ゴエモンのつぶやき

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東日本大震災:被災地で郵政分社化が障害…要望に対応苦慮

2011年05月25日 01時53分59秒 | 障害者の自立

 東日本大震災の被災地で、日本郵政グループの分社化が郵便サービス回復の足かせになるケースが出ている。各事業会社の業務範囲が法律で決められているため、郵便局員が郵便物を預かることができなかったり、郵便配達員が貯金引き出しの依頼を受けられないなど、被災者の要望に応えられず、現場の職員が対応に苦慮するケースもあるという。

 「配達は日本郵便の担当なので、郵便局では分かりません」「同じ郵便なのにどうして?」。津波で浸水したが、震災11日後から業務を再開した石巻郵便局(宮城県石巻市)には、非常電話が開通した3月末から、郵便の配達状況や受け取り方法を問い合わせる電話が1日に最大100件程度寄せられた。だが、郵便局会社の職員は、郵便事業会社(日本郵便)が担当する集配体制についての情報を持っておらず、回答ができなかった。

 郵便局と同じビルに日本郵便石巻支店があるが、個人情報保護のため互いに自由に出入りできない規則といい、二階堂明浩局長は「被災して困っている人の力になれなくて歯がゆかった」と振り返る。

 また、震災により東北地方の拠点で配達用の車とバイク計450台以上を失った日本郵便は、郵便局会社でバイクや自転車が無事でも、許可を得ないと使えなかった。石巻郵便局ではバイク数台が被害を免れ、日本郵便支店長が貸し出しを要請。「緊急事態」と判断し、1台を貸した二階堂局長は「本社に連絡がつかない中、契約が必要だとか、事故が起きたらとか考えると簡単には決断できなかった」と振り返る。

 日本郵政は、07年の民営化で持ち株会社と事業4社の5社体制になり、郵便物の集配は日本郵便、郵便の受け付けや貯金・保険の取り扱いの窓口業務は郵便局会社などと、法律で業務範囲が限定された。今回の震災では、その縦割りが弾力的なサービス提供を阻み、マイナスに働くケースが目立つ。

 関係者によると、郵便局会社が貯金払い戻しのため避難所に設けた臨時窓口で郵便を預かれなかったり、日本郵便社員が配達先で「通帳を預かって貯金を下ろしてほしい」と頼まれても断らざるを得ない事例が起きた。また、日本郵便が車両型の移動郵便局11台を現地に派遣しようとしたところ、貯金を扱うためには郵便局会社に貸し出して同社社員が運転することが必要で、車両保険の変更に時間を取られたこともあったという。

 郵便局の再建も影響を受けている。全半壊などの被害を受け、再開できていない郵便局83局のうち15局は日本郵便の支店や集配センターと郵便局が同居していた。だが、持ち株会社の日本郵政と日本郵便、郵便局会社の3社を再統合する郵政改革法案の国会審議はストップしており、再編の行方が見えない。さらに、赤字の日本郵便が集配センターの一部を廃止する意向を持っていることもあり、新たな建物のレイアウトや事業主体がはっきりせず、「郵便局長室と日本郵便支店長室の両方が必要なのかすら分からない」(日本郵政幹部)状況が続いている。

 日本郵政の斎藤次郎社長は「将来の経営形態がどうなるか分からないまま、有効な復興計画を描くことはできない」と頭を抱えており、一日も早い政治決着を求めている。


毎日新聞 2011年5月24日 21時23分(最終更新 5月24日 21時50分)

胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』

2011年05月25日 01時48分43秒 | 障害者の自立
 未来社会を音でデザインした、ひとりの天才がいた。その天才の名前は大野松雄。音楽マニアには"日本初の音響デザイナー"として名前を覚えられているが、日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』(63~66年、フジテレビ系)の効果マンといったほうが分かりやすいだろう。アトムの歩くときの、ピョコピョコという足音を生み出した裏方さんである。ロボットであるはずのアトムだが、その足音は非常にかわいらしく、足音にアトムの人格が備わっていた。アトムが生きている時代は未来だから、現代にない新しい素材が開発されているに違いないというのが大野氏の考えだった。大野氏は登場して間もない電子音楽を使って、"この世ならざる音"を生み出すことに情熱を注いだ。そんな天才的職人の半生を追ったのが、『パンドラの匣』(09)、『乱暴と待機』(10)などの劇映画で知られる冨永昌敬監督のドキュメンタリー映画『アトムの足音が聞こえる』である。

 "この世ならざる音"を追い求めた大野氏の『鉄腕アトム』での仕事ぶりは、その後の日本のアニメ界に多大な影響を与えた。『宇宙戦艦ヤマト』(74年、日本テレビ系)で宇宙の広大さを電子音で表現した柏原満氏は大野氏の直弟子であり、『機動戦士ガンダム』(79年、テレビ朝日系)の効果音を担当した松田昭彦氏も大野氏の影響を大きく受けたと話す。世界中で人気を博した日本のSFアニメは、大野氏の存在なしではかなり評価の違ったものになっていたようだ。また柏原氏は『サザエさん』(フジテレビ系)、『ドラえもん』(テレビ朝日系)などの長寿アニメの効果音も手掛けている。タラちゃんが駆け足するときの不思議な足音は、どうやらアトムの足音の名残りらしい。大野松雄の存在を知らない人も、彼が生み出した、もしくは彼の影響を受けた"この世ならざる音"を耳にしながら、少年少女期を過ごしていたわけだ。

 アトムの足音の意外な正体も解き明かされるが、本作は大野氏の天才ぶりを讃えるのが主題ではない。天才的な音の職人・大野松雄の、天才ならではの人間的な面白さを冨永監督は掘り下げていく。アニメ『鉄腕アトム』の原作者兼演出家であった手塚治虫に対して、大野氏は「印刷媒体でのあなたの仕事は尊敬しますが、映像に関してはド素人。素人は黙っててください」と言い放っている。"漫画の神様"に、ここまで言った人はそうそういなかったはずだ。天才だからこそ神様に向かって、ガチでケンカをすることもできた。また、アニメファンにとって、伝説的作品である『ルパン三世』第1シリーズ(71~72年、日本テレビ系)のエンドロールには"サウンド 大野松雄"と堂々とクレジットされているが、実際は名前を貸しただけで、本人はまったく『ルパン三世』には関与していなかったことが明らかにされる。天才であると同時に、かなりテキトーな一面も持ち合わせていたようだ。大野松雄とは一体どんな人物なのか、興味が湧いてくる。

 大野氏が直接手掛けたテレビアニメは、結局『鉄腕アトム』だけだが、その後は『惑星大戦争』(77)などの映画を、さらに「つくばEXPO'85」のパビリオンなどの空間音響システム・デザイナーとして才能を発揮する。いち裏方に留まらず、ドキュメンタリー映画の製作・監督も手掛けている。大野氏が拠点とした東京・青山の大野スタジオ(綜合社)は、前衛芸術家が集まる梁山泊と化していたそうだ。だが、やがて借金で首が回らなくなり、大野氏は夜逃げしてしまった事実が告げられる。冨永監督は大野氏の亡命先である関西へと向かい、いよいよご本人が登場。滋賀県にある知的障害者たちのための施設「もみじ寮・あざみ寮」で年に一度開かれる寮生たちが出演する公演の音響を手掛けている大野氏のもとを、冨永監督は訪ねる。

 大野氏は1930年生まれ(東京・神田生まれの江戸っ子)。見た目は好々爺然としているが、冨永監督によるとやはり油断ならない人物だったそうだ。初対面の日、和やかな雑談の最中に軍事評論家・田母神俊雄の話題が出たとたん、「あの野郎、戦争も知らないくせに、いい加減なこと言いやがって!」と過激な口ぶりとなり、冨永監督をワクワクさせている。その一方、撮影中には「若い人はだめだな。頭が固いな」と何度も嫌みも言われたそうだ。

