遺伝情報の伝達役としての役割を担う一方、過剰に蓄積すると病気の原因にもなるRNAを、細胞内小器官の1つあでるリソソームに選択的に取り込んで分解する仕組みがあることが明らかになったそうです(医療介護CBニュース)。RNAの過剰な蓄積は、失明の原因にもなる加齢黄斑変性症(萎縮型)や、筋力が低下する筋強直性ジストロフィーを引き起こすと考えられているそうで、これらの病気の原因解明や治療法への応用も期待されるそうです。リソソームの中には、タンパク質や核酸(DNAやRNA)を分解する多様な酵素が含まれており、細胞内には不要な物質をこのリソソームに運んで分解する「オートファジー」(自食作用)と呼ばれる仕組みがあります。しかし、リソソームにRNAを選択的に運ぶことはこれまで知られておらず、今回この仕組みを「RNAutophagy」と名付けられたそうです。実験では、マウスの組織から単離したリソソームと精製したRNAを、生体内のエネルギー源となるATPを含む溶液の中で混ぜると、RNAがリソソームに取り込まれ分解されることを発見したそそうです。これに対し、ATPを含まない溶液では、これらを混ぜてもRNAは取り込まれず、この取り込みにはエネルギーが必要だということが分かったそうです。また、リソソーム表面の膜を貫通して存在する「LAMP2C」と呼ばれるタンパク質の、膜の外側の部分にRNAが直接結合することを発見し、さらにこのタンパク質を強制的に作らせた培養細胞の中では、RNAの分解量が増加し、こうした細胞から単離したリソソームで、RNAの取り込み量が増えることも分かったということです。また、LAMP2Cを作るための「LAMP2遺伝子」が欠損したマウスの脳から単離したリソソームでは、取り込む量が低下したとも。RNAutophagyではLAMP2CがRNAを受け取る役割を果たしているとなるそうです。興味深いですね。
今冬はノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行する恐れがあると、国立感染症研究所が注意を呼びかけています(YOMIURI ONLINE)。周囲でもかなりはやっています。ウイルスの遺伝子変異が原因で、全国3000か所の医療機関の報告では、11月26日~12月2日の患者数は1か所平均18人に急増したそうです。最近10年間で、もっとも流行した2006年の22人に次ぐ勢いだそうです。感染研によると、変異したウイルスは、今年1月に北海道と大阪で初めて検出された後、10月までに東京や新潟、沖縄など計9都道府県に広がったことが確認されたそうです。人体には一度感染したウイルスや細菌を記憶し、効果的に撃退する免疫があるが、変異したウイルスは、免疫による防御をかわして感染しやすいそうです。ノロウイルスはもともと感染力が強く、せっけんやアルコールによる消毒は効かないそうです。体力のない幼児や高齢者がかかると、激しい下痢や嘔吐で脱水症状を起こすことがあるそうです。気をつけましょう。
消費電力が従来の10分の1以下で済む調光ガラスが開発されたそうです(日本経済い新聞)。電気で刺激を与えると、次々と反応を繰り返して青色から無色にだんだんと色が変わる材料を合成して実現したそうです。この物質は、「ターアリーレン」という化合物を合成した。横1センチメートル、縦4センチで厚さが2ミリのガラスを作製して実験したところ、電気を流すと50秒ほどで青色から無色になったそうです。化合物の構造の一部を変えれば、無色から青への変化も電気で制御できるそうです。また、紫外線が当たると青色に。ビルの窓に応用すれば、太陽光が入ってくるのを制御して空調費用を抑える用途に使えるそうです。
遺伝情報を伝えるDNAが生体内で常に小刻みに揺らいでいる可能性があることが発見されたそうです(日刊工業新聞)。長いひも状のDNAは染色体の中で、ヒストンという複数のたんぱく質に巻き付いた状態で、細胞の核の中にある染色体に収納されています。動物細胞を使い、ヒストンに巻き付いた状態のDNAに蛍光指標を付けて観察し、小刻みに動いていることを確認したというものです。観察したDNAは1000分の30秒という短い時間に50―60ナノメートル(ナノは10億分の1)ほど移動したという。この結果は、DNAの収納状態には柔軟性があり、染色体自体も核内を動くことができるということに。これにより、遺伝子の転写などに関与するたんぱく質が細胞の核や染色体の内部を自由に動き回れるようになっていると考えられるそうです。遺伝のメカニズム解明に結びつく基礎的な知見として注目されるものだそうです。
企業や大学、公的機関が2011年度に支出した科学技術研究費の総額は前年度比1・6%増の17兆3791億円で、4年ぶりに増加したことそうです(47NEWS)。国内総生産(GDP)に対する比率も0・11ポイント上昇して3・67%となったそうです。総務省によると、大企業を中心に研究施設や装置などへの投資が増えたことが、全体の費用を押し上げたそうです。企業の研究費は12兆2718億円で、産業別では、自動車など「輸送用機械器具製造業」が18・2%と最も多く、次いでテレビやパソコンなど「情報通信機械器具製造業」が14・2%、「医薬品製造業」の10・0%が続いたそうです。
