簡易型DB(確定給付企業年金)は、適年から移行する時、中小企業退職金共済と
同様、適年の積立金(年金資産)しか移すことはできません。
適年の積立不足を解消して=積立不足分を穴埋めして移行することはできません。
適年の積立金だけを移換して、DBを立ち上げることになりますので、適年で予定し
ていた積立額より、簡易型DBで積み立てる金額は少なくなります。
つまり、退職金制度の仕組みの中で、企業年金で準備する金額が小さくなるという
ことです。
適年制度の積立不足は、一見なくなるようにみえますが、会社の負担が少なくなる
ということではありません。
1,000万円の退職金のうち、700万円を適年から支給の予定だったけれど、実際は
運用難による積立不足のため、簡易型DBに移行後は500万円しか準備できていなと、
会社が退職一時金で支給する金額は500万円になるということです。
適年制度に積立不足がなければ、会社が一時金で支給する金額は300万円でした。
中退共への移行でも同じですが、適年が積立不足で適年の積立金しか移行先制度に
移せないということは、会社が一時金で負担する金額が増えるということです。
適年、簡易型DB、中退共というのは、退職金制度の積立手段です。
適年に積立不足があるため、移行先制度で積み立てる金額が減額になるということと、
退職金規程での定めとは別のことです。
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