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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

立憲民主党に糊塗名人の称号を

2021年04月16日 | 野党

 今国会初の憲法審査会の詳細が報じられた。

 今次の憲法審査会は、自民党と立憲民主党の幹事長間で「何らかの結論を得る」との合意の下で開催されたために討議内容と採決の行方が注目されていたが、終わってみれば「国民投票法改正案の継続審議」が事実上決定されたことと理解した。同改正案の採決については自・公・国民・維新も賛成しており、反対したのは立憲民主党と改憲そのものを全否定する共産党だけとされている。この結末に関して立憲民主党の委員理事を務める奥野総一郎議員は「《何らかの結論》とはすんなり採決を意味していない、機が熟しているとは思えない」と語っている。おそらく世間一般では「何らかの結論」は可否いずれかの採決と理解するであろうが、奥野議員を始めとする立憲民主党議員にあっては採決はおろか開催や討議を拒否することすら結論に含まれているらしい。
さらに奥の議員は、「急いで憲法の中身の議論に入る必要は無い」とも述べている。
 多くの識者から「現憲法は制定時に想定されていなかった社会の変革に対応できない」とは指摘され続けてきたが、中国コロナ禍では新たに「緊急事態条項の欠落」が浮き彫りにされた。コロナの感染防止は要請に留まらざるを得ず、ワクチン開発で先進国の後塵を拝したことは、偏に緊急条項の欠落に起因するものである。アメリカ大統領は憲法の緊急条項に基づく「国防生産法」で、自動車産業に人工呼吸器の生産を命令し、ファイザー社に対してワクチン開発の公的資源を大量投下したが、日本ではマスクの増産さえできなかった。
 近年、同性婚の解禁が議論を呼んでいるが、婚姻の自由を定めた憲法24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)1項で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し・・・」と規定している。憲法制定時にも同性愛は存在していたであろうが、「世間を憚る行為」で公には存在し得なかったと思っている。現在、同性婚賛成論者は、憲法条文の「姓」は男女を示すものでは無く最近に市民権を得た「ジェンダー」であると主張しているが、自衛力は「武力」ではないとした牽強付会の再現であり、憲法を恣意的な解釈で運用することは法治国家としてはあってはならないように思える。

 憲法規定と現実社会が乖離した原因は何であろうか。憲法が悪かったのか、それとも憲法制定時の理念を蔑ろにした社会の発展・変革が悪かったのだろうか。科学技術の進歩に伴って社会や文明は変化することは必然であることを思えば、憲法が間違っている、憲法が古くなっているのは明白であるように思える。
 そんな中にあって、憲法論議さえ拒否する立憲民主党は公党としての責務を放棄したと思わざるを得ない。国民の70%が改憲に期待している現状にあっても、一桁台の支持率を正義として国語の意味さえ私する立憲民主党に、「糊塗名人」の称号を贈呈するものである。


風評の語源を知る

2021年04月14日 | 野党

 政府が福島原発の廃炉作業に伴う処理水を海洋放出することを決定した。

 処理水に含まれる放射性物質トリチウムは人体への影響も少なく、濃度も国が定める安全基準の40分の1未満で自然界と同レベルとされている。各国の原発施設からは福島よりさらに高濃度のトリチウムを海洋又は大気中に放出しているとされており、IAEAも政府の海洋放出を支持しているが、地元漁協や野党は今回の放出に対して、風評被害が懸念されるとの理由から反対している。
 本日の産経抄で知ったことであるが、”風評”という語句を国会で最初に使用したのは1956(昭和31)年に社会党参議院議員の曽根益氏であるらしい。曽根氏はマグロ漁船「第五福竜丸」がビキニ環礁で被爆し船内のマグロから高レベルの放射能が検知されて以降、全ての魚介類の消費が落ち込んだことを”風評”と表現したそうである。産経抄の記述では《・・風評と名付けて・・》とされていたので曽根氏の造語かと思ったが、デジタル大辞泉には《玉石志林(1861‐64)「此人先づ使臣を非毀するの風評を流伝し」という語源めいた例が付記されているので、曽根氏の造語ではないようである。
 中国・韓国は今回の海洋放出決定に重大な懸念を表明しているが、自国で高レベルトリチウムの大量排出を続けながら日本の海洋放出を論うのは、いささか「目糞・鼻糞」の感がある以上に、”Fukushima”のイメージに悪用・便乗した日本産品の汚染風評を煽っている根柢が透けているように思える。
 日本のメディアの一部にも中韓に迎合するかの論評もあり、政治家でも早速に社民党の福島瑞穂党首が処理水ではなく「汚染水の放出」とツイートしたと報じられており、今後の風評被害の源はそれらに起因することが大きいように思える。
 こんな時にこそ、コロナ禍で突然に脚光を浴びたものの表舞台から姿を消した「エビデンス」にとっては再デビュー・再ブレイクの好機であると思うが、一向に姿を見せない。

