■久々にブログ記事を再開します!
なんと今、日本で一番新しい島「西ノ島」を見に行ってきました!!
正直、自分がここまで感動すると思っていませんでした(笑)。
写真ではなかなか表現できませんが、
その圧倒的な雰囲気が言葉にならないほどでした。
心配されていた天候も海況も問題なく、(父島母島は雷を伴う土砂降りだったそうです)
無事に行ってくることができました☆
初めて見る西之島は
地球の息吹を感じさせる佇まい、
生き物を寄せ付けない黒々とした躍動的な大地、
想像以上に美しい島のフォルムで、
僅かに残された、旧西之島は沢山の海鳥の楽園でした。
写真の中央左に写っているのはアオヅラカツオドリです☆
■西之島は海底の火山活動により生じたばかりの火山島。
つまり小笠原諸島の父島や母島と同じく、
大陸と陸続きになったことがない「海洋島」です。
海洋島では生物の行き来がとても少ない分、
固有の生態系が生まれやすいのです。
10年以上前は、島は800m×600m、標高25mの小さな島でした。
しかし、3年前に40年ぶりの噴火を起こし、1年半に渡り噴火を続けました。
そして今は1900m×1990m、標高142mの島に成長しました。
今から40年前にも噴火を起こした西之島。
流れ出た溶岩や噴石物で島はすべて覆い尽くされ、
一度は生き物のいない「無の世界」となりました。
そして、そこから島にどのように命が根付いていくのか。
それは小笠原諸島の大自然が一体どのようにできたかを示すことに他なりません。
西之島は私たちが住む小笠原の誕生のルーツを表す島だと確信しました。
上空から見た西之島
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
■企画された西ノ島クルーズ。
母島からは2泊の旅程で参加しなくてはなりません。
そのお陰か、今回も母島からの参加は10名程度。
僕は船に乗りたくない家族を母島に残し、単身で行ってきました(笑)。
でも本当に行った甲斐がありました!
生まれたばかりの島は雰囲気が半端なかったのです!
小雨降りの父島を離れ、一路西之島へ。
9時発で丁度お昼に到着の予定です。
その間、火山研究者と海鳥研究者の講演が船内で行われました。
事前にNHKスペシャルで放送されていたこともあり、
船内レンストランでのレクチャーは満員御礼でした!
これがまた面白い(笑)!!
そのほとんどが熱を帯びていて、
生き物がいない、生まれたばかりの大地です。
(2015.12 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
今、西ノ島は直径約2km。
主に安山岩で構成されているとのこと。
今も温度が高い部分があるが、活発な活動はもう終わりの段階との見方が強いようです。
そうこうしている間に12時を周り、
何もなかった海原に突然、西之島が顔を出します。
周囲の海は2000mの深さがあり、
突然の火山で隆起した西之島は最高の漁礁となり、
本当に多くの海鳥が集まって来ていました。
ここまでの大群のカツオドリを僕は初めてみました!!
船もコンテナを積んでいないので、
後部デッキも開放してくれました。
そこからみんなで西之島や貴重な海鳥を眺めます。
この写真は直径約2kmの西之島が分かりやすい構図かもしれませんね。
■2013年11月から開始された噴火で旧西ノ島のほとんどが呑み込まれてしまいました。
しかし、わずか1haだけ残った旧西ノ島の場所は海鳥の一大繁殖地として残っています。
写真の中央部分です。
海保の上空写真で見ると分かりやすいですね。
たったこれだけが奇跡的に残った旧西ノ島の部分です。
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
今の西之島で緑があり、生き物の気配があるのはここだけです。
そこの周辺で貴重な海鳥を沢山見ることができました!
まずはアオヅラカツオドリ!
国内では西之島と尖閣諸島でのみ繁殖が確認されている貴重な存在です。
西之島の象徴のような海鳥ですね。
今回は幼鳥も確認することができました。
現在抱卵中の普通のカツオドリとは繁殖時期が少し違うようです。
これは限られた繁殖地を別種で使い分ける鳥達の知恵の様です。
譲り合いの精神ですね(笑)!