推薦入試などで学力試験を受けずに大学に入った学生は、高校3年生のときの勉強時間が1日、1時間未満というケースが多く、一般入試で入った学生の勉強時間と大きな開きがあることが分かったの報道がありました(NHKNEWSWEB。この調査は、今年8月、民間の研究機関が大学生およそ4100人を対象に行ったものだそうです。受験勉強が本格化する高校3年生の9月での1日の勉強時間を聞いたところ、学力試験がない推薦やAO入試で合格した学生は、▽1時間未満が28.6%、▽まったくしなかったと回答したのは16.4%で、およそ半数が1時間未満だったそうです。また、推薦やAO入試での合格者がほぼ決まる12月には、さらに勉強時間は短くなり、▽1時間未満が36.7%、▽まったくしないは25.5%で、合わせると1時間未満が60%を超え、平均でも1.6時間。これに対して、一般入試で合格した学生は、高校3年の12月には平均4.8時間勉強していて、1時間未満は9%だったそうです。勉強をしないで大学に入ると、基礎学力が養われませんな。さらに問題なのは、主体的に学ぶ習慣が身につかないことと指摘しています。入学までの間、大学側が勉強の課題を与えるなど、大学での学びの助走につながるような指導をする必要があるとの指摘も。
新潟県の佐渡島に生息するカエルが、新種として国際的な専門誌「ズータクサ」に掲載されたと先日発表されました(YOMIURI ONLINE)。「サドガエル」と命名されたそうです。サドガエルは体長4~5センチ。主に佐渡島中央部の水田や川辺に分布するそうで、1997年に発見されたそうです。水田に多いツチガエルと似ているそうですが、腹が黄色く、鳴き声も「ギューン、ギューン」と特徴的だそうです。ツチガエルとは遺伝子の4~6%が異なり、交配させても子のほぼ全てが生殖能力のない雄となることなどから、新種と判断したそうです。
英国ロンドン大学健康行動学研究センターは、1,931組の乳幼児の双子を対象に睡眠に関する検討を行った結果、子供の睡眠習慣には遺伝的な要因と環境的な要因の両方が関与しているが、環境的な要因の影響の方が大きいことが分かったと、米医学誌「Pediatrics」(2012; 129: 1091-1096)に発表したそうです(メディカルトリビューン)。乳幼児にとっての環境は、主に親によって形成される家庭環境でるので、そうした環境を是正することで、子供の睡眠習慣を改善できることが示唆されたとしています。家庭環境が大切ですね。納得ですね。
原因不明の激しい疲労や倦怠感が半年以上続く慢性疲労症候群(CFS)について、認知機能にかかわる神経伝達物質受容体を攻撃する「自己抗体」が患者の血中で生成されて脳内に入り込み、機能を低下させるメカニズムを解明したそうです(YOMIURI ONLINE)。CFSは、感染症や過度のストレスなど複合的な要因から、免疫系などに異常が生じ、脳神経系が機能障害に陥ると考えられていますが、詳しい発症メカニズムは分かっていませんでした。CFS患者の約半数で、神経伝達物質受容体(mAChR)に反応して攻撃する自己抗体が血中に検出されている例があることに着目し、自己抗体を持つ患者5人と持たない患者6人、健常者11人の脳をPET検査で比較したところ、自己抗体を持つ患者の脳では、mAChRの発現量が10~25%低下していたことを突き止めたそうです。人間の脳は、一般に脳血管から脳神経細胞に有害物質が入り込まない仕組みになっています。BBB(血液脳関門)です。CFS患者の血中では、免疫系の異常により自己抗体が作られて脳内に入り込み、神経伝達機能に直接影響を及ぼすという可能性が示唆されたとしています。
東京広告協会は、「大学生意識調査プロジェクト FUTURE2012」で首都圏の大学生800名を対象に「友人関係に関する意識調査」を実施したそうです(インターネットコム)。その結果、授業の時だけ一緒にいる「授業友達」や、テストの時だけ連絡を取る「テスト友達」など、自分にとって都合のよい「メリット友達(メリ友)」を確保していることがわかったそうです。親友と呼べる友達がいるかの質問には、大学生の89.9%が「いる」と回答し、親友の平均人数は約5人。さらに、最近1年間で友達とケンカ(口論を含む)をしたことがあるかの質問には、72.5%が「全くない」または「あまりない」と回答。この結果から、親友はいるものの、なるべく揉めごとは避け、ある一定の距離感を保って友人関係を構築していることが伺えると。また、今話題の「おひとりさま」行動をやったことがあるかの質問で、「ひとり○○」に対する経験はかなり高い数値に。「おひとりさま」行動しているときに、さびしい気分になるかの質問では、大学生の67.3%が「寂しい気持ちにならないことが多い」と回答。その理由を聞いてみると、「携帯電話、スマホ等がそばにあるから」が61.5%、「自分と同じようなおひとりさまをみかけるから」が55.1%、「SNS を通じて友人の状況等を把握できるから」が40.5%という結果に。この結果から、スマートフォンで SNS を開くことで、友人と常につながっている感覚をバーチャルに得ていることが、「おひとりさま」行動を加速させていると考えられるようです。こrで未来の日本社会は成り立つものでしょうか。少し不安ですね。