県会可決 58年ぶり5月補正
県議会臨時会が20日開かれ、2011年度一般会計補正予算案を可決した。総額23億5900万円で、東日本大震災などに対応する経費のうち、緊急性が高いものを計上した。また正副議長がそれぞれ自民党会派の「自民改革会議」から選出された。昨年5月の臨時会で、1955年の自民党結党以来初めて、正副議長ポストの独占が崩れた自民党会派だったが、1年で取り戻した。民主系会派「民主党・ふじのくに県議団」を支持基盤とする川勝知事にとって、厳しい議会運営が始まりそうだ。
5月に補正予算を組むのは58年ぶりで、補正後の一般会計総額は1兆1347億円となる。新議長には植田徹氏(61)(自民改革会議、富士市)、新副議長には鈴木洋佑氏(67)(同、浜松市西区)がそれぞれ投票で選出された。
昨年、自民党会派の分裂や、自民議員の造反により初めて副議長ポストを獲得した「民主党・ふじのくに県議団」。4月の県議選で自民改革会議に過半数を占められた今回も「副議長は第二会派から出すべきだ」として、副議長には同県議団の三ッ谷金秋氏(磐田市)に投票した。しかし、総投票数69に対し、鈴木氏37票、三ッ谷氏20票と、ほぼ会派の人数通りの投票結果となった。
◆被災者受け入れ2350万円を計上
県は、東日本大震災で避難が必要なお年寄りや障害者とその家族ら約1400人を県内の病院や障害者施設に受け入れる態勢を整えており、5月補正予算案に無料バスで迎えに行く費用などとして、2350万円を盛り込んだ。
厚労省は3月18日、被災地から障害者や高齢者、入院患者ら援護が必要な人たちが避難してくる可能性があるため、都道府県や政令市に対し、受け入れ可能な施設を調べるよう通知した。これを受け、県は受け入れ準備を進め、バスで迎えに行く予算措置を講じることにした。
5月補正予算案に盛り込んだのは、保護が必要な児童や母子、高齢者とその家族、入院患者ら計1403人分の移送費用など。
◆川勝県政へのチェック強化 植田議長
正副議長に就任した植田徹氏と鈴木洋佑氏は20日、記者会見し、植田氏は「議会は知事当局と車の両輪。予算、条例を決めるのは議会、執行する代表者が知事だ。その方向で議会運営を図りたい」と述べ、川勝県政へのチェック機能を強化していく考えを強調した。鈴木氏は「県民の多様な声を聞くため、議会改革は必要であり、積極的に取り組んでいく」と、議会改革への意気込みを語った。
(2011年5月21日 読売新聞)
県議会臨時会が20日開かれ、2011年度一般会計補正予算案を可決した。総額23億5900万円で、東日本大震災などに対応する経費のうち、緊急性が高いものを計上した。また正副議長がそれぞれ自民党会派の「自民改革会議」から選出された。昨年5月の臨時会で、1955年の自民党結党以来初めて、正副議長ポストの独占が崩れた自民党会派だったが、1年で取り戻した。民主系会派「民主党・ふじのくに県議団」を支持基盤とする川勝知事にとって、厳しい議会運営が始まりそうだ。
5月に補正予算を組むのは58年ぶりで、補正後の一般会計総額は1兆1347億円となる。新議長には植田徹氏(61)(自民改革会議、富士市)、新副議長には鈴木洋佑氏(67)(同、浜松市西区)がそれぞれ投票で選出された。
昨年、自民党会派の分裂や、自民議員の造反により初めて副議長ポストを獲得した「民主党・ふじのくに県議団」。4月の県議選で自民改革会議に過半数を占められた今回も「副議長は第二会派から出すべきだ」として、副議長には同県議団の三ッ谷金秋氏(磐田市)に投票した。しかし、総投票数69に対し、鈴木氏37票、三ッ谷氏20票と、ほぼ会派の人数通りの投票結果となった。
◆被災者受け入れ2350万円を計上
県は、東日本大震災で避難が必要なお年寄りや障害者とその家族ら約1400人を県内の病院や障害者施設に受け入れる態勢を整えており、5月補正予算案に無料バスで迎えに行く費用などとして、2350万円を盛り込んだ。
厚労省は3月18日、被災地から障害者や高齢者、入院患者ら援護が必要な人たちが避難してくる可能性があるため、都道府県や政令市に対し、受け入れ可能な施設を調べるよう通知した。これを受け、県は受け入れ準備を進め、バスで迎えに行く予算措置を講じることにした。
5月補正予算案に盛り込んだのは、保護が必要な児童や母子、高齢者とその家族、入院患者ら計1403人分の移送費用など。
◆川勝県政へのチェック強化 植田議長
正副議長に就任した植田徹氏と鈴木洋佑氏は20日、記者会見し、植田氏は「議会は知事当局と車の両輪。予算、条例を決めるのは議会、執行する代表者が知事だ。その方向で議会運営を図りたい」と述べ、川勝県政へのチェック機能を強化していく考えを強調した。鈴木氏は「県民の多様な声を聞くため、議会改革は必要であり、積極的に取り組んでいく」と、議会改革への意気込みを語った。
(2011年5月21日 読売新聞)