眠っている間に嗅覚を刺激することで禁煙できる可能性を示した論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。睡眠中の「条件付け」が人間の行動を変化させる可能性について研究している研究チームは、感覚刺激の中で唯一、人を眠りから目覚めさせない嗅覚を利用したそうです。禁煙を望んでいる喫煙者66人を3つのグループに分類。第1のグループには睡眠実験室で一夜を過ごしてもらい、睡眠中に2種類の悪臭を嗅がせたそうです。一つは腐った卵の臭い、もう一つは魚の臭いで、どちらもたばこの煙と混ぜてあったそうです。翌朝、被験者たちには悪臭を嗅いだという記憶は残っていなかったが、実験後の1週間に吸ったたばこの本数はいつもよりも少なくなったと回答。第2のグループには目覚めているときに同じ悪臭を嗅がせ、第3のグループには睡眠中に腐った卵、魚、たばこの煙の臭いを別々にかがせたが、両グループともに実験後の1週間に吸ったたばこの本数は減らなかったというもの。最良の禁煙結果が出たのは、ノンレム睡眠のステージ2の時に悪臭とたばこの煙が混ざった臭いを嗅がされたグループで、実験後に喫煙量は30%減少。この研究では、睡眠中に禁煙する方法を発明したわけではないそうで、『条件付け』は睡眠中にも可能で、その条件付けによって行動が変化し得ることが示されたものということです。
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