 そんな大野氏の口からこぼれる職人哲学がサイコーに振るっている。「プロとは、いつでもアマチュアに戻れること。そして、どんなに手を抜いても、相手を騙せること」。実に含蓄ある言葉ではないか。確かに、プロ野球のエースは、ここぞという勝負どき以外は全力投球しない。全イニングを全力投球すれば、肩を故障してしまう。いかに手を抜いて、最善の結果を残すかがプロの仕事というわけだ。大野氏は「これだという仕事以外は手を抜いていたよ」と笑いながら語る。そう言いながら、大野氏は「あざみ寮、もみじ寮」の舞台公演をボランティアとして無償で長年支えている。「痩せても枯れても、かつてその道でプロと呼ばれたから、手抜きはできない」と言う。「プロとは手を抜くこと」という言葉と相反するが、これは「プロとは、いつでもアマチュアに戻れること
を指すのだろう。

 「あざみ寮・もみじ寮」で過ごす大野氏の表情は、とてもおおらかだ。都落ちした"過去の人"には見えない。天才・大野氏にとって、「あざみ寮・もみじ寮」はどのような場所なのだろうか。冨永監督にコメントを求めた。

冨永監督「あざみ寮・もみじ寮という場所は、僕らのような外部の人間に対しても大変にウェルカムなところで、とても居心地がよく、大野さんが何かとあそこに入り浸るのも雰囲気として理解できました。なにしろ、大野さんと寮生さん(施設生活者)や職員のみなさんとは40年のつきあいですから、ほとんど兄弟のような関係なんじゃないでしょうか。たとえば体育館です。あそこは大野さんの音響実験室みたいになっていて、大野さんが作り出す大音量の凄まじい音さえ、施設の日常に溶け込んでいるといった感じです。みんな、大野さんのことを"奇怪な音づくりに没頭する兄貴"くらいに思ってるんじゃないですか」

 冨永監督作品は、『パビリオン山椒魚』(06)や『パンドラの匣』でジャズミュージシャンの菊地成孔、『乱暴と待機』で相対性理論と大谷能生といった気鋭のアーティストを起用し、オシャレな音楽のイメージがあるが、型破りな天才・大野松雄氏の生き様に触れたことで、今後どのような化学反応が生じるのかも気になるところだ。

冨永監督「僕の映画の音楽がオシャレかどうかはともかく、大野さんから何らかの刺激を受けたのは間違いありません。ただそれは、自分とはまったく異質な人物から人生が変わるほど影響を受けたというわけではなく、もともと僕が持っていたであろう大野松雄的な部分が、大野さんに会ったことで自覚できたということだと思います。大野さんについては心から尊敬する一方で、夜逃げしたとか、歯がなかったりとか、そういう刹那的な部分は手本になりませんが......」

 プロとはうまく手を抜くこと。ピョコ。そして、いつでもアマチュアに戻れること。ピョコピョコ。アトムの足音と天才職人の言葉が、いつまでも胸にエコーし続ける。
(文=長野辰次)

『アトムの足音が聞こえる』
監督/冨永昌敬 ナレーター/野宮真貴 音響効果/パードン木村 出演/大野松雄、柴崎憲治、竹内一喜、大和定次、杉山正美、高橋巌、柏原満、桜井勝美、田代敦巳、町田圭子、小谷映一、ひのきしんじ、松田昭彦、Open Reel Ensemble、齋藤昭、湧井康貴、村上浩、由良泰人、レイ・ハラカミ、金森祥之 
配給/東風 5月21日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開中
<http://www.atom-ashioto.jp>

