今年も上位では取らないでしょうねえ

　Brian Dawkins様、ストレートスピードが落ちたとか、マンカバーが下手になったとか言ってすいませんでした。Dawkinsが居ればあんなみっともない試合を2度も続けて見ずに済んだでしょう、言い換えるとFS候補が全員期待に答えられなかったS陣でした。

スターター　Quintin Mikell　　？？？
若手育成中　Victor"Macho"Harris　　Quintin Demps
怪我から回復中　Marlin Jackson

　スターターのMikellも30歳を越えます、ランサポートからパスカバーまで重責を負わされ過ぎている印象です。万能ですがスターに成れる様な選手では有りません。ルーキーながら開幕からスターターに抜擢されたHarrisは嗅覚に欠ける印象です、ディープへの一発を貰った時に競れる場所に居ないのはFSとしては致命傷です。補強次第ではバンプ要員のニッケル・ダイムCBへの再コンバートがあるかもしれません。
　Dawkinsを切り捨てた時点で将来のスターター候補だったのがDempsでしたが、怪我で出遅れ結局シーズンを通じて満足な仕事が出来ませんでした。怪我が治れば使えるようになるのか、このまま埋もれるのか、まだ3年目の選手ですし見限るのは早いとは思います。そして、この2年で左右両方のACL手術を受けているMarlinが回復すればFSのスターター候補と見られています。カバー2CBとしてゾーンカバーはお手のものですし、タックルも堅実なタイプです。両膝をやった事で左右への動きの衰えが懸念されます、Sにマンカバーをやらせる事の多いチームなのは気になりますが、CBからの転向ですしFSとしては十分なカバーをしてくれると期待します。

　Mikellも年齢的衰えを見せる年に成りました、Marlinの怪我も完治するか分かりませんし若手もスターターを任せる域には達していません。今チームで最もスターターの能力が低いのはFSとSLBでしょう、そう言う意味でもFSの上位指名が有ってもおかしくありません。が、過去にもDawkinsの後継者の獲得が必要とされた最近のドラフトでSをスルーしています。去年はLouis Delmas、2008年はKenny Phillipsを1巡で取れるのに取らず、2巡でも2008年Tyrell JohnsonをMINに譲っています。その結果Demps,Harrisと下位指名のCBをFSコンバートで使っていますから今年もSの上位指名をするかは疑問です。
　マンカバー能力が落ちればブリッツを入れにくくなる、ブリッツが入らないとQBに届かないでディープを貰う、ディープを投げられた時にカバー出来ない。の悪循環を断ち切るにはプロボウル級のDEをもう一枚入れる事でブリッツを入れなくても良い様にするかDBのカバー能力を上げるしかないです。そう言う観点から見るとDEかSの1巡指名がチームを変える基点になると考えるのですが、これまでのドラフト方針を見るとDEの1巡指名は有ってもSの1巡は無いでしょうね。ただ、Marlinの膝がだめだった時の事を考えればどこかで1枚はSを指名するでしょう。

Tappの評価しだいです

　Jason Babinの契約には1年契約終了後にFAになった後、次のチームとの契約と同等の金額を支払う事で確保出来るRFAのような条件が付いていたようです。が、TENの1年契約に対して同等の契約をする事をしない事に決めました。Darren Howard解雇の時に3rd&ロングの時にもう一枚パスラッシャーが欲しいと書いたのですが、単年1ミリオンと高くないBabinとの再契約をしなかった理由が分かりません。5番目のDEとしては十分な能力だと思うのですけれどねえ。

スターター　Trent Cole　　Darryl Tapp
バックアップ　Jaqua Parker　　Victor Abiamiri

　Chris Clemonsのトレード、Darren HowardのカットにBabinのFA離脱でTappが加入と入れ替わりの激しいオフになったDE陣です。Coleは2度目のプロボウル進出と素晴らしいシーズンを過ごしていますしリーグトップのDEとして認知されるまでになりました。Tappは個人的な評価は高くないのですけれど、2年で7サックを記録したClemonsに4巡指名権を付け、3年12ミリオンもの契約をして手に入れたのですからコーチ陣はスターターとして使えると計算しているのでしょう。パスラッシュよりも粘り腰のランディフェンスに味のある選手の印象がドラフト時から何故か有ります。
　LEのスターターを争ったJaquaとAbiamiriはDEのバックアップと同時にパスラッシュ時のDTとしても起用される事になります。10年目を迎えるJaquaですが、年を追うごとにランディフェンスが良くなり、パスラッシュでも常に5サック程度を期待出来る成長を続けます、今年もランパス両面で活躍してくれるでしょう。Abiamiriの成長がHoward解雇の理由らしいのですが、それだけの活躍を期待して良いのか怪我に泣いた過去を見ると大きな期待はしないほうが良い様な気がします。

