰弱して飛べなくなり、保護しました。

他にはハシボソミズナギドリは3万2000km、
母島でも見かけるムナグロやホウロクシギは2万km。

ほんとに凄いなと感心します。

きっと渡りの途中で命を落とす鳥も少なくないはずです。
母島で保護される渡り鳥のほとんどは餓死寸前の衰弱個体がほとんどです。
うずくまって動けないで保護されたときはもう手遅れの場合も多いです。

留鳥として1年を通してその地に留まる事を選んだ鳥。

死亡するリスクは高くなりますが、
季節の変化に伴い、餌資源を求めて長距離を渡ることを選ぶ鳥。

同じ鳥でもスタンスはかなり違く感じます。


…そういえば、地元仙台に残った友人もいますが、こんな小笠原まで渡ってしまった東北人(自分です)もいるワケで(笑)。
そんな部分にも答えが眠っているのかも知れませんね☆

■映画で「WATARIDORI(邦題)」という作品があります。
これはジャック・ペラン監督による、渡り鳥をテーマとしたドキュメンタリー映画です。

撮影期間3年、世界20か国をロケし、
100種類を超える渡り鳥の壮大なる旅の軌跡を、制作費20億円をかけ完成させた驚異の映像です。

飛翔する鳥に限りなく近づくことにこだわった命がけの撮影映像が、
CGなどでは描ききれない真実の驚きと感動を呼びます。
DVDでは制作ドキュメンタリーも付いていて、
そちらもとても見応えがあります♪

英語版はYoutubeにありました。
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Winged Migration ( 2002 )