はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1236 ~ レディ・アロー(CS)

2025-01-08 | 映画評
今回は「レディ・アロー(CS)」です。

オーストラリア産のハードサスペンスアクション。家族旅行中、夫を誘拐され、娘を人質に取られた主婦は、アーチェリーの腕前を活かし、武装した犯人グループに立ち向かう。

主演:ジリアン・アレクシー
共演:ルーク・フォード、ライアン・パニッツァ、アレクサンドラ・ネルなど


<ストーリー>
アーチェリーが得意な主婦ケイトは、ビジネスマンの夫アッシュとある出来事を機に仲が悪くなる。娘サラが精神科に通院しているのも悩みだが、一家は週末、郊外の貸別荘へ旅行する。だがその晩、貸別荘は武装した2人組、ケインとリードに襲われ、アッシュはリードに連れ去られる。リードを含むグループはアッシュの会社が持つ3000万ドルをネットで転送するよう要求。ケイトは自分と娘を監視するケインを倒そうと行動を起こす。


2022年の作品である。

週末に出かけた別荘で武装集団に襲われた家族が、アーチェリーの得意な妻(母)によって苦境を乗り切る、という話だけど、ストーリー自体には特におかしなところはない。

ただ、随所に変なところが。

まず、武装集団は一家を襲うと、夫であるアッシュを拉致して妻ケイトと娘を人質に取る。

この時結束バンドによって拘束するのだけど、なぜか後手ではなく前で結束し、口には粘着テープで話せないようにする・・・ん?

それだと手で粘着テープを剥がせるじゃないか、と思っていたら、案の定ケイトが結束バンドをつけられたままで粘着テープを剥がそうとしたので、武装集団の一人は「動くんじゃねえ!」と怒鳴りつける。
いや、だったら後手に結束しろよ。

しかも、なぜか足は結束バンドで拘束しない。

それだと結束バンドをしたまま逃げられるじゃないか、と思っていたら、実際にはもっと恐ろしい(?)ことが起こった。

何と、足を使って結束バンドを引きちぎってしまったのだ。
結束バンドって、そんなに簡単にちぎれるものではないだろうに。

しかも、足で結束バンドを引きちぎるシーンは、その後にも出てくる。

あと、別荘から脱出する時に、玄関だけでなく、どのドアも開かなかったのだけど、内側から開かないドアってあるのか?

まあ、何だかんだでケイトが見張りをしていた男を倒して拘束し返すのだけど、その後隣家に助けを求めに娘が行ったところ、実はそこにも武装集団の仲間がいて、すでに持ち主を殺害していたため、再びケイトたち親娘は拘束されてしまう。

だけど、そいつはその家でいったい何をしていたの?

いろいろと計画的に行動していた武装集団だし、状況から見て殺害直後のようには見えなかったのだけど、そんなところで油を売ってないで、早く仲間のサポートをしにくればいいのに、

その後、何だかんだで再び連中を倒したものの、敵の中ボス(?)であるリードが現れて再び拘束され、ケイトは気絶させられてしまう。

その時に、たまたま顔を出しにきたケイトの父親が見せしめに殺されてしまうのだけど、実はこの事は後でなかったことになっている!?

今度は娘を連れ去られたのだけど、目が覚めたケイトは、当然のごとく簡単に拘束バンドを足で引きちぎると、武装集団のアジトに向かう。

そして、アジトに潜入するのだけど・・・何でアジトの場所がわかったの?

確かに、アジトは別荘とはそう離れていない場所にあったのだけど、別に別荘の家の前にあったわけではなく、リードたち武装集団は常に車で移動していた。

ケイトは、どうやって移動したのだろう。

さて、この時にアジト内で、武装集団のラスボスが判明し、それが実はアッシュの同僚であることがわかる。
アッシュがこのラスボスの妻と不倫関係にあったことから、復讐の意味も含めてアッシュが稼いだお金を奪い取ろうとしたわけだ。

ところが、アッシュからのお金の送金操作が終了したと思ったら、なぜかリードがラスボスに当て身を食らわして、気絶させてしまう。

あらっ、裏切ったのか?と思ったのだけど、なぜかそのまま放置してケイトを倒しに出て行ったので、その間にアッシュが娘を助け出すのだけど、ラスボスも急に目を覚ましてしまうので、今度はアッシュとラスボスとのバトルになるのだけど、これが意外にもあっさりとアッシュが勝つ。

さて、アジト内でのバトルが始まるのだけど、銃やマシンガン・ナイフに対してアーチェリーで対抗するのは、やはり無理なような気がする。

弓矢の強みは遠方から攻撃できることだけど、ああいう室内や倉庫内など接近戦で戦う時には、どう考えても不利なように思うのだけど。

まあ、武装集団のザコキャラがアホばかりだったので、簡単に倒せたものの、リードは弓矢を食らったまま逃げられてしまう。

この時、リードは刺さった矢を強引に引き抜くのだけど、後ろから撃たれたのに、何と前に引き出していた。矢の羽の部分が邪魔にならないのか?

そして、最後は元海兵隊の強者であるリードと、ただの主婦であるケイトとのガチバトルになるのだが、意外にも(?)ケイトが勝ってしまう。

リードが優勢で、後ろに回り込んで絞めにかかっているのに、なかなか落とせずに、ケイトも失神しかかっているのに、急に覚醒すると、自分の膝に突きたてられたナイフではなく、離れた場所に落ちている矢を拾い上げて、それでリードを倒す。

リード、ちょっと弱すぎないか?

まあ、とにもかくにもハッピーエンドで終わり・・・・といきたいところなんだろうけど、そもそもの原因はケイトのダンナであるアッシュじゃないか。

ビジネスでも簡単に仲間を切り捨てて、しかも敗者呼ばわりし、おまけに浮気までして、しかもビビってばかりで何の役にも立たない、最低の男だ。

とてもじゃないけど、感情移入なんかできるわけがない。

しかも、ケイトの父親が殺されているんだぞ。
ラストは家族で楽しそうに談笑していたけど、もしかして監督はその事実を忘れてるんじゃないの?

とにかく、ツッコミどころ満載で、よくこんなシナリオを思いついたなあ、というレベルの映画だった。

ということで、本当なら評価は「D」でもいいのだけど、ここは「C」にしておきます。

ところで、本作の原題は「AVARICE」だけど、その意味は「強欲、貪欲」ということなのだが、これって色と欲にまみれた夫のアッシュのことを指していると思われる。

よくも、こんなタイトルをつける気になったなあ。

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