他の人が間違えて「青空カツオドリ」と言っていて、そっちの方が気に入ってしまいました(笑)。
こちらはオオアジサシ。
これもなんと国内では尖閣諸島と西之島でのみ繁殖が確認されています。
本当に大きくて美しいアジサシでした!
もちろん普通のカツオドリもたっくさんいました♪
途中、島の人に「普通のカツオドリはもういいから、他の種が来ないかな~」と言われていたのですが(笑)、
なんとその直後にトビウオを空中でキャッチしていて、歓声があがりました。
「あいつ、それを聞いて見せどころを作ったね~!!」
さすがです☆
他に撮影は出来ませんでしたが、
・アカアシカツオドリ
・クロアジサシ
・ヒメクロアジサシ
・クロウミツバメ(小笠原の固有の海鳥です!)
・アナドリ
・シロハラミスナギドリ
・オナガミズナギドリ
を確認することができました。
いつもは母島に不時着し、保護してばかりの海鳥なので、
こうして野生で飛んでいる姿を見れたのはとても嬉しかったです♪
■この火山活動が活発な西之島。
熱も火山灰も土石流も、危険がいっぱいです。
なのになぜ空を飛んで他に移れる海鳥たちが、居残るのか?
「仮説の域をでませんが…」午後の鳥の研究者は語ります。
それは「他でもない、西之島にはメリットがある」と言います。
外来の生物による捕食がない。
周辺の海が豊かで餌に困らない。
(過去の調査でカツオドリが2個卵を産んで、通常は1羽のヒナを育てるのに、ヒナを2羽とも育てる=エサが豊富)
など.....
火山活動よりもメリットのほうが勝っているのではと言っているのがとても印象的でした。
■山頂付近では雨の後のせいか、水蒸気が沢山上がっていました。
頂上付近のこの黄色い部分は硫黄だそうです。
上空写真を見ると尚更、硫黄の部分が顕著に見ることができます。飛んで見たい(笑)!!
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
150mまで隆起した後、
現在は標高142mまで下がって来ています。
まさに絵で書く「島」のようなルックスはとても美しく、
形そのものにシビれました♡
ところどころに岩ばかりの海岸、
黒砂の海岸、
浸食されて断崖絶壁がありました。
どれも地球の新しい息吹を感じさせてくれます。
以前の西ノ島を見ている島民の方は、
以前との雰囲気の違いに感動していました。
やっぱり地球は生きているのですね!
4月に開催された西ノ島クルーズに参加した人に聞くと、
「あの時は晴天で島の地形が良く見え、
べた凪で最高だった。
でも今回は海鳥の数が半端なかった!
硫黄三島クルーズより、鳥を見れた感がある。」
とのことでした。
予報で海況も心配していましたが、
あまり揺れを感じず、とても楽しく過ごせました♪
帰りの航路では
マッコウクジラやハシナガイルカなどの鯨類も確認されたとの事です!
やっぱり小笠原はすごい地域なんだなぁ~と感じさせられました。
ちなみに母島の船待ち屋ではオリジナルの西ノ島Tシャツを販売しています(笑)!
■西之島の詳しい情報は海上保安庁のHPで詳しく見ることができます。
このブログに掲載している西之島の上空写真、グラフ等も海上保安署のHPより転載しました。
画像を他で使いたい方は上記のHPより出典を表記して利用して下さい。
今までの地形変化図です。
そしてこんなに大きくなりました!
(2015.12 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
そしてこれから何百年、何万年とかけて地形が変わり、
海鳥の死骸や糞を栄養として草木が茂り、
土が出来て、
そして多くの生き物が住み、
そして最後は浸食されて島がなくなる…
その壮大なストーリーのはじめの一部分だけでもこうして見て、感じる事が出来たのは幸いでした!
今回の西之島クルーズ、
とても貴重な体験となりました!
企画してくれた海運と小笠原村役場のみなさん、
沢山盛り上げてくれた島の皆さん、
本当にありがとうございました!
また行きたいぞ~!!
家族にも見てもらいたい!(でも船酔いが…)
★おまけ
活動が活発な時のTV映像です。
この頃では父島や母島でも爆発音や振動が伝わって来ていました。
なんと今、日本で一番新しい島「西ノ島」を見に行ってきました!!
