今回は「バーニング・ダウン 爆発都市(CS)」です
「イップ・マン 最終章」のハーマン・ヤウ監督と、香港のスター俳優アンディ・ラウがタッグを組んだアクション。同じくヤウ監督とラウ主演による「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」の設定、ストーリーをリセットし、さらにスケールアップしたドラマが展開する。
出演者:アンディ・ラウ
共演:ラウ・チンワン、ニー・ニー、ツェ・クワンホー、フィリップ・クン、ロン・ン、マーク・マー、ケニー・ウォン、ティモシー・チェン、ベン・ユエン、ウィルフレッド・ラウ、ベイビージョン・チョイなど
<ストーリー>
爆弾処理班で数々の事件を解決してきたフォンは、爆発に巻き込まれ左足を失ってしまう。義足とは思えないほど身体機能が回復しながらも、上層部はフォンの現場復帰を認めず、仕事一筋で生きて来たフォンは自暴自棄になり、警察を辞めてしまう。姿をくらませたフォンが発見されたのは、テロ組織「復生会」によるホテル爆破事件の現場だった。重体の状態で発見されたフォンは容疑者として病院で尋問を受けるが、爆発の影響により過去の記憶を失っていた。
2022年製作の香港映画である。
なかなか衝撃的なラストなので、終わった直後は結構「スゴかったなあ」と思ってしまうのだが、思い返してみると、いろいろと気になるところがある。
まず、冒頭で香港国際空港が核爆弾によって木っ端微塵となってしまう。
「えっ?」と思う出だしだったのだけど、実はこれは妄想(?)の世界なので、実際にはそうはならない。
はっきり言うと、そうならないために主人公たちが奮闘する映画なのだけど、この描き方ってどうなんだろう、とちょっと思った。
アンディ・ラウ演じる主人公フォンは、爆弾処理班として優秀な警察官だったのだけど、ちょっとしたことから爆発に巻き込まれてしまい、左脚を失う。
その後懸命なリハビリによって、元の状態に近いところまで回復するのだけど、現場に復帰することを認められず、自暴自棄になってしまう。
物語はここからスタートするのだけど、あるテロ事件の現場にいて、その巻き添えを食うことによって記憶喪失となってしまった、という付加要素が加わるので、話は終盤までどうなるのかわからない。
そして、終盤になって、徐々に真実が明かされていくことで、逆に「はあ?」という気持ちになってしまう。
ネタバレにはなるが、実はフォンは、自暴自棄になった後に、あろうことか「こんな世の中はおかしい」と思い、テロリスト組織に加入してしまう。
つまり、巻き込まれたテロは、フォン自身が仕掛けたものなのである。
それ以外にもいくつかテロを強行し、実に多くの人たちを殺害している。
ところが、自身が仕掛けたテロのあおりを食って記憶喪失になってしまったのだが、事情を知る元恋人が、フォンにニセの記憶を植え付けてテロ組織を壊滅させることを思いつき、「あなたは、実は潜入捜査官なの」ということにしようとするのである。
「はたしてフォンはテロリストなのか、あるいは潜入捜査官なのか」という疑問を観客に投げかけながら話は進む・・・という形にしたかったのだろうけど、これはかなり無理がある。
なぜなら、実際にフォンがテロ現場で爆弾を仕掛けているシーンを何度も描いているからだ。
ここは、どうして「誰が仕掛けたのかわからない」という描き方にしなかったのだろう。
だから、誰が見たってフォンはテロリストなのだが、ここで疑問に思うことは「爆弾処理の現場に戻れないからと言って、自暴自棄になるにしても、真逆のテロリストなんかになるか?」ということである。
気持ちの揺れ幅が極端すぎるのだ。
ただ、冒頭での妄想シーン(?)があるので、テロを仕掛けたことも、もしかして妄想なのか?という疑問を少し持ちつつ、いちおうその先に期待する。
ところが、フォンがなぜか覚醒(?)してしまい、「自分はテロリストだが、今回のテロは阻止する」という謎の改心をするので、終盤は空港を爆破しようとする組織とのバトルになる。
こうなると、もう何が何だかわけがわからない。
とは言え、この空港爆破テロを計画したのも、実はフォン自身だというのだから、もはやこの主人公に感情移入などできない。
最終的に、フォンは自らの命と引き換えに、この大規模なテロを防ぐことにはなるのだけど、すでにそこには爽快感はない。
物語の基本がこんな感じなので、全体的にCGが安っぽいなど、それ以外の細かい点はあまり気にならなかったのだけど、それでも違和感のある描写がいくつか。
中盤から終盤に移るあたりで、テロ組織が地下のガス管を爆破させようと、街中には爆弾を仕掛ける。
これが、建物の陰とか見えないところにそっと仕掛けているのではなく、通りのど真ん中に堂々と仕掛けており、しかもわざわざタイマーの表示までつけている。
これって、いったい何のため?
