きたかみ飲食店UD(ユニバーサルデザイン)スキルアップ事業「飲食店障がい者対応スキルアップ講座」は5日、北上市常盤台の市総合福祉センターで開講した。2016年度に全国障害者スポーツ大会が同市で開かれることを受けて開催。市内の飲食店関係者らが参加し、障害を持つ人への対応能力の向上を図っている。
同市のNPO法人アクセシブル北上(小原広記理事長)が主催。市の市民公募型協働事業補助金「まちづくりチャレンジ補助金」の15年度採択事業で、全国から集まる障害を持った人たちに北上・岩手の食を堪能してもらうことなどが狙い。
同日と8日の午後2~5時と同6~9時の各日2回の計4回、同一の講座を開講。飲食店関係者にも受講しやすいように午後や夕方の時間に設定している。
初日の第1回講座は、飲食店やホテルの経営者や従業員ら約30人が参加。開講に先立ち、小原理事長は「来年度の全国障害者スポーツ大会をきっかけに、市内で障害者に対応できる飲食店を1店舗でも増やし、誰もが生き生きと暮らせるまちづくりにつなげていきたい」とあいさつした。
講座では▽身体障害者の現状や支援方法▽知的・精神障害者の現状と支援方法▽ユニバーサルデザインとは-などの講話や車椅子の操作と介助方法、視覚障害者のキャップ・ハンディ体験などを行った。
身体障害者の現状や支援方法では、市社会福祉協議会福祉推進係の佐藤剛主任が障害の種類や障害者を支援する際の心構えなどを説明。障害者と接する際のポイントとして「困っているそぶりを見掛けたら、まずは声を掛けて何の支援が必要かを具体的に確認する。同じ目線になり、人としてのマナーを持ってすることが大切」と強調した。
車椅子の介助方法では、参加者が障害者と介助者を交互に体験。障害者役が乗った車椅子を押し、段差を乗り越える体験をしたホテルシティプラザ北上のレストランに勤務する三田陽菜さん(18)は「体験ではうまくできても、実際に体の不自由な人を安全で安心に介助するには十分な練習が必要」と話していた。
飲食店障がい者対応スキルアップ講座で車椅子の介助を体験する参加者
(11/6) 岩手日日新聞