 世に”百日の説法屁一つ”と説かれるように、高邁な理想や科学的な根拠も眼前の一つの映像には勝てないようである。かってO157の主犯との風評に晒されたカイワレダイコンの危機を救ったのは細菌検査データではなく菅直人厚労相のパフォーマンスであった。このことを思えば、今後の自民党議員の会食は福島産品の魚介類に限るとか、黒川式麻雀も金はダメだが福島県産の魚介類や台湾産のパインは可とすれば、多くの映像や視線に露出できて風評被害の局限に寄与できるのでは無いだろうか(笑)。
 しかしながらトランプ大統領との晩餐会に独島エビを誇らしげに供した文大統領が冷笑・無視しか得られなかったことを思えば、あまりにもあからさまな手法は好結果に結び付かないようにも思える。


嗚呼。カンスタブル展!!

2021年04月12日 | 美術

 三菱一号館美術館でカンスタブル展が開催中である。

 出品リストを眺めると、英国テート美術館が所蔵するカンスタブル、ターナーを主に約90点が挙げられている。
 カンスタブルは何時しかコンスタブルと表記されることとなったが、今回の展覧会には代表作「干草車(英ナショナル・アート・ギャラリー蔵)」は来ないものの、自分にとってはカンスタブル作品に接することができる最後の機会かと思う。コロナ禍における不要不急外出の自粛と長年の夢?に大いに葛藤したが、高齢者の責務と考えて観覧を断念、美術館HPの画像で我慢することとした。しかしながら、数年前までは欧米の主要美術館のHPで所蔵品の大半が鮮明な画像で公開されていて無料で見ることができたが、今ではサムネール表示やロゴ入画像に代えられてしまい、徒に本物を観たいという欲求を掻き立てられるだけに終わった。著作権が消滅したとはいえ、鮮明な画像は商行為などに使用されるだろう現状からやむを得ないものであろうが、海外旅行や有料視聴する余力のない自分のような絵画愛好家にとっては厳しい・寂しい現実である。

 というわけで本日は、10数年以上も前にDLしていたカンスタブル作品3点(ボーナス作品あり)を紹介することとした。これが違反行為に当たるものかハッキリしないが、泉下のカンスタブル氏も御容赦を。

代表作「干草車:英ナショナルギャラリー蔵」


今次展示会の目玉「Flatford Mill:英テート美術館蔵」


かって観た「跳ねる馬:英・ロイヤルアカデミー」


どさくさに紛れて自作「三菱一号館美術館の裏庭(F10)」



マグニツキー法と公明党

2021年04月10日 | 中国

 与野党有志が「人権外交を超党派で考える議員連盟」を設立した。

 議連は自民党の中谷元(元防衛相)議員と国民民主党の山尾志桜里議員が共同代表となり、外国の人権侵害に制裁を科す「日本版マグニツキー法」の議員立法を目指すとしており、設立総会には53人が出席したとされている。中国寄りを公然とする公明・共産各党も参加したと報じられているが、公・共の参加者はそれぞれ1名で「お義理の」「バスに乗る姿勢を見せる」ものに留まっている。加えて山口那津男公明党代表が記者会見で、わざわざ「今回の議連参加は個々の議員の自主的な判断」と述べていることを観れば、公明党が議員立法に前向きでなく、おそらく成立阻止に暗躍するであろうことは想像に難くない。
 「マグニツキー法」とは、ロシア政府の疑獄疑惑を告発した後に脱税容疑で逮捕・獄死したロシア人弁護士セルゲイ・マグニツキー氏の事件をきっかけにイギリスなど9カ国で制定、アメリカは更に具体的な個々の事案に対して「香港人権法」や「ウイグル人権法」と銘打って制定、制裁対象者(個人・団体)に対するビザ発給停止や資産凍結などを規定している。
 公明党はこれまでも、外国資本の土地使用規制法を骨抜きにしたり、尖閣水域防衛や北ミサイル対処を念頭に置いた「敵基地攻撃能力整備」にブレーキを踏んだりと、あからさまな中国寄り姿勢を示してきた。公明党=創価学会であることは自明の理であり、公明党結党時にも政教分離の原則から政党とされるべきではないと思っていたが、日中国交正常化のために創価学会の池田会長と竹入義勝委員長の持つ対中チャンネルを活用しなければならなかった因縁から、公明党は何時しか政権連立に地歩を築いた感がある。宗教者である池田・竹入両氏が、宗教をアヘンとする共産党と結びついた経緯は理解できないところであるが、竹入氏が除名・追放された後も中国との紐帯を保っていることも不思議に思える。さらに宗教集団である公明党が、仏教の禁止、ダライラマの追放、法輪功弾圧、ウィグル族のイスラム弾圧、キリスト教徒(地下教会潜航)迫害等々の事態にあってもに一貫して宗教者の厄災に目をつぶって共産党を擁護し続けることも、同じ宗教者の行動としては首肯できないと思う。

