健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

鳥類孵化が顕微授精で成功

2014-10-16 08:30:05 | 研究
先日、卵子に精子を人工的に注入する顕微授精による鳥類の孵化に、世界で初めて成功したというニュースが報道されていました(MSN産経ニュース)。顕微授精はヒトの不妊治療などで手法が確立されていますが、卵が大きく受精の様式が異なる鳥類では成功例がなかったそうです。鳥類の受精は、ヒトのように1つの卵子に1つの精子が侵入して成立する「単精受精」ではなく、1つの卵子に数十個の精子が侵入する「多精受精」という様式で行われるそうです。卵自体が大きいこともあり、これまで鳥類の受精過程を体外で再現することは困難だったそうです。研究では卵子に精子を注入する際、1つの精子に精子100個分に相当するタンパク質などの抽出物を注入し、多数の精子が卵子に侵入する状況を再現して、顕微授精によるウズラのひなの孵化に成功したそうです。また、成熟したひなが正常な繁殖能力を持っていることも確認したそうです。この研究を応用すると、卵をたくさん産むニワトリや肉質の良いニワトリといった遺伝的に優れた形質を持つニワトリの作成や、体の組織が冷凍保存されている国産のトキなど、絶滅した鳥類の復活も期待できるということです。
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