今回は「ダムゼル/運命を拓きし者(Netflix)」です。
ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のミリー・ボビー・ブラウンが主演を務めたファンタジー映画。
主人公エロディの父を「ディパーテッド」のレイ・ウィンストン、継母を「ブラックパンサー」シリーズのアンジェラ・バセット、アウレア国の女王を「ワンダーウーマン」シリーズのロビン・ライト、王子を「ジュラシック・ワールド」のニック・ロビンソンがそれぞれ演じた。監督は「10億分の1の男」のファン・カルロス・フレスナディージョ。
主演:ミリー・ボビー・ブラウン
共演:レイ・ウィンストン、ロビン・ライト、アンジェラ・バセット、ニック・ロビンソン、ショーレ・アグダシュルーなど
<ストーリー>
貧しい北国の王女エロディのもとに、緑に恵まれた豊かなアウレア国の王子から結婚の申し込みが届く。アウレア国はエロディを迎え入れる代わりに彼女の国を援助してくれるという。しかしその結婚は、かつてアウレア国の王族と契約を交わしたドラゴンへの生贄としてエロディを利用するためのものだった。恐ろしいドラゴンの棲む洞窟に投げ込まれたエロディは、どうにか生き延びて脱出するべく奮闘するが……。
昨年Netflixで配信されたファンタジー映画である。
冒頭でドラゴンと戦っているアウレア国の戦士たちが、ドラゴンに蹂躙されるシーンが流れてきて、その後主人公である貧しい国の王女エロディとアウレア国の王子との結婚の話が出てくるので、「ああ、この国の女王の陰謀に巻き込まれるのだな」という展開が、鈍い私でも何となく読めていた。
とはいえ、最初主人公は力で相手をねじ伏せる強い女性だと思っていたのだけど、実はそうではなく、しかも最後はドラゴンを味方につけるというストーリーだったので、よくある展開とは言え、全体的にはなかなか面白かった。
しかし、気になるところがいくつかあった。
今回登場するドラゴンは、アウレア国の王様によって子供たちをすべて殺されたことで、激怒して王様を殺そうとするが、命乞いする王様の命を助ける代わりに、毎年一人ずつ王国の女性を生贄に差し出すという約束を取り交わす。
それに対して、自国の女性を差し出すのは忍びないと考えた女王が、王子の結婚相手という形で他国の王女を呼び寄せて、それを生贄に差し出すという悪知恵を働かせるのだが、実は主人公がお城に招かれた時に、すでに一人の女性(王女様と呼ばれていた)が同じ城に招かれていて、この王女が主人公が突き落とされた洞窟の中で死体となって見つかる。
要するに、前日にも同じ儀式を済ませていた、ということになるのだけど、だったら主人公の生贄は1年後でもいいじゃん、と思ってしまうわけだ。
もちろん、このことは見終わった後で気付いたことなので、見ている途中では特に違和感はなかった。
あと、準主役であるドラゴンは、この呪われた王家の血の匂いをかぎ分けることができる、という設定になっていたのだけど、生贄にされた女性たちは、儀式の中でこの王国の王子の血と自分の血を混ぜ合わせたものを手に擦り付けているだけなので、そんなこともわからないドラゴンは、相当頭が悪いとしか言いようがない。
さらに、その後主人公が生きていることがわかった悪の女王は、今度は主人公の妹を生贄にしようとして、彼女を主人公同様洞窟の上から突き落とす。
だけど、彼女たちを含めて生贄にされた女性たちは、あんな高いところ(20~30mはある?)から突き落とされて、よく生きていたなあ。
一番下にわらの束みたいなものでもあれば、まだ大丈夫なんだろうけど、主人公の場合でも、モロに背中から落ちていたので、あれで「痛った~」で済んだのが不思議だ。
でもまあ、ここまでは物語の性質上、いちいちイチャモンをつけていたのでは面白くないので、そこはまあ我慢するとしても、どうしても理解不能だった場面が一つあった。
それは、主人公が洞窟内を逃げまわっている途中で、これまで犠牲になった女性たちが、もうダメだと思ったのか、自分の名前を壁に刻み付けるという場所があった。
そして、そのそばにはその洞窟の地図が書かれていたのだけど、彼女たちは必死に逃げまわっていただけなのに、どうして洞窟内の様子がわかったのだろう。
全員他国から来たばかりの女性たちなので、その洞窟の存在自体を知るはずがないのだし。
しかも、驚いたのは、地図の一部に「ここまで行ければ助かる」みたいな場所が書かれていて、出口だろうと思われるところに太陽のマークが印されていた。
それを見て主人公は、その場所まで何とか辿り着くのだけど、実はそこは断崖絶壁の場所であって、どうあっても助かるような場所ではない。
しかも、そこにもドラゴンは飛んで来られるわけだから、その地図を書いた女性も、おそらくそこで犠牲になったと思われるのだけど、であれば彼女はどうやってあの地図を書いたの?
