ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

化粧を始めた、自信が持てた 視覚障害者向けのメイク術

2015年11月13日 16時25分40秒 | 障害者の自立

 見えなくてもきれいでありたい――。目が不自由でも自分でできる化粧法が編み出され広がり始めています。視力を失った女性は外出する勇気を取り戻し、先天的に目が見えない女性は念願の鏡を買いました。その前で紅をさすと幸せな気持ちになると言います。

■口紅はお守り代わり

 「お昼、何にしよ?」

 「イタリアンか、中華か……。駅前のカフェでサンドイッチでもつまもか」

 「そやね!」

 大阪市の繁華街。白杖(はくじょう)をつきながら、同行援護従業者の女性と街歩きを楽しむ松下恵さん(55)。口元にはピンクベージュの口紅。「引きこもりがちだった私が、こんな風に外を歩けるなんて思いもしませんでした」

 松下さんは13年前、網膜剝離(はくり)で右目を失明。その後、わずかに見えていた左目も視力を失った。右目の失明直後は覚えている手の感覚を頼りに化粧をしていたが、娘たちから「口紅がはみ出てる」と指摘されるように。下を向いて慌てて紅をぬぐう度、「もう私は化粧ができない」と落ち込み、外出をためらうようになっていった。

 転機は4年前。視覚障害者の口コミで、目が不自由でもきれいに仕上げられる化粧法があることを知った。10回ほどレッスンに通って、1人でできるようになると自信を取り戻した。月1回ほどだった外出の機会は週数回に。おしゃれをして、介助役の同行援護従業者らとランチや買い物に行くのが楽しみになった。

 一番うれしかったのは3年前にあった三女の結婚式

「長女のときは化粧崩れが心配で必死にこらえたけど、思いっきり泣けました」

 松下さんが身につけたのは「ブラインドメイク」という化粧法だ。日本福祉大大学院研究生の大石華法(かほう)さん(50)=大阪市=が考案した。

ログイン前の続き 「お化粧ができない」という視覚障害者の悩みを大石さんが知ったのは7年前。同行援護を通じて出会った女性は「口紅は持ち歩くけど、お守り代わり」と言った。切ない思いに触れて、化粧法を考えた。

 試行錯誤の末にたどり着いたのが、スポンジや筆といった化粧道具は使わずに、手や指で化粧を施す方法だ。

 ファンデーションは液状のものを両手のひらで温め、なじませてから、顔に何度も押し込むようにのせていくと塗りむらを防げる。眉、アイシャドー、チーク、口紅は、指先に色をのせて、両手を左右対称に同時に動かすことで、きれいに仕上がる。

 自分で化粧をしたいという目の不自由な女性たちに化粧法を広めていこうと、大石さんは同行援護従業者や、眼科で検査や補助具選びを担当する視能訓練士らにその教授法を伝えてきた。

 現在は3人の女性がそれぞれの居住地(新潟、愛知、島根)で視覚障害者に化粧法を教えている。来春からは大阪市内の美容や医療福祉の専門学校でも教授法の講座をスタートさせ、さらに裾野を広げていく予定だ。

 視覚障害者のケアに詳しい済生会新潟第二病院の眼科医、安藤伸朗さん(62)は「視力を失った人のリハビリは歩行訓練など日常生活の回復のイメージが強いが、ブラインドメイクはそのもっと先、個人の幸せ、尊厳の回復をもたらすものだ」と語る。

■あこがれの三面鏡を買った

 生まれつき目が見えない女性も化粧を楽しめるようになった。

 福岡県筑紫野市の澤村富士子さん(58)が化粧を意識したのは10代後半。当時通っていた鍼灸(しんきゅう)の専門学校で話題になった。化粧に挑戦する弱視の友人もいたが、「全盲の自分にはできない」とあきらめてきた。

 昨秋から月1回化粧法を習い、自宅でも毎日練習した結果、ひとりでできるようになった。幼い頃、母から「鏡の前で化粧をして美しくなる」と教わり、憧れていた三面鏡も買った。毎朝30分、その前で化粧をする。鏡にふれ、きれいになったであろう自分を想像すると気分が華やぐ。

 結婚して約30年。妻の化粧を見た夫の徳(いさお)さん(65)は「きれいですよね」と照れ笑い。「でも、もっとうれしいのは、彼女が明るくなって、『どうせ私なんか目が見えないし』と言わなくなったこと」と話す。

