老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

散歩の途中の秋の庭

2016-10-20 21:04:36 | 俳句
      
宮の桜黄葉がはらはらと散っていた。

     🍒    黄落や防災メロディー流る町

この散歩道は一か月もっと久ぶりかもしれない。
高速道路の側壁に沿って歩く。
見つけたいものがあって、そこへ近づいて探すのは 烏瓜。
朱い実が垂れている筈であったけれど、残念。影も形もない。

夫との会話は 亡くなった犬の事ばかり。
この辺へ来ると、どっちの道が好き。。お水はここで飲むとか。。想い出話が尽きない。

春、夏には素晴らしいガーデニングの庭の方へ歩いてゆく。
庭の手入れに余念のない奥様を見付けて話かける。

庭の奧に黄色い花が咲いている。
薔薇ですか?と尋ねると、 ダリア です。見て下さいと云ってくださったのがこの黄色い素敵な ダリア。

         

並んで、ピンクのダリア。私の思っている ダリア とはすこしかけ離れている改良されている可愛いダリアである。

      ☆   ダリア大輪ルヰ王朝に美女ありき    福田寥汀        

         

今は端境期という言葉があって、ガーデニングにこの言葉があてはまらないかもしれないが
俳句では、花の植え替え時季、秋種を蒔くの季語の季節である。

     🍒    秋蒔や父祖の眠れる山の畑    

           

秋の薔薇が咲いている。

      ☆     今日生きて無傷の日なし秋薔薇    仲田美智子

       

白い秋明菊に鶏頭。

      ☆    秋明菊より見えてゐる東山    佐藤明彦

      ☆    鶏頭に鶏頭ごつと触れゐたる    川崎展宏

      

満開の時はどんなに美しかったと思うほど、この時期にしては、美しい花が沢山咲いている秋の庭である。
これからどのような庭になるのか、楽しみである。

  
     🍒    朝未だき色鳥きたる声に覚め

     🍒    お天守へ午報の太鼓秋澄めり

     🍒    神の留守監視カメラの作動中


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瀬戸大橋の見える郷照寺

2016-10-20 11:20:13 | 俳句
         

厄除けの寺 うたづ大師さんをお参りする。
四国八十八ヶ所の第78番、郷照寺である。
境内は秋のお遍路さんが沢山にお詣りをしておられる。
先に到着したお遍路さんが、御詠歌を唱し、般若心経を唱えるのを待って、次のお遍路さんが本堂の前に進み、般若心経、、、、と信心の人々で賑わっている。

             

仰ぎみると 本堂彫刻絵天井 が、さん然とある。美しいとしか例えようのない天井である。
彩色された、彫刻の花々。

         

         🍒     色変へぬ松忘れある遍路杖

しばらく佇んでいたけれど、この杖はどなたも引き返して取りにおいでにならなかった。
道中、不自由なことであろう。

         

       ☆     里近く茶の花のしたくして    山頭火

       ☆     かうして旅する日日の木の葉ふるふる    山頭火

寺の裏の庭に茶の花が莟をつけていた。
山頭火がこの寺を訪れたかは私には定かではない。
この句は讃岐路の句には違いないのである。
とある年の十月の讃岐での日記から。
         
       

       🍒     遍路打つ鐘鳴り渡る苅田かな

       🍒     秋遍路野を焼く煙に顔あぐる

       🍒     威し銃遍路たゆまず歩きゆく

       🍒     御陵へ蜜柑の山をぬひにけり

       🍒     札所道蜜柑の無人店並ぶ

       🍒     秋霞瀬戸大橋のつひ見えず

晴れていると目の前に瀬戸大橋を望むことができるのだけれど、昨日は残念ながら見ることができなかった。
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