日刊サイゾー

佐賀大が文化掘り起こし 「鍋島ルネサンス構想」

2011年05月25日 01時46分37秒 | 障害者の自立
 佐賀大学(佐賀市)は、地元の埋もれた資産や消えつつある文化を掘り起こし、情報発信や地域活性化に取り組む「文化創成コーディネーター」を育成する教育プログラムをスタートした。題して「鍋島ルネサンス構想」。明治維新を担った佐賀の偉人たちを輩出した教育文化を呼び戻し、21世紀をリードする人材の育成を目指す。来春には、学生と地域住民の出会いと協働の場となるコミュニティーカフェを同市内にオープンする予定。

 同大は市中心部の商店街を舞台に、公開講座などを実施する「ゆっつらーと館」の開設(2002年)、空き家を利用した学生の居住実験(2010年)など、教育と地域活性策を連動させた取り組みを進めている。こうした実績を踏まえ、さらに社会と積極的に関わり、企画力のある人材を育成することが狙い。

 プログラム(4年間)は、文化教育学部の木原誠教授(国際文化学)らが発案。同学部を中心に他学部だけでなく、学外のNPO法人や行政組織などとも連携する。学内で地域文化論、高齢者や障害者の支援などを学び、学外のカフェを中心に社会貢献や地域振興、コミュニティー形成などを目的としたイベントなどを企画・運営する。

 本年度は同学部の約70人が受講。当面はカフェの形態や運営方法を検討していく。今月21日は、諸富家具職人が営む展示場兼カフェ「wood-style cafe」(佐賀市諸富町)を視察。今後、カフェを併設した映画館シアターシエマ(同市松原)や学生が経営する熊本市内の喫茶店などを訪れる予定。

 諸富町の視察に参加した同学部4年、幸田美咲さん(21)は「地域の人たちが自然と集まる居心地のよい空間にし、街が明るくなるようなイベントの企画や情報を発信したい」と意気込んでいる。

=2011/05/25付 西日本新聞朝刊=

税と社会保障:社会保険、非正規へ「適用拡大を」 菅首相、重点3分野を指示

2011年05月25日 01時44分22秒 | 障害者の自立

 菅直人首相は23日の税と社会保障の一体改革に関する集中検討会議で、非正規雇用労働者への社会保険適用拡大など3分野を重点的に検討を進めるよう指示した。政府は「全世代対応型」への転換を打ち出しており、現役世代に配慮する考えを強調する狙いだ。

 首相は、幼保一元化など子育て支援強化▽非正規労働者への社会保険(厚生年金や健康保険)適用拡大▽医療、介護、保育、障害各制度の自己負担を「総合合算」して上限を設ける制度の導入--の3点を優先するよう求めた。次回の会議で給付効率化・重点化のための優先課題を指示する意向も明らかにし、「来週中に(社会保障改革全体像の)原案を取りまとめたい」と語った。


毎日新聞 2011年5月24日 東京朝刊

年金の最低保障対象、明示せず 新制度で民主党案

2011年05月25日 01時40分51秒 | 障害者の自立

 社会保障と税の一体改革で、民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人代表代行)による社会保障制度改革の原案が24日判明した。同党が掲げる最低保障年金について、原案では支給対象となる所得水準を明記せず、新たな年金制度への移行にかかる期間も示さなかった。

 また消費税増税の場合に低所得者の負担を軽減する「給付付き税額控除」に関し、社会保障と税の共通番号制度創設を前提に、導入を図るとした。同調査会は週内にも正式決定し、政府の集中検討会議が6月にとりまとめる改革案に反映させたい考え。

 原案では、新年金制度の保険料率を15%と明記。ただ、遺族年金や障害年金の分は別途上乗せ徴収するとした。被用者の保険料負担は労使折半。自営業者は全額自己負担だが、導入時に激変緩和を設けるとしている。

 税財源の最低保障年金では、月7万円満額を支給する対象は生涯平均年収が一定水準の人まで。同年収が高くなると徐々に減額し「ある収入レベルで給付額をゼロとする」としただけで具体的な数値を示さなかった。

 低所得者対策については給付付き税額控除のほか、医療や保育などの自己負担合計額に上限を設ける仕組みの導入を提唱。

(共同)
東京新聞