政府が年末に閣議決定を目指している、次期防衛計画の概要案が提示された。
概要案では、日本を取り巻く安全保障環境の急激な変化(悪化)に対応するための、予算・人員の重点指向が示されている。正面兵力では東京五輪をも視野に入れたサイバー対処、電子戦能力の拡充、宇宙の監視・危険排除手段(総合ミサイル防空能力)の整備を図るとともに、従来脆弱であった後方能力のうち「離島(南西諸島)に対する機動展開能力」を優先事項としている。特に、機動展開能力は帝国海軍以来整備を怠った分野であり、現在の「おおすみ型」輸送艦にあっても、展開能力については劣っていると云わざるを得ない。アメリカ海軍の強襲揚陸艦は最大速力は22ノットと「おおすみ型」と同じであるが、強大な空母の支援下に行動するとともに自身の持つ防空兵器と航空機で相当な個艦戦闘能力を持っている。一方「おおすみ型」は防空兵器を持たないために、個艦戦闘能力は皆無に等しく護衛部隊の庇護なしには戦闘海域では行動できないという弱点を持っている。まさしく、陸軍部隊の輸送を徴発した商船に依存し、護衛部隊に軽巡以下の兵力しか充当できなかったとともに、船団の速力を輸送船のうち最も低速の船に合わせなければならなかったために避退行動もままならず潜水艦によって撃沈されるという事態を招いた日本帝国軍の轍を踏む危険性を有する兵力整備である。せめて護衛部隊と同一行動がとれる速力は付与すべきであったと思う。話変わって、産経新聞の解説記事中「ゲーム・チェンジャーとなり得る最先端技術の重点的に投資する」とあった。ゲーム・チェンジャー?。ことバンクには《同じような目的を持った製品群の中に現れ、新しい視点や先見性を持ち、これまで当たり前だった状況を覆してしまう可能性を持った存在のことを指す。またそのコミュニティや、それに関わる個人に新しい価値観をもたらし、それ自体が次世代の基準となりえるようなもの。多くの場合それはオリジナルのものであり、他のものより抜出て優秀なアイデアを持っている。》と書かれていた。スポーツやゲームの世界ではこれまでも一般的に使用されていたものとも付記されており、不明を恥じるとともにゲーム・チェンジャーとは、広島カープの”メヒヤ”や”バティスタ”のように、一発で敵の意図や野望を粉砕できる存在を指すのかと納得した。
カタカナ語の嫌いな(英語に弱いことが最大の原因であるが)自分としてゲーム・チェンジャーの和訳を試みた。一発逆転兵器?、起死回生兵器????。いずれも大東亜戦争末期の特攻兵器を想起させるもので、かつ、実体を正確には表現できていないと思う。センスある方の翻訳・意訳をお願いするものである。