　リーグでもトップクラスのパスラッシャーColeは全く問題ありません。反対側も去年までのスターターJaquaにAbiamiriが居てTappが入りました。そう言う意味で3人出て1人入ると2人減りましたが致命的なダメージは無いでしょう。ただ、ピュアパスラッシャーがもう1枚必要です、去年までは5人DE同時投入のような事をしていたのですから。パスラッシュ専門のDE/OLBなら3,4巡でも取れるでしょうし、SLBのスターターを降ろされたCris GocongのDE起用でも賄えるようにも思えます。
　Tappをスターター待遇としていますが、このチームのライン収集癖を甘く見てはいけません。1巡でDEを取ってTappをREのバックアップに回す可能性は十分に有ると見て良いでしょう。特に24位で取れそうなDEにJason Pierre-Paul、Corey Wootton,、Carlos Dunlapと大型のLE候補が居ますから1巡DE指名の可能性がどのポジションよりも高いと現時点では見ています。その時にはAbiamiriを完全にDTコンバートする事でHowardの後継者とするはずです。

CBよりはSを優先ですかね

　先日FA戦線は終わりだろうとまとめに入ったら大きく動きました・・・ドラフトが無くても現有戦力でシーズンに臨めるようにはなっていますが、その分どこから補強するのかが今年も予想が難しくなっています。

　オフシーズン全く動きが無かったCBですがドラフト上位指名候補です。

スターター　Asante Samuel　　Sheldon Brown
バックアップ　Joselio Hanson
若手育成中　Demitri Patterson　　Geoff Pope
怪我から回復中　Ellis Hobbs

　Samuelは不動のスターターですし、LCBの座は安泰です。契約更改を求めていたSheldonは今の所そう言う話をしませんし、スターター確定の現状で満足しているのかもしれません。
　ニッケル・ダイムで起用されるHansonもニッケルならば十分こなせます、ただスターターとしての起用は高さとトップスピードで少し難しいです。
　STエースのDimitriはCBとしてだとダイムが精一杯でしょう、PopeはCINで12試合の出場経験が有りますがディフェンスでのタックルは0ですしST要員だと思われます。
　首の怪我で開幕に間に合うか不明なEllisですが、RFAで1巡が貰えるオファーを受けていますから大丈夫と判断したのでしょう。ただ、RFAオファーはサインボーナス無しの出場給ですから7月のキャンプまで様子を見てカットの可能性も残ります。

　ニッケルまでは高さが無いものの悪くない3人組みですし、Ellisが首の怪我から復帰出来ればスターターも任せられるニッケルとして素晴らしいユニットになります。が、Samuel.Sheldonが30歳を超え世代交代を狙う時期に差し掛かっていますし、高さの無さを解消する事も重要です。Ellisの怪我が重傷と見ているのであれば上位指名の可能性が高まります。CB/FSのような選手の指名をQuintin Demps,Victor Harrisと続けていますし、指名してからCBとFSの適正を見るような指名も考えられます。
　
　Ellisが開幕に間に合うように復帰出来れば世代交代の準備は来年で良いでしょう、間に合わないようなら今年ニッケル・ダイム要員でも1人必要になります。ただし、スターター2人の年齢を考えるとデプス補充よりも次世代のスターターを必要としています、取るなら上位で大物をねらうのではないかと考えます。1,2巡か取らないかの極端な補強になるでしょう、FS転向を狙った指名の場合には3,4巡の指名も有るかもしれませんがそれはS扱いと考えるべきですね。

戦力低下のオフシーズン

　Darren Howard,Kevin Curtisの両ベテランを解雇しました。共に長期契約の後半に差し掛かり高年俸になったのがカットの理由でしょう。スポーツヘルニアの手術などで2年間戦力になっていないCurtisの解雇は仕方が無いと思いますが、Reggie Brownを来年の6巡指名と言う低い条件でトレードしておいて更にカットする意味が見えてきません。Howardはダイエットの成功で2008年は10サック、去年は切れが鈍った感は否めませんが6.5サックを記録しています。ランストップに特化させているDTのスターター2人に変わりパスラッシュ時のDTも務めているHowardをカットするのは意味が分かりません。

　同時にSEAからトレードで獲得したDarryl Tappと2年間の契約延長で合意しています。SEAのRFAとして契約した1.7ミリオンのRFAミドルテンダーに加えて2年で9ミリオンにサインボーナスが3ミリオンの契約のようで出来高などを全てクリアすると3年合計で15ミリオンにまで膨らむ可能性があるようです。残り3年間の契約と言う事になります。

