老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

切られの与三   花めぐり (12)

2020-04-09 11:13:41 | 俳句


公渕森林公園は広い。
桜を見に行き、目を巡らせていると、足下に辛夷の咲いている一隅を見つけた。

遠目でもって、花がけぶって見える。





写真を撮ったけれどうまく映ったかどうか、気にしつつ、なるだけ近くに行く。
空に向かって 7~8メートルある。いや、もっと大きいかな~。
それでも先端は、もっともっと青空に近づきたいと枝を伸ばしている。



私の後ろ近くを通る夫婦の会話。
「あの白い花は何?」と奥さん。
思わず
「辛夷だと思います」と私。
足を止めたのは旦那さん。
「辛夷ですか?大きい木ですね」
何の花だと言っていた奥さんは旦那を置いてきぼりで、ずっとずっと先に行っている。




大きな白い花。思っていたより大輪の辛夷だった。




白木蓮、紫の木蓮。花びらが大きいから強い風に吹かれると、花どうしが触れあって傷になる。
枯れるより先に花びらに傷がついて哀れな感じ。

白い花びらに残った傷は茶色に変色をしている。
どの花にも幾筋もの傷が。谷風に