わざわざ一度戻ってきて書いたわけ?
もし無事にそこまで戻って来られたとしても、あの断崖絶壁の場所は出口なんかではないわけだから、まるで出口かのような太陽マークを印した意味がわからない。
このあたりは、脚本を書く時点で見落としていたのだろうが、「出口かと思っていたけど、実は・・・」という展開にしたかったのだろうという想像はつくものの、かなり無理があると思う。
ということで、いろいろ違和感はあったものの、ファンタジーなので、あまりケチをつけてはいけないし、そこそこ楽しめたので、評価は「C」にしておきます。
あと、ホントに重箱の隅をつつくようなことではあるのだけど・・・
主人公がドラゴンと対峙している時、ドラゴンに対して「さあ、私を殺しなさいよ」と挑発して、ドラゴンが火を吐いた瞬間、主人公が横に飛んだために、自分が吐いた火が石に跳ね返ってきたため、それでやられて瀕死の状態となってしまうシーンが出てくる。
「ドラクエ」を経験している私としては、「ドラゴンのような火を吐くモンスターには、メラミ系(火を使う呪文)の攻撃は効かない」ということを知っているので、何とも違和感があった。
だいたい、火を吐く直前に、ドラゴンのお腹はいかにも「これから火を吐くぞ」という状態になっている描写があるのに、跳ね返ってきた火でやられるなんて、みっともなさすぎるだろう。
ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のミリー・ボビー・ブラウンが主演を務めたファンタジー映画。
主人公エロディの父を「ディパーテッド」のレイ・ウィンストン、継母を「ブラックパンサー」シリーズのアンジェラ・バセット、アウレア国の女王を「ワンダーウーマン」シリーズのロビン・ライト、王子を「ジュラシック・ワールド」のニック・ロビンソンがそれぞれ演じた。監督は「10億分の1の男」のファン・カルロス・フレスナディージョ。
主演:ミリー・ボビー・ブラウン
共演:レイ・ウィンストン、ロビン・ライト、アンジェラ・バセット、ニック・ロビンソン、ショーレ・アグダシュルーなど
<ストーリー>
貧しい北国の王女エロディのもとに、緑に恵まれた豊かなアウレア国の王子から結婚の申し込みが届く。アウレア国はエロディを迎え入れる代わりに彼女の国を援助してくれるという。しかしその結婚は、かつてアウレア国の王族と契約を交わしたドラゴンへの生贄としてエロディを利用するためのものだった。恐ろしいドラゴンの棲む洞窟に投げ込まれたエロディは、どうにか生き延びて脱出するべく奮闘するが……。
昨年Netflixで配信されたファンタジー映画である。
冒頭でドラゴンと戦っているアウレア国の戦士たちが、ドラゴンに蹂躙されるシーンが流れてきて、その後主人公である貧しい国の王女エロディとアウレア国の王子との結婚の話が出てくるので、「ああ、この国の女王の陰謀に巻き込まれるのだな」という展開が、鈍い私でも何となく読めていた。
とはいえ、最初主人公は力で相手をねじ伏せる強い女性だと思っていたのだけど、実はそうではなく、しかも最後はドラゴンを味方につけるというストーリーだったので、よくある展開とは言え、全体的にはなかなか面白かった。
しかし、気になるところがいくつかあった。
今回登場するドラゴンは、アウレア国の王様によって子供たちをすべて殺されたことで、激怒して王様を殺そうとするが、命乞いする王様の命を助ける代わりに、毎年一人ずつ王国の女性を生贄に差し出すという約束を取り交わす。
それに対して、自国の女性を差し出すのは忍びないと考えた女王が、王子の結婚相手という形で他国の王女を呼び寄せて、それを生贄に差し出すという悪知恵を働かせるのだが、実は主人公がお城に招かれた時に、すでに一人の女性(王女様と呼ばれていた)が同じ城に招かれていて、この王女が主人公が突き落とされた洞窟の中で死体となって見つかる。