劇中では、この爆弾を解除しようとしたフォンの元相棒を狙撃するシーンがあるので、彼を亡き者にしようとする企てなのかも知れないが、何と元相棒は防爆スーツを着ていたので大丈夫だった!?
銃弾を何発食らっても、体制が崩れることもなくビクともしなかったのだが、いくら何でも万能すぎるだろう。
それにしてもこの狙撃手がバカすぎる。
ビルの屋上から、実に何十発も銃弾を撃ちまくっていたのだけど、こんなものすぐに警察に所在がわかってしまうのだろうに、警戒するわけでもなく、案の定場所を特定された挙句に射殺されてしまう。
さらに、このシーンをテロ組織はずっとカメラで見ていた(狙撃者自身が撮影していた)のだけど、誰も「もういい、逃げろ!」とは言わなかったのも違和感バリバリ。
射殺されてしまった後に、みんなで涙を流してしたのだけど、見ていて「お前らバカなのか」としか思わなかった。
あと、全体的に爆弾の解除があっさりとしすぎていて、ハラハラ・ドキドキ感がほとんどなかったのも、ちょっと気になったかな?
いずれにしても、最後のシーンで騙されそうになったのだけど、ホントに雑な作りでした。
ということで、評価は「C」にします。
「イップ・マン 最終章」のハーマン・ヤウ監督と、香港のスター俳優アンディ・ラウがタッグを組んだアクション。同じくヤウ監督とラウ主演による「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」の設定、ストーリーをリセットし、さらにスケールアップしたドラマが展開する。
出演者:アンディ・ラウ
共演:ラウ・チンワン、ニー・ニー、ツェ・クワンホー、フィリップ・クン、ロン・ン、マーク・マー、ケニー・ウォン、ティモシー・チェン、ベン・ユエン、ウィルフレッド・ラウ、ベイビージョン・チョイなど
<ストーリー>
爆弾処理班で数々の事件を解決してきたフォンは、爆発に巻き込まれ左足を失ってしまう。義足とは思えないほど身体機能が回復しながらも、上層部はフォンの現場復帰を認めず、仕事一筋で生きて来たフォンは自暴自棄になり、警察を辞めてしまう。姿をくらませたフォンが発見されたのは、テロ組織「復生会」によるホテル爆破事件の現場だった。重体の状態で発見されたフォンは容疑者として病院で尋問を受けるが、爆発の影響により過去の記憶を失っていた。
2022年製作の香港映画である。
なかなか衝撃的なラストなので、終わった直後は結構「スゴかったなあ」と思ってしまうのだが、思い返してみると、いろいろと気になるところがある。
まず、冒頭で香港国際空港が核爆弾によって木っ端微塵となってしまう。
「えっ?」と思う出だしだったのだけど、実はこれは妄想(?)の世界なので、実際にはそうはならない。
はっきり言うと、そうならないために主人公たちが奮闘する映画なのだけど、この描き方ってどうなんだろう、とちょっと思った。
アンディ・ラウ演じる主人公フォンは、爆弾処理班として優秀な警察官だったのだけど、ちょっとしたことから爆発に巻き込まれてしまい、左脚を失う。
その後懸命なリハビリによって、元の状態に近いところまで回復するのだけど、現場に復帰することを認められず、自暴自棄になってしまう。
物語はここからスタートするのだけど、あるテロ事件の現場にいて、その巻き添えを食うことによって記憶喪失となってしまった、という付加要素が加わるので、話は終盤までどうなるのかわからない。
そして、終盤になって、徐々に真実が明かされていくことで、逆に「はあ?」という気持ちになってしまう。
ネタバレにはなるが、実はフォンは、自暴自棄になった後に、あろうことか「こんな世の中はおかしい」と思い、テロリスト組織に加入してしまう。