 ほほえむ澤村さんの目元には、夫婦で買いに行った淡いオレンジのアイシャドー。「自分に自信が持てるようになった気がします」

 ブラインドメイクの問い合わせは日本ケアメイク協会にメール(info@caremake.jp)で。

写真・図版

ブラインドメイクのレッスン風景。アイシャドーのパレットの色の位置を教わる視覚障害者の女性(左)=新潟市

2015年11月12日    朝日新聞デジタル


生活訓練事業所に指定 知的・精神障害者支援へ

2015年11月13日 16時16分01秒 | 障害者の自立

薬物依存症回復施設「佐賀ダルク」

 薬物依存症の回復を支援する民間リハビリ施設「佐賀ダルク」(佐賀市北川副町)が障害者総合支援法に基づき、知的・精神障害者の生活訓練事業所として指定を受けた。依存症の中には軽度の知的障害や発達障害を抱えながら、福祉的支援が受けられず、症状を悪化させるケースもある。こうした人たちが自宅から通いながら専門的ケアを受け、自立を目指す場となる。

 佐賀ダルクが肥前精神医療センター(神埼郡吉野ケ里町)と連携し、薬物依存の利用者に心理テストやIQテストを実施したところ、軽度の知的障害や発達障害を抱えるケースがあった。中には万引を繰り返したり、飲酒がやめられないなど、複数の依存症を持つ「クロス・アディクション」も見られた。

 これまで障害者の依存症克服に特化した訓練施設はほとんどなく、地域の中で十分なケアを受けられず、苦悩する当事者や家族は少なくないとみられる。

 ただ、全国に開設されているダルクの施設では、回復を阻害する人間関係などを遮断するため、在住地とは異なる他県への入寮が一般的で、転居が困難な事情のある人や子どもを抱えた母親らの利用が難しかった。今回、佐賀ダルクが指定を受けたのは、通所型の事業所で、自宅から通いながら依存症の克服に取り組めるようになる。

 ダルクの回復プログラムは、集団で人間関係を築きながら、ミーティングやレクリエーションなどを通して体力を取り戻し、感情のコントロールを身に付ける。他者とのコミュニケーションや金銭管理など障害者が自立する上で欠かせないスキルも含まれるという。

 これまで利用者の多くは男性だったため、新たに女性の相談支援スタッフを配置するなど女性が相談しやすいよう配慮した。事業所の指定により、サービス提供の報酬も見込まれ、寄付金頼みだったダルクの運営基盤の安定も期待できる。

 佐賀ダルクの松尾周代表は「依存症に陥る人は孤立感を抱えている。事業所開設によって、同じような境遇の人たちに仲間がいる安心感を与え、社会復帰の望みをかなえたい」と話す。問い合わせは電話0952(28)0121へ。

今月から知的・精神障害者の生活訓練事業所の指定を受けた佐賀ダルク=佐賀市北川副町

2015年11月12日    佐賀新聞


障害者の外出事故 安全と人権、両立に難題

2015年11月13日 16時08分29秒 | 障害者の自立

◆「葵区の施設に責任」判決

 障害者施設を無断外出した入所者の事故に、施設はどこまで監督責任を負うのか。静岡市葵区で二〇一二年四月、バイクの少年が施設を抜け出した入所者を避けようとして死亡した事故をめぐる訴訟で、東京高裁は十月、施設の監督責任を認める判断を示した。遺族側弁護士は「施設外の事故で監督責任を認めた判決は珍しい」と評価するが、施設側は「過度な外出防止対策は人権侵害につながる」と戸惑いの声を上げる。

 事故は四月七日午後七時四十五分ごろ、同区飯間の障害者施設「わらしな学園」近くの県道で発生。バイクの少年=当時(19)=が立っていた入所者を避けようとして転倒、対向の乗用車にはねられ死亡した。

 遺族が翌年、入所者と施設を指定管理する市厚生事業協会に損害賠償を求めて提訴。地裁は今年三月、無断外出への対策が不十分だったとして、責任能力がない入所者に代わり、協会に約二千九百万円を支払うよう命じた。

 東京高裁も十月二十九日の判決で施設の監督責任を認定した。ただ事故の過失割合を変更して賠償額を大幅に減額。「既に自賠責保険で支払われている」として請求自体は棄却したため、遺族は十一日、最高裁に上告した。

 遺族側代理人の佐野雅則弁護士は「在宅介護する家族と異なり、施設は専門性を持っている。入所者とは契約で成り立つ関係であり、高い監督義務があるのは当然だ」と話す。

 高裁判決によると、施設の入所者は八十人。支援員は二十人いるが、午後五時以降の当直時は四人に減る。正門は開いたままで、通用口もつまみを回して簡単に開けられる鍵だったことから「監督義務を十分尽くしたとは認められない。入所者の夜間外出は、可能な限度のあらゆる手段で回避すべきだ」と指摘した。

 施設は事故後、鍵を暗号式の錠に変更。入所者の点呼も小まめにするよう改善したが、施設の窓は誰でも開閉でき、塀の多くは大人の腰ほどの高さだ。梅原誠園長(65)は「外出を完全に防げるかは分からない」と漏らし「事故は二度と起こしてはいけないが、窓を金網で覆ったり、塀を高くしたりすれば閉鎖施設だ。入所者の居住環境に適さない」と頭を悩ませる。

