国立天文台など世界約80の研究機関による国際チームは、ブラックホールの撮影に初めて成功したと発表したそうです(読売新聞オンライン)。ブラックホールは、物理学者アインシュタインの一般相対性理論を基に約100年前に予言された天体ですが、周囲の現象などから間接的に観測することしかできなかったそうです。今回は存在を証明する初の成果となるそうです。撮影したのは、地球から約5500万光年(1光年は約9兆4600億キロ・メートル)離れた、おとめ座の「M87」という銀河の中心部にある巨大ブラックホール。南米チリの「ALMA」など世界8か所の電波望遠鏡で一斉に観測したデータから、極めて高い解像度の画像を合成。その結果、ブラックホールの周囲で輝くガスの中に、黒い「穴」が浮かび上がったそうです。穴の中心に、太陽の65億倍の質量を持つブラックホールの本体があるということです。ブラックホールは重力が非常に強く、光さえも脱出できないため、観測は極めて困難だったそうです。M87のブラックホールも周囲の電磁波から存在が推定されているだけだったそうです。多くの銀河の中心には巨大なブラックホールがあり、銀河の形成に重要な役割を果たしたと考えられており、宇宙の成り立ちの解明につながる大きな一歩になると期待されるということです。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190410-OYT1T50312/
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190410-OYT1T50312/