地球温暖化を食い止めるために菜食主義者やビーガン(完全菜食主義者)になる必要はない。しかし、人類が肉を食べるのをやめれば、温暖化対策は楽になるだろうとする「特別報告書」が国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)により公表されたそうです。気候変動と人間の食生活との関連性についてまとめたこれまでで最も包括的な報告書の要点は、非常に明白だそうで、気候変動は世界の食料供給を脅かしており、食料の生産方法でさえ地球温暖化に拍車をかけているということだそうです。熱帯地方では、気温上昇により収穫量が減少し、主要穀物の農地が奪われ、食用植物の必要養分も失われ始めているそうです。一方、世界のフードシステム(食料の生産から流通・消費までの流れ)は、世界で排出される温室効果ガスの少なくとも4分の1を占めているとのこと。世界人口は今世紀半ばまでに20億人増加すると考えられているそうですが、安易に食料生産量を増やせば、地球の平均気温は危険レベルをはるかに超えることに。今日、食料関連の温室効果ガス排出量の半分以上が畜産業によるものだそうで、うち半分は、羊や牛の飼育に関わるもので、牛の割合が特に高いそうです。畜産業は、気候にとって二重の脅威となっている。特にブラジルの亜熱帯地域では、二酸化炭素を吸収する森林が放牧地や牛の餌となる大豆作物を育てる畑に変わっている他、家畜が排出する大量のメタンガスは温室効果ガスの発生源にもなっているそうです。米首都ワシントンに本部を置く政策シンクタンク「世界資源研究所(WRI)」によると、同量の牛肉の動物性たんぱく質と標準的な植物性たんぱく質を比較した場合、平均して肉牛の飼育には植物栽培の20倍の広さの土地が必要となり、温室効果ガス排出量も20倍となるそうです。こうした理由から、植物性食品を中心とする「バランスの良い食生活」に移行することにより、気候変動の原因を大幅に減らすことができるとIPCCは結論付けているそうです。この結論は、菜食主義を全面的に支持しているようにみえるかもしれないが、IPCCは世界中の人々に対し肉食を一切やめるよう義務付けたり奨励したりしているわけではないとも。
https://www.afpbb.com/articles/-/3239273
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