健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アトピー性皮膚炎の原因遺伝子

2016-05-11 08:30:18 | 研究
アトピー性皮膚炎の原因となる遺伝子が明らかになったという研究論文が、先日Journal of Clinical Investigationに掲載されたそうです(YOMIURI ONLINE)。アトピー性皮膚炎を発症するマウスを調べ、「JAK1」というたんぱく質の遺伝子の一部が変化し、異常に活性化しているのを発見。その結果、皮膚の角質に働く酵素も活性化し、角質がはがれて刺激を受けやすくなっていることが分かったというもの。さらに、JAK1の働きを防ぐ塗り薬や、刺激から皮膚を守るワセリンなどをマウスに塗ると、アトピー性皮膚炎の発症を予防できたそうです。新たな治療薬や予防法の開発などにつながる成果ですね。
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呼気分析で生活習慣病を見つけるセンサー

2016-05-10 08:30:36 | 研究
特定のガス成分だけを抽出し短時間で濃度を計測できる携帯型の呼気センサーが開発されたそうです(財経新聞)。肝臓の代謝や胃がんの危険因子であるピロリ菌感染との相関があると言われているアンモニアに着目し、呼気中のきわめて微量なアンモニアを、他のガスと約2500倍の感度差で測定するセンサーデバイス開発。微量アンモニアこれまでは大がかり装置でしか分析できなかったそうです。さらに、同技術を応用して肺がんを見分けられるというノナナールを検出する実験にも世界で初めて成功。今後、測定できるガスの種類を増やし、生活習慣病の早期発見のために精密検査を受けるべき人のふるい分けを、体温計のような手軽さで行うことが可能となる技術の実現を目指すそうです。
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手首で1拍ごとの血圧を連続測定

2016-05-09 08:30:47 | 研究
手首に機器をつけるだけで心臓の拍動の1拍ごとの血圧を連続して測定できる技術が開発されたそうです(財経新聞)。心臓は1日に10万回程度拍動し、1拍ごとに血圧は変動しています。夜間や早朝の高血圧や急激な血圧変動は脳・心血管疾患の発症リスクを高めると指摘されています。今回の新技術は、トノメトリ法を用いて世界で初めて手首に機器をつけるだけで1拍ごとの血圧を測定できるというものだそうです。トノメトリ法とは、手首の体表近くにある動脈に圧力センサを押し当てて、1拍ごとの血圧を測定する測定方法で、46個のセンサを1列に並べた独自の圧力センサを開発。さらに、センサが正しく血管を圧迫しているかを検知し、自動的にセンサの角度を調整する機構も。手首につける機器のみで、簡単に1拍ごとの血圧を測ることが可能になったそうです。夜間(睡眠中)の連続血圧測定の臨床研究も始まっているそうです。
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脈の揺らぎを自己管理できるアプリ

2016-05-08 08:30:39 | 研究
脈の揺らぎを自分で管理・記録するスマホアプリ「HearTily(ハーティリー)」が開発され、臨床研究が始まったそうです(財経新聞)。「HearTily」は、スマホを活用して脈を検知・収集し、脈の揺らぎを簡単に測定できるアプリで、得られた脈拍とそれを解析した図を履歴として可視化できるものだそうです。一般的に初期の不整脈は短い時間しか生じず、また数日に1回しか生じないので、健康診断時の心電図では見逃されがちです。臨床研究では、研究参加に同意した20歳以上の日本在住者を対象に、1年間継続して自身のデータを記録。参加者は「HearTily」を用いて、利用開始時と終了時に身長・体重などの基本情報と高血圧の有無などの既往歴や症状などを入力し、1日1回(1分程度)脈拍を記録、1~2週間ごとに動悸の有無等の質問に回答するそうです。アプリ提供は
https://itunes.apple.com/jp/app/heartily/id1090340555?l=ja&ls=1&mt=8。
研究グループは、参加者から提供される測定データ、生活習慣情報、病歴を大規模に収集・解析することによって、不整脈と生活習慣病の関連性を明らかにし、不整脈に起因する病気の予後改善などへの応用に役立てたいということです。
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胎児の全染色体

2016-05-07 08:30:23 | 研究
妊婦の血液で胎児のすべての染色体にある異常を検出できる新しい検査法を開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。発表された新検査は「マタニティ・ゲノム」で、妊婦の血液中に流れこんだ胎盤のDNAの断片から胎児の病気を調べるものだそうです。従来の検査では、ダウン症など一部の染色体が3本ある疾患や特定の染色体の欠損などしか調べることができなかったそうですが、新しい検査では、すべての染色体について、一定の長さ以上のDNA配列の欠損や重複の可能性を調べることができるそうです。米国では昨年夏にすでに実用化され、約1100人の妊婦の検査では、おなかに針を刺して行う従来の羊水検査でもわからなかった複雑な染色体異常が検出できた例もあるそうです。
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2週間の宇宙飛行でマウス肝臓に障害

