2020年東京パラリンピック大会の成功とパラスポーツの振興を目的とした「日本財団パラリンピックサポートセンター」が10日、パラリンピック競技団体が入所する共同オフィスを日本財団ビル(東京都港区)の4階にオープンした。この日、同ビルで記者発表会が開かれ、同センターの山脇康会長は「競技団体が一堂に会し、ユニバーサルデザインのオフィスを共有する開かれた空間と場を持つことは今までになかった新しい試み。競技の枠を越え、お互いの情報を共有し合い、切磋琢磨(せっさたくま)することで相乗効果が期待できるだけでなく、この斬新な共同オフィスがパラリンピックに関するさまざまな情報発信の基地となることを期待している」と述べた。
日本財団パラリンピックサポートセンターは、今年5月に日本財団の支援により設立。同センターがパラリンピック競技団体へ7〜8月に行った聞き取り調査によると、約7割の団体に専従スタッフがおらず、約4割の団体が専用オフィスを持っていないといい、支援の一環として、同センターが共同オフィスをオープンした。
共同オフィスは、選手と心をひとつに緊張感と誇りを持って働ける環境作りを意識し、「スタジアム」をモチーフにした空間デザインを採用。障害者にも利用しやすいようにバリアフリーへの配慮も徹底している。オフィス内には、オフィスのテーマである「i enjoy」を題材にした人気グループ「SMAP」の香取慎吾さんが描いた壁画も飾られている。同所には、現時点でパラリンピック競技25団体が入居予定。オフィスは無償で提供されるという。
この日の発表会には、同センターを応援する人気グループ「SMAP」や、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長を務める森喜朗元首相、遠藤利明担当相、舛添要一東京都知事、日本パラリンピック委員会の鳥原光憲会長、鈴木大地スポーツ庁長官、車いすテニスの国枝慎吾選手らも出席した。
SMAPの中居正広さんは「サポートといっても選手の方がメイン。僕たちは、とにかくどんな形で支えることができるのか、どんなパフォーマンスができるのかを、これから皆さんともに話しながら準備して、サポートさせていただきたい」と意気込み、木村拓哉さんも「来年開かれるリオデジャネイロ、(次期)冬季の平昌、そして2020年の東京パラリンピック。自分たちができる範囲で全力でサポートしていきたい」と力を込めた。

日本財団パラリンピックサポートセンターがオープンしたパラリンピック競技団体が入所する共同オフィス
2015年11月10日 毎日新聞