障害者の自立を支援するNPO法人Creer(クレエール)=徳島市=が先月、県労働福祉会館(徳島市昭和町3)に弁当店とレストランを兼ねた同名の店舗を開き、近くで働く人を中心に多くの客が訪れている。NPO職員9人に加え、障害者14人も調理や接客、弁当の配達を担い、店員として活躍している。【河村諒】
弁当の値段は350〜500円、レストランのメニューは500円前後で、徳島産の野菜を使ったおかずが人気だ。別の場所で営業していた従来の店舗は調理場が狭く、注文が増えると弁当の調理が追い付かなくなっていた。働く人も増えて手狭になったため、移転に踏み切った。以前は一日100食が限界だったが、今は500食を作れるようになった。
クレエールの発足は2008年。設立者で理事長を務める喜多條雅子さん(51)は「長年ボランティアを続ける中で障害者が働ける場が少ないと思っていた。生き生きと働ける場を作りたかった」と話す。
現在、障害者1人当たり月額平均3万5000円を支払っている。将来的には毎日500食以上を売り、月額10万円の支払いを目指している。喜多條さんは「ただ障害者を支援する法人で終わるのではなく、障害者と共に、一つの事業として自立したい」と夢を語る。
店内での接客や弁当の配達を担う知的障害者の長江知里さん(32)は「移転してからお客さんらと触れ合う機会が多くなり、毎日働くのが楽しい」と張り切っていた。
弁当店の営業時間は平日午前8時半〜午後4時で、売り切れ次第終了。レストランは平日午前11時半〜午後2時。