2016-05-06 08:30:50 | 研究
地球周回軌道上で2週間ほどを過ごして地球に戻ったばかりの実験用マウスに、肝臓障害の初期兆候が現れていたとする研究論文がPLOS ONEに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。2011年に打ち上げられたスペースシャトルAtlantisの船内で13日半を過ごし、マウスが地球に戻った直後の調査で、肝臓の瘢痕(はんこん)化と長期にわたる臓器障害を引き起こす恐れのある細胞が確認されたというもの。具体的には、マウスの肝臓で、脂肪の蓄積量の増加と、動物の体内でビタミンAの働きをする化合物であるレチノールの減少。これらのマウスには、脂肪を分解する能力にも変化が生じており、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の兆候やNAFLDがさらに進行した結果の一つである可能性がある、初期の肝線維症を示す潜在的な早期指標が現れていたそうです。こうした肝臓障害の兆候は、通常であれば不健康な食事を数か月から数年取り続けることで発症すると考えられるものだそうです。長期間の宇宙滞在を伴うミッションが計画されていますが、大丈夫でしょうか。
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史上最も暑かった3月

2016-05-05 08:30:50 | 研究
米海洋大気局(NOAA)は、2016年の3月について、近現代史上で最も暑い3月だったと発表したそうです(AFPBB NEWS)。これにより、月間の世界平均気温の最高記録が11か月連続で更新されたことになるようです。NOAAによると、平均気温が過去最高となる月が11か月続いたのは、過去137年の観測史上で最長とのこと。NOAAの報告書によると、地球全体の平均気温は、20世紀平均の12.7度を1.22度上回り、これは2015年に更新された過去最高記録を0.32度上回っており、記録に残る全1635か月の中、気温偏差(平均からの差)が最高値となっているそうです。こうした気温の急上昇は、地球温暖化のペースが加速していることを示しているため、科学界では懸念の材料となっているそうです。2015年は、過去最高だった2014年の記録を更新し、観測史上最も暑かった年となっているそうです。また、世界の海でも水温は上昇傾向にあり、地球海洋温度が3月としては1880年以降で最高値を記録。2015年の過去最高記録を更新したとも。
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豪グレートバリアリーフが白化

2016-05-04 08:30:15 | 研究
オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁で世界遺産にも登録されているグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)で、サンゴの色が白くなる白化現象が全体の93%に広がっていることが明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。白化の被害が記録のある中では最悪であることが改めて確認されたそうです。今回、上空と海中で詳細な調査を行ったところ、白化を免れているサンゴ礁がグレートバリアリーフ全体のわずか7%に過ぎないことが明らかに。グレートバリアリーフは豪東海岸沿いに約2300キロメートルにわたって連なっているものだそうで、白化の被害は南側では小さく回復も早いとみられているそうですが、最も手つかずの状態にある北側は非常に深刻だそうです。調査した911か所のサンゴ礁のうち大規模な白化を免れているのはわずか68か所に過ぎなかったとも。白化は、通常サンゴと共生して光合成を行う微小な藻類が海水温度の上昇など異常な環境条件によって失われることで起きるそうです。海水温度が下がり、藻類が戻ってくればサンゴは回復するそうですが、科学者らは昨年、太平洋赤道域東部の海面水温が平年よりも高くなるエルニーニョ現象の影響で、世界的に白化が進む恐れがあると警鐘を鳴らしていたそうです。
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海女さんの血管年齢

2016-05-03 08:30:33 | 研究
海女の血管年齢は、実年齢より10歳以上も若いという調査結果が発表されたそうです(YOMIURI ONLINE)。研究では、千葉県南房総市白浜地区と三重県の志摩・鳥羽地区に住む、海女115人(平均年齢66歳)と、運動習慣のある一般女性33人(同64歳)、運動習慣のない一般女性50人(同66歳)について、心疾患などの発症リスクとなる動脈硬化の程度を調べる血管年齢測定を実施。その結果、海女の血管年齢は、実年齢と比べ平均で約11歳若かったというものです。運動習慣のある一般女性は同約8歳、運動習慣のない一般女性は約6歳若かったとも。海女は潜水している間、心臓が1回の拍動で送り出す血液量が増加します。また、海女には二酸化炭素を一気に吐き出すことで起きる失神を防ぐため、口笛を吹くように細く息を吐く「磯笛」という独特の呼吸法があるそうです。こうした要素が動脈のしなやかさと関係している可能性が考えられるようです。心疾患の新たな予防法開発などにつながる成果かもしれないということです。
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人工知能で自閉症判別

2016-05-02 08:30:50 | 研究
発達障害の一種「自閉症スペクトラム障害」かどうかを、脳活動から高い精度で判別できる人工知能(AI)技術を開発したいう論文がNature Communicationsに発表されたそうです(YOMIURI ONLINE)。この障害は現在、問診などで診断しているそうですが、より客観的で正確な診断が実現し、新たな治療法の開発につながる可能性があるそうです。この障害は、自閉症やアスペルガー症候群などの総称。研究では、18~53歳の患者と健常者計181人の脳を、機能的MRI(磁気共鳴画像)という装置で測定。脳を140領域に分け、二つの領域を結ぶ神経回路計9730組の状態を人工知能で解析。その結果、特定の16組を調べれば、85%の正確さで判別できたということです。
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