車で買物に行く途中に「霊之寺」がある。
道路から、少し高くなった場所で山寺の感じである。大きな山門が見える。
いつも気になっていた寺だった。
散歩がてらいつかお詣りをさせてもらおうと思っていた。
悲しいかな、香川で育っていない自分は相当に香川の歴史に疎い。
ここ「霊之寺」が讃岐の藩侯の墓所を護っている寺とは知らなかった。
寺院の裏山に、2代藩主頼常と9代藩主頼恕(よりひろ)の墓がある。
高松松平家の宗旨は浄土宗で、菩提寺と墓所は法然寺にある。
しかし、頼常は水戸家の出身であるため、祖父の頼房・実父の光圀に倣い、儒教方式でこの地に葬るよう遺命した。
このため、法然寺から離れた場所に儒式墓で営まれている。
同様に頼恕も水戸家の出身であるため、頼常に倣って儒式墓でこの地に葬られた。
法然寺、讃岐東照宮、栗林公園など松平さまの歴史建造物には、常に接しているのに、何と浅はか、罰当たりではないか、(少し オーバー)
二日前、買物の途中にお詣りをさせてもらった。
案内図により裏山の石段を登ってゆくと、固く閉ざされた鉄扉がある。
鉄扉の隙間から覗く。
位牌所が見える。
建物に施している、彫刻の立派そうなこと。
三つ葉葵の紋もしっかりと瓦には。
そこから又階が。
石階を登ると
2代藩主頼常さまと9代藩主頼恕(よりひろ)さまのお墓があるらしい。
手を合わせた後、甃を降りる。
苔むした碑があって、松平家と刻んだ文字が微かに読める。
梅雨の晴れ間をぬった、早くいえば吟行である。
歴史の紹介と写真はあくまで二の次。
吟行は私が独りで臨む俳句道場。
唯我独尊、独りで勉強は辛いね。
🌳 雨あがり蒸し風呂ごとき木下闇
🌳 往く時は気がつかざりし落し文
🌳 苔の花碑なぞれば文字現るる
🌳 藩侯の墓所に鉄扉や杜鵑
🌳 滴りの集ひ奏でる径かな
🌳 竹落葉湿りけ残る甃
🌳 咽るやう木下匂へり梅雨茸
🌳 苔覆ひ尽くす木の橋ありにけり
🌳 カサブランカ抱え墓参の人なりぬ
🌳 老鶯や膝よ笑ふな径下る
🌳 梅雨晴間誰も人来ぬ山の坊
吟行句の記録とした、、、、が
篩いにかけると 三句か。自分の句だから捨てるのはいつでも捨てれる。
そう四句だ。
カサブランカ、往く、、苔、咽る これくらい。
そして投句するとすれば、もっと省略、隠れている見えぬ物の余韻、、、ああ難しい。