要するに、前日にも同じ儀式を済ませていた、ということになるのだけど、だったら主人公の生贄は1年後でもいいじゃん、と思ってしまうわけだ。
もちろん、このことは見終わった後で気付いたことなので、見ている途中では特に違和感はなかった。
あと、準主役であるドラゴンは、この呪われた王家の血の匂いをかぎ分けることができる、という設定になっていたのだけど、生贄にされた女性たちは、儀式の中でこの王国の王子の血と自分の血を混ぜ合わせたものを手に擦り付けているだけなので、そんなこともわからないドラゴンは、相当頭が悪いとしか言いようがない。
さらに、その後主人公が生きていることがわかった悪の女王は、今度は主人公の妹を生贄にしようとして、彼女を主人公同様洞窟の上から突き落とす。
だけど、彼女たちを含めて生贄にされた女性たちは、あんな高いところ(20~30mはある?)から突き落とされて、よく生きていたなあ。
一番下にわらの束みたいなものでもあれば、まだ大丈夫なんだろうけど、主人公の場合でも、モロに背中から落ちていたので、あれで「痛った~」で済んだのが不思議だ。
でもまあ、ここまでは物語の性質上、いちいちイチャモンをつけていたのでは面白くないので、そこはまあ我慢するとしても、どうしても理解不能だった場面が一つあった。
それは、主人公が洞窟内を逃げまわっている途中で、これまで犠牲になった女性たちが、もうダメだと思ったのか、自分の名前を壁に刻み付けるという場所があった。
そして、そのそばにはその洞窟の地図が書かれていたのだけど、彼女たちは必死に逃げまわっていただけなのに、どうして洞窟内の様子がわかったのだろう。
全員他国から来たばかりの女性たちなので、その洞窟の存在自体を知るはずがないのだし。
しかも、驚いたのは、地図の一部に「ここまで行ければ助かる」みたいな場所が書かれていて、出口だろうと思われるところに太陽のマークが印されていた。
それを見て主人公は、その場所まで何とか辿り着くのだけど、実はそこは断崖絶壁の場所であって、どうあっても助かるような場所ではない。
しかも、そこにもドラゴンは飛んで来られるわけだから、その地図を書いた女性も、おそらくそこで犠牲になったと思われるのだけど、であれば彼女はどうやってあの地図を書いたの?
わざわざ一度戻ってきて書いたわけ?
もし無事にそこまで戻って来られたとしても、あの断崖絶壁の場所は出口なんかではないわけだから、まるで出口かのような太陽マークを印した意味がわからない。
このあたりは、脚本を書く時点で見落としていたのだろうが、「出口かと思っていたけど、実は・・・」という展開にしたかったのだろうという想像はつくものの、かなり無理があると思う。
ということで、いろいろ違和感はあったものの、ファンタジーなので、あまりケチをつけてはいけないし、そこそこ楽しめたので、評価は「C」にしておきます。
あと、ホントに重箱の隅をつつくようなことではあるのだけど・・・
主人公がドラゴンと対峙している時、ドラゴンに対して「さあ、私を殺しなさいよ」と挑発して、ドラゴンが火を吐いた瞬間、主人公が横に飛んだために、自分が吐いた火が石に跳ね返ってきたため、それでやられて瀕死の状態となってしまうシーンが出てくる。
「ドラクエ」を経験している私としては、「ドラゴンのような火を吐くモンスターには、メラミ系(火を使う呪文)の攻撃は効かない」ということを知っているので、何とも違和感があった。
だいたい、火を吐く直前に、ドラゴンのお腹はいかにも「これから火を吐くぞ」という状態になっている描写があるのに、跳ね返ってきた火でやられるなんて、みっともなさすぎるだろう。
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