「大型の動物ほど長生きする」という法則があります。ゾウからネズミまで、さまざまな動物の寿命について当てはまるとされています。ですが、欧州やアジアの温帯地域に生息するブラントホオヒゲコウモリ(学名:Myotis brandtii)は、この法則に当てはまらない興味深い例だそうです(AFPBB News)。昆虫を餌とするこのコウモリは、体重が5~8グラムほどで、砂糖小さじ2杯分にも満たないそうですが、寿命は40年以上と、イルカと同等でウマやウシよりも長いそうです。この理由を解明するため、ブラントホオヒゲコウモリの遺伝子コード配列を解析し、その例外的な長寿の原因かもしれない一連の遺伝子の存在を明らかにした国際研究チームの研究結果が、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)で発表されたそうです。ゲノム解析により、超音波を探知して飛行したり、かすかな光や紫外線を感知したりする能力をもたらす遺伝子を特定。同時に、2種類の成長ホルモンに対する細胞の感受性を制御する「特異な」遺伝子変異も発見したそうです。うち1つの変異は、ヒトでは小人症の一種に関連しており、糖尿病やがんを防ぐかもしれないことが、これまでの研究で明らかになっているものだったそうです。また、ブラントホオヒゲコウモリは、生殖が可能になるまでの成長期間が長く、親の7分の1ほどの体重の子を1回に1匹だけ出産するそうです。
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