つまり、巻き込まれたテロは、フォン自身が仕掛けたものなのである。
それ以外にもいくつかテロを強行し、実に多くの人たちを殺害している。
ところが、自身が仕掛けたテロのあおりを食って記憶喪失になってしまったのだが、事情を知る元恋人が、フォンにニセの記憶を植え付けてテロ組織を壊滅させることを思いつき、「あなたは、実は潜入捜査官なの」ということにしようとするのである。
「はたしてフォンはテロリストなのか、あるいは潜入捜査官なのか」という疑問を観客に投げかけながら話は進む・・・という形にしたかったのだろうけど、これはかなり無理がある。
なぜなら、実際にフォンがテロ現場で爆弾を仕掛けているシーンを何度も描いているからだ。
ここは、どうして「誰が仕掛けたのかわからない」という描き方にしなかったのだろう。
だから、誰が見たってフォンはテロリストなのだが、ここで疑問に思うことは「爆弾処理の現場に戻れないからと言って、自暴自棄になるにしても、真逆のテロリストなんかになるか?」ということである。
気持ちの揺れ幅が極端すぎるのだ。
ただ、冒頭での妄想シーン(?)があるので、テロを仕掛けたことも、もしかして妄想なのか?という疑問を少し持ちつつ、いちおうその先に期待する。
ところが、フォンがなぜか覚醒(?)してしまい、「自分はテロリストだが、今回のテロは阻止する」という謎の改心をするので、終盤は空港を爆破しようとする組織とのバトルになる。
こうなると、もう何が何だかわけがわからない。
とは言え、この空港爆破テロを計画したのも、実はフォン自身だというのだから、もはやこの主人公に感情移入などできない。
最終的に、フォンは自らの命と引き換えに、この大規模なテロを防ぐことにはなるのだけど、すでにそこには爽快感はない。
物語の基本がこんな感じなので、全体的にCGが安っぽいなど、それ以外の細かい点はあまり気にならなかったのだけど、それでも違和感のある描写がいくつか。
中盤から終盤に移るあたりで、テロ組織が地下のガス管を爆破させようと、街中には爆弾を仕掛ける。
これが、建物の陰とか見えないところにそっと仕掛けているのではなく、通りのど真ん中に堂々と仕掛けており、しかもわざわざタイマーの表示までつけている。
これって、いったい何のため?
劇中では、この爆弾を解除しようとしたフォンの元相棒を狙撃するシーンがあるので、彼を亡き者にしようとする企てなのかも知れないが、何と元相棒は防爆スーツを着ていたので大丈夫だった!?
銃弾を何発食らっても、体制が崩れることもなくビクともしなかったのだが、いくら何でも万能すぎるだろう。
それにしてもこの狙撃手がバカすぎる。
ビルの屋上から、実に何十発も銃弾を撃ちまくっていたのだけど、こんなものすぐに警察に所在がわかってしまうのだろうに、警戒するわけでもなく、案の定場所を特定された挙句に射殺されてしまう。
さらに、このシーンをテロ組織はずっとカメラで見ていた(狙撃者自身が撮影していた)のだけど、誰も「もういい、逃げろ!」とは言わなかったのも違和感バリバリ。
射殺されてしまった後に、みんなで涙を流してしたのだけど、見ていて「お前らバカなのか」としか思わなかった。
あと、全体的に爆弾の解除があっさりとしすぎていて、ハラハラ・ドキドキ感がほとんどなかったのも、ちょっと気になったかな?
いずれにしても、最後のシーンで騙されそうになったのだけど、ホントに雑な作りでした。
ということで、評価は「C」にします。
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