正直、自分がここまで感動すると思っていませんでした(笑)。
写真ではなかなか表現できませんが、
その圧倒的な雰囲気が言葉にならないほどでした。
心配されていた天候も海況も問題なく、(父島母島は雷を伴う土砂降りだったそうです)
無事に行ってくることができました☆
初めて見る西之島は
地球の息吹を感じさせる佇まい、
生き物を寄せ付けない黒々とした躍動的な大地、
想像以上に美しい島のフォルムで、
僅かに残された、旧西之島は沢山の海鳥の楽園でした。
写真の中央左に写っているのはアオヅラカツオドリです☆
■西之島は海底の火山活動により生じたばかりの火山島。
つまり小笠原諸島の父島や母島と同じく、
大陸と陸続きになったことがない「海洋島」です。
海洋島では生物の行き来がとても少ない分、
固有の生態系が生まれやすいのです。
10年以上前は、島は800m×600m、標高25mの小さな島でした。
しかし、3年前に40年ぶりの噴火を起こし、1年半に渡り噴火を続けました。
そして今は1900m×1990m、標高142mの島に成長しました。
今から40年前にも噴火を起こした西之島。
流れ出た溶岩や噴石物で島はすべて覆い尽くされ、
一度は生き物のいない「無の世界」となりました。
そして、そこから島にどのように命が根付いていくのか。
それは小笠原諸島の大自然が一体どのようにできたかを示すことに他なりません。
西之島は私たちが住む小笠原の誕生のルーツを表す島だと確信しました。
上空から見た西之島
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
■企画された西ノ島クルーズ。
母島からは2泊の旅程で参加しなくてはなりません。
そのお陰か、今回も母島からの参加は10名程度。
僕は船に乗りたくない家族を母島に残し、単身で行ってきました(笑)。
でも本当に行った甲斐がありました!
生まれたばかりの島は雰囲気が半端なかったのです!
小雨降りの父島を離れ、一路西之島へ。
9時発で丁度お昼に到着の予定です。
その間、火山研究者と海鳥研究者の講演が船内で行われました。
事前にNHKスペシャルで放送されていたこともあり、
船内レンストランでのレクチャーは満員御礼でした!
これがまた面白い(笑)!!
そのほとんどが熱を帯びていて、
生き物がいない、生まれたばかりの大地です。
(2015.12 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
今、西ノ島は直径約2km。
主に安山岩で構成されているとのこと。
今も温度が高い部分があるが、活発な活動はもう終わりの段階との見方が強いようです。
そうこうしている間に12時を周り、
何もなかった海原に突然、西之島が顔を出します。
周囲の海は2000mの深さがあり、
突然の火山で隆起した西之島は最高の漁礁となり、
本当に多くの海鳥が集まって来ていました。
ここまでの大群のカツオドリを僕は初めてみました!!
船もコンテナを積んでいないので、
後部デッキも開放してくれました。
そこからみんなで西之島や貴重な海鳥を眺めます。
この写真は直径約2kmの西之島が分かりやすい構図かもしれませんね。
■2013年11月から開始された噴火で旧西ノ島のほとんどが呑み込まれてしまいました。
しかし、わずか1haだけ残った旧西ノ島の場所は海鳥の一大繁殖地として残っています。
写真の中央部分です。
海保の上空写真で見ると分かりやすいですね。
たったこれだけが奇跡的に残った旧西ノ島の部分です。
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
今の西之島で緑があり、生き物の気配があるのはここだけです。
そこの周辺で貴重な海鳥を沢山見ることができました!
まずはアオヅラカツオドリ!
国内では西之島と尖閣諸島でのみ繁殖が確認されている貴重な存在です。
西之島の象徴のような海鳥ですね。
今回は幼鳥も確認することができました。
現在抱卵中の普通のカツオドリとは繁殖時期が少し違うようです。
これは限られた繁殖地を別種で使い分ける鳥達の知恵の様です。
譲り合いの精神ですね(笑)!
