オーストラリア南部タスマニア(Tasmania)州に生息する肉食性有袋類のタスマニアデビルは、伝染性がんのまん延により個体数が激減したそうですが、猛烈な速さで適応進化しており、絶滅の危機を脱する可能性もみえてきたそうです(AFPBB NEWS)。進化的変化は通常、数千年単位で起こるそうですが、タスマニア北部の岩の多い山地では、この変化がリアルタイムで起きているというのです。30年前に初めて確認された致死性伝染性がんのまん延により、タスマニアデビルの個体数は激減。伝染性がんは通常、交尾やあごをつき合わせて戦う時に感染した個体が他の個体をかむことで拡散するそうです。専門家らは現在、約15%の個体に起きている劇的変化に注目しているというのです。気性の荒いことで知られるタスマニアデビルは現在1万5000匹から1万8000匹いるとされるそうですが、最初の免疫反応の兆候が見られる個体がいるとの報告が出てきているそうです。伝染性がんは今もなお感染するとほぼ死に至る病気だそうですが、伝染性がんに感染した個体を調べたところ初めて抗体が検出され、がんにかかっても生き延びている個体が20匹以上いることが分かったというものです。
https://www.afpbb.com/articles/-/3222309
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