 静岡福祉大の山城厚生副学長(精神保健福祉学)は「認知症患者の施設にも当てはまる難しい問題。福祉現場の人手不足も要因だ。出入りを察知するセンサーなど設備も重要だが、職員の体制も考えてほしい」と話す。

 <監督義務者の責任> 民法714条で規定。子どもや知的障害者など責任能力を持たない人が他人に損害を与えた場合、本人に代わり「監督義務者」が賠償する責任を負う。ただ監督義務を怠っていないことを証明できれば、責任を負わなくて済む。2007年に愛知県大府市で認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故で名古屋高裁は昨年4月、監督義務を怠ったとしてJR東海への賠償金支払いを妻に命じた。最高裁に上告され、第三小法廷は来年2月2日に弁論を開く。


障害者差別解消法施行に向け、電子図書館の本格的な普及が始まるか?

2015年11月13日 16時04分12秒 | 障害者の自立

 図書館総合展運営委員会は11月10日~12日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で「第17回図書館総合展」を開催している。同会場では「教育・学術情報オープンサミット2015」も併催されている。企画・運営は株式会社カルチャー・ジャパン。展示会の様子を、電子図書館関連を中心に写真でレポートする。

第17回図書館総合展
株式会社図書館流通センターのブース
電子図書館サービス「TRC-DL」と、デジタルアーカイブシステム「ADEAC」の展示
障害者差別解消法施行に向けた準備で、メニューの音声案内に対応予定。これはプロトタイプとのこと
音声入力にも対応している
株式会社メディアドゥとOverDrive, Inc.のブース
茨城県龍ケ崎市立中央図書館や茨城県潮来市立図書館などへの導入事例が紹介されていた
楽天社員向け図書館や、CSR活動の「楽天いどうとしょかん」にも電子図書館が導入された
慶應義塾大学メディアセンターでは、実証実験が続けられている
京セラ丸善システムインテグレーション株式会社のブースは「BookLooper」を展示
デジタルならではの、全タイトル全文横断検索に対応した
検索結果一覧の画面でページのサムネイルが確認できる
東京大学とは次世代ハイブリッド図書館の実証実験を行っている
株式会社日本電子図書館サービス(JDLS)のブースは「LibrariE(ライブラリエ)」を展示
図書館側が選書に利用する「オーダリングシステム」
国立国会図書館のブース
国立国会図書館デジタルコレクションや図書館向けデジタル化資料送信サービスなどが紹介されていた
株式会社国際マイクロ写真工業社のブース
大判や古文書など難しい資料の電子化サービスを行っている
帝京大学メディアライブラリーセンターのブースは2階建て
黒板を使った「共読ライブラリー」プロジェクト
株式会社ブレインテックの図書館検索サービス「カーリル」ブース
下北沢の本屋B&Bのブース
貴重な歴史公文書をインターネットを通じて公開するデジタル・アーカイブ、国立公文書館アジア歴史資料センターのブース
読売新聞東京本社のブースには「ヨミダス歴史館」の展示や「猫ピッチャー」の着ぐるみが

(2015/11/12 11:26)

視覚障害者も「見える」メガネ、治験へ…網膜に映像投影

2015年11月13日 15時56分52秒 | 障害者の自立

 半導体レーザーのベンチャー企業「QDレーザ」(本社・川崎市)は10日、レーザー光を利用したメガネ型の視覚支援機器を使って、視覚障害者の視力を改善させる臨床試験(治験)を、独のエッセン大学病院で行うと発表した。視覚支援機器は、同社と東京大学の荒川泰彦教授らが共同開発したもので、小型カメラで撮影した映像などをレーザー光で患者の網膜に直接投影する。網膜や角膜が傷ついた重い視覚障害者にも、鮮明な画像が提供できると期待されている。

 治験は来年、網膜の中央部が傷つき、視野がゆがんだり暗くなったりする加齢黄斑変性の患者約100人で、効果と安全性を検証。来年末までに、欧州の医療機器認証の取得を目指す。

 同大病院のある独ノルトライン・ヴェストファーレン州は、医療産業の育成に力を入れており、日本の技術も積極的に導入している。筑波大学の山海嘉之教授が開発した医療用ロボット「HAL」の実用化を支援。HALは同州での治験などをもとに、2013年に欧州の医療機器認証を得て、脊髄損傷患者のリハビリ治療に使われている。

 QDレーザは、国内向けには医療機器ではなく、福祉用として、同様の製品を来年3月に市販する計画。

レーザー光を活用したメガネ型の視覚支援機器を体験する女性。装着すると手前の画面が網膜に映しだされる(10日、東京大学で)

(2015年11月11日 読売新聞)