はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1161 ~ 耳をすませば(実写版)/TV

2024-05-13 | 映画評
今回は「耳をすませば(実写版)/(TV)」です。

スタジオジブリの人気アニメ映画の原作として知られる柊あおいの名作漫画を、清野菜名と松坂桃李の主演で実写映画化。原作漫画とアニメ映画で描かれた中学時代の物語に加え、主人公2人が大人になった10年後をオリジナルストーリーで描く。
大人になった雫と聖司を清野と松坂が演じ、中学時代の2人には映画初出演の安原琉那と「光を追いかけて」の中川翼を起用。監督・脚本は「ツナグ」「約束のネバーランド」の平川雄一朗。

主演:清野菜名、松坂桃李
共演:山田裕貴、内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来
その他:宮下かな子、音尾琢真、松本まりか、中田圭祐、小林隆、森口瑤子、田中圭、近藤正臣など

<ストーリー>
読書好きな中学生・月島雫は、図書貸出カードでよく名前を見かけていた天沢聖司と最悪の出会いを果たす。しかし雫は聖司に大きな夢があることを知り、次第に彼にひかれていく。そんな聖司に背中を押され自身も夢を持つようになる雫だったが、聖司は夢をかなえるためイタリアへ渡ることに。2人は離れ離れになってもそれぞれの夢を追い、10年後に再会することを誓い合う。それから10年が過ぎた1999年。出版社で働きながら夢を追い続ける雫は、イタリアで奮闘する聖司を想うことで自分を奮い立たせていたが・・・


2022年の作品であるが、前作となるアニメ版の10年後を描いたものだ。

とは言え、アニメ版が公開されたのは1995年なので、それから実に27年も経って作ったわけである。

ネットでも、そのあたりを突いていて「何で今頃続編を、しかも実写版で作るの?」という声があった。

しかし、一番多かったのは、「何で『カントリーロード』ではなく『翼をください』なの?」というものだった。

確かに、言われてみればそうだけど、残念ながら最後まで気が付かなかった!?

エンディング曲は「翼をください」じゃなかったっけ?と思っていたのだけど、よく考えたらあれはヱヴァンゲリオンでした!

まあ、どちらであっても大した違いはないのだけど、途中まではやんわりと話が進んでいたのに、終盤から一気に話が展開されるのだけど、これがまた違和感バリバリだった。

聖司がイタリアに行ってから10年後、主人公・雫は意を決して聖司に会うためにイタリアに行く。

あらすじには「10年後に再会することを誓った」とあるけど、どう見ても、急に思い立って行ったようにしか見えなかった。

とは言え、ここからクライマックスに向けてまっしぐらか・・・と思っていたのに、話は意外な方向に向かう・・・というか、ムチャクチャな展開が待っている。

イタリアで聖司に会い、食事の後で聖司の自宅に行くことになるので、さあ大詰め!と思っていたら、なぜか突然聖司の仕事仲間である女性が乱入してきて、「私は聖司を愛している。アンタは10年間聖司を放ったらかしにしておいて、今さら何よ」みたいなことを言うのでビックリしたのだけど、雫は驚いて聖司の家を飛び出してしまう。

当然、聖司はその後を追って・・・という展開を予想していたのに、何と次のシーンでは、雫がもう日本に帰ってきていた。

そして、結婚を控えた元同級生を前にして「私たち別れたの」と言う。

「えっ?」と思う間もなく、数日後(ホントに数日後であって、数年後でもなければ数か月後でもない)今度は聖司が日本に戻ってきて、しかも雫の前に姿を現わす。

そしていきなり「結婚しよう」だって。

もういいかげんにしろよ!としか思えない展開だった。

あの乱入女はいったい何だったんだ?

雫が勝手に今の彼女だと誤解して、泣きながら日本に帰ってきたのならともかく、この間のやり取りはどうにも理解できない。

しかし、そんなことは大したことではなく、一番の違和感は別のところにあった。

中学生時代の翼を演じた安原琉那の演技がヒドすぎたのである。

いちいちあり得ないほどのオーバーな物言いで、見ていてイライラしてくる。

私が小学生の頃の文化祭(謝恩会だったか?)で、寸劇をやった時の同級生の女子よりも下手クソだった!?

アニメ版の声に似ているというコメントもあったけど、アニメと実写とでは全然違うということを改めて思い知らされた感じ。

過去の回想シーンの中に随時登場してきていたので、序盤から「こりゃ、ダメだ」と思っていたのである。

このせいで、すべてがムチャクチャになったと言っても過言ではないほど、どうにもあり得ないセリフ回しだった。

監督はちゃんと指導したのか? それとも、ああいうふうにやれと指示したのか?

女の子が下手クソだった、というよりは、もしかしたら演出でそういうふうに指導していたのかも知れない。

もともと「アニメの実写版」に懐疑的であったので、映画館では見なかったのだけど、見なくて正解でした。

ということで、過去作なので、評価は「C」にとどめておきます。

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