　Curtisのカット単体には問題がありません、今年5.1ミリオンの年俸は2年間働いていないベテランには高過ぎますし、若手でスターターは賄えると判断するのに十分な情勢です。しかし、4番手候補のReggieをトレードで出し、出戻りのHank BaskettはINDで全く使ってもらえなかった程度の選手です。Curtisの年齢 年俸 怪我を考えればトレードを受けるチームは無いでしょうからカットは仕方ないのですが、それならばReggieは残すべきです、Baskettは高さのワンポイント起用が精一杯で4番手には成れても3番手には成れないと考えます。これで去年6巡で指名しSTLにトレードしたBrandon Gibsonのようなスロット候補をドラフトで指名しなければならなくなりました。Jason AvantがDeSean Jacksonの欠場時にスターターとして活躍したのでスターターの代役ではなくスロットを1人確保すれば足りると判断した物と推測しますが、2人同時に怪我が出たらどうするのか、リスクマネージメントの甘さを危惧せざるを得ません。


　TappはLEのスターターを任せる狙いのようです。本人も両側出来るから問題ないと入団時にコメントしていますしスターターとしての年俸を支払う事になっています。それが可能かどうか、SEA時代の終盤成績が落ちた事に関してはシステム変更で干されたのが原因と見る向きも有りますが、若手有望なDEを干してまで戦術転換をするのかは疑問です。そして2年前の対戦時にTRAに任せておけばこの程度のDEには抜かれないだろうと思って見ていたのがTappなのですよ・・・スターター定着するまでの能力が有るのかどうか、期待が外れた時のダメージが大き過ぎる入れ替えになってしまうでしょう。
　そして、HowardをカットするのであればChris Clemonsを放出する理由も有りません（それでTappを取ったので仕方が無いですけど）DE陣がTrent ColeとTappがスターターでJaqua ParkerとVictor Abiamiriがバックアップになります。JaquaとAbiamiri共に切れの有るパスラッシャーと言うよりもランパス兼用でこれまで使われてきました。Coleが怪我をした時にはTappをREに回してこれまでのLE2人を使えば良いのでしょうけれど、3rdロングのような時にClemonsやHowardのようなパスラッシャーがもう1枚必要になるでしょう。

　高年俸のベテランをカットして若さは有るが能力面で必ずしも向上したといえない中堅に置き換えました。去年7人で開幕を迎えたWRはすでにGibson.Reggie.Curtisと3人がチームを去り、6人編成だったDEはClemons.Howard.Babinと抜けTappが入った形です。OLも53人枠から溢れた所をPSで引き抜かれ続けて若手のデプスも決して厚く有りません。昨日今日のベテラン放出で浮いたお金で他のFAを狙いに行くのかもしれませんが、1歩進んで2歩下がっている昨日今日の動きです。

Darryl Tapp獲得

　Chris ClemonsにLito Sheppardのトレードで貰った4巡指名権を付けSEAのDE Darryl Tappを獲得しました。Tappは2006年の2巡でSEAに指名され、2007年には7.5サックを記録しています。2009年は16試合出場（5試合先発）で49タックル　2.5サックを記録しました。6-1　270ポンド（250ポンド説も有り）で基本的にはREからのパスラッシュで使う選手です。4年契約が終わりRFAだったのですが、ローテンダーのオファーしか貰っていない（それでも2巡なのですが）所を見ると大きな期待をされていないのかもしれません。
　7.5サックを記録した2007シーズンもそのうち4サックをSTL戦で荒稼ぎしたものですし、4年で18サックのパスラッシャーと言う数字はあまり信用しないほうが良いでしょう。それでも使いどころがなくなっていたClemonsを処理して元2巡の中堅を4巡指名権で手に入れたのは悪くない動きだと思います。問題はTrent ColeのバックアップとしてREの2番手で使う場合はDarren Howardと競合しますし、LEで使うだけのパワーが有るのかが微妙です、Jaqua ParkerにVictor Abiamiriを押しのけるだけのタレントにも見えません。どこで使うのか、ドラフト上位でDEを指名するのかと言う意味でも今後の補強次第で評価が変わるトレードになるでしょう。

　Clemonsは外からのスピードは有りましたが、外一辺倒で完全に読まれてました。内側へスピンするような動きが有ればもっと活躍できたのでしょう。240ポンドをDEで使う方が無理だったのかもしれません、

　RFAのローテンダーでSEAとサイン後のトレードとなりましたが、すぐに3年の契約延長に合意しています。これがローテンダーの1年+3年なのか合計で3年なのかはまだ良く分かりません。今後詳細が明らかになるでしょう。