他の人が間違えて「青空カツオドリ」と言っていて、そっちの方が気に入ってしまいました(笑)。
こちらはオオアジサシ。
これもなんと国内では尖閣諸島と西之島でのみ繁殖が確認されています。
本当に大きくて美しいアジサシでした!
もちろん普通のカツオドリもたっくさんいました♪
途中、島の人に「普通のカツオドリはもういいから、他の種が来ないかな~」と言われていたのですが(笑)、
なんとその直後にトビウオを空中でキャッチしていて、歓声があがりました。
「あいつ、それを聞いて見せどころを作ったね~!!」
さすがです☆
他に撮影は出来ませんでしたが、
・アカアシカツオドリ
・クロアジサシ
・ヒメクロアジサシ
・クロウミツバメ(小笠原の固有の海鳥です!)
・アナドリ
・シロハラミスナギドリ
・オナガミズナギドリ
を確認することができました。
いつもは母島に不時着し、保護してばかりの海鳥なので、
こうして野生で飛んでいる姿を見れたのはとても嬉しかったです♪
■この火山活動が活発な西之島。
熱も火山灰も土石流も、危険がいっぱいです。
なのになぜ空を飛んで他に移れる海鳥たちが、居残るのか?
「仮説の域をでませんが…」午後の鳥の研究者は語ります。
それは「他でもない、西之島にはメリットがある」と言います。
外来の生物による捕食がない。
周辺の海が豊かで餌に困らない。
(過去の調査でカツオドリが2個卵を産んで、通常は1羽のヒナを育てるのに、ヒナを2羽とも育てる=エサが豊富)
など.....
火山活動よりもメリットのほうが勝っているのではと言っているのがとても印象的でした。
■山頂付近では雨の後のせいか、水蒸気が沢山上がっていました。
頂上付近のこの黄色い部分は硫黄だそうです。
上空写真を見ると尚更、硫黄の部分が顕著に見ることができます。飛んで見たい(笑)!!
(2016.05.20 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
150mまで隆起した後、
現在は標高142mまで下がって来ています。
まさに絵で書く「島」のようなルックスはとても美しく、
形そのものにシビれました♡
ところどころに岩ばかりの海岸、
黒砂の海岸、
浸食されて断崖絶壁がありました。
どれも地球の新しい息吹を感じさせてくれます。
以前の西ノ島を見ている島民の方は、
以前との雰囲気の違いに感動していました。
やっぱり地球は生きているのですね!
4月に開催された西ノ島クルーズに参加した人に聞くと、
「あの時は晴天で島の地形が良く見え、
べた凪で最高だった。
でも今回は海鳥の数が半端なかった!
硫黄三島クルーズより、鳥を見れた感がある。」
とのことでした。
予報で海況も心配していましたが、
あまり揺れを感じず、とても楽しく過ごせました♪
帰りの航路では
マッコウクジラやハシナガイルカなどの鯨類も確認されたとの事です!
やっぱり小笠原はすごい地域なんだなぁ~と感じさせられました。
ちなみに母島の船待ち屋ではオリジナルの西ノ島Tシャツを販売しています(笑)!
■西之島の詳しい情報は海上保安庁のHPで詳しく見ることができます。
このブログに掲載している西之島の上空写真、グラフ等も海上保安署のHPより転載しました。
画像を他で使いたい方は上記のHPより出典を表記して利用して下さい。
今までの地形変化図です。
そしてこんなに大きくなりました!
(2015.12 海上保安庁撮影 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部より)
そしてこれから何百年、何万年とかけて地形が変わり、
海鳥の死骸や糞を栄養として草木が茂り、
土が出来て、
そして多くの生き物が住み、
そして最後は浸食されて島がなくなる…
その壮大なストーリーのはじめの一部分だけでもこうして見て、感じる事が出来たのは幸いでした!
今回の西之島クルーズ、
とても貴重な体験となりました!
企画してくれた海運と小笠原村役場のみなさん、
沢山盛り上げてくれた島の皆さん、
本当にありがとうございました!
また行きたいぞ~!!
家族にも見てもらいたい!(でも船酔いが…)
★おまけ
活動が活発な時のTV映像です。
この頃では父島や母島でも爆発音や振動が伝わって来ていました。