 今回結成された議連は、中国やミャンマーで深刻化する少数民族や民主派への弾圧を念頭に置いて「人権侵害制裁法案」を今国会に議員立法で提出・成立させ、「人権外交」で動きの鈍い政府に具体的な行動を促すとしているが、法案成立には、自民党の二階媚中幹事長の障壁、親中看板が露わになっても組織の基礎票で議席を維持できる公明党と共産党の横槍、中国を刺激したくない経済界の献金縮小、等々の障壁・障害物が横たわっているために、議員が共同提案者から脱落することも懸念される。
 我々も中国の横暴阻止のために、立法に反対する議員には次の議席を与えないという強い意志を示すべきと思う。
 金と知名度のある有志の方、人権制裁法案に反対する議員を落選させる市民運動を起こして頂けないだろうか。さらには公明党の政党看板はく奪を発議されることを切望するものである。


衆院憲法審査会の開催に関して

2021年04月09日 | 憲法

 今国会初の衆院憲法審査会が15日に開催されることとなった。

 討議されるのは8回も継続審議となっている国民投票法改正案であるが、同法案の取り扱いについては昨年12月に自民・立民の幹事長間で「今国会で何らかの結論を得る」ことで合意したものでありながら、解散政局をにらんだ立民・共産の反対と残された会期から見て審査会採決・本会議上程は絶望的と思われる。
 通常国会の最終盤に来て形ばかりの審査会開催に同意する立民の手法からは、政権与党を目指す気概や選良としての自覚は窺えず、心情的社会主義者の集票に汲々としたあさましい行為に映る。繁栄していたギリシャ都市国家を衰退させた直接民主制を衆愚政治と呼ぶそうであるが、現在の日本の政治家と政治手法、とりわけ国家の経綸を問うことなくステーキの値段を論う立憲民主党のそれは衆愚の、それも一桁台の支持者に迎合するポピュリストの極致と云わざるを得ない。
 さらに絶望的であるのは、立憲民主党ポピュリストではなくリベラリストであると呼号することである。ノーベル賞作家のイシグロ氏を始めとする世界の識者の多くは、「リベラリストは自分の主張が絶対であるとして反対意見に耳を傾けない」ことと慨嘆しており、リベラリストの理想到達点は「反対意見を封殺出来て、意のままに国民を統制できる共産党独裁」であろうと観ている。
 「訓練されたコミュニスト」を公言するアンティファが、アメリカの歴史と価値観を破壊することに躍起となっていることは周知のことであり、2001年にタリバンがバーミヤンの石仏・石窟を始めとする宗教遺産を破壊したことも記憶に新しい。彼等にすれば先人の営み(歴史)であっても自分の陶酔した価値観と思想から外れたものは、全て悪であり破壊することを躊躇しない。
 些か小物に過ぎるが、社民党の福島党首が丸川五輪大臣の夫婦同姓主張を口を極めて痛罵したのも、一切の異見を認めないリベラリストの典型に思える。

 京大の望月新一教授が20年の研究で証明したとされる数学の超難問「ABC予想」が、8年に及ぶ学内査読を通過して国際専門誌「PRIMS」特別号に掲載されることが発表された。理論の真偽は今後に俟つとしても、科学の世界では絶対的な真理が存在するであろうが、人間の営み特に政治には絶対の真理など存在せず、多様な意見の融合、折り合いで決せざるを得ないのではないだろうか。冒頭の国民投票法については、野党の審議拒否に業を煮やした与党が憲法審査会で強行採決した過去を持っているが、討議を尽くした後に多数決に依るのは民主主義の鉄則であり、討議に参加しないのは採決参加の権利を放棄したことに他ならないと思っている。立憲民主党は憲法審査会の決定は全会一致とすることを求めているようであるが、自分が歩み寄らなければ相手も歩み寄らない現実も、リベラリストの沽券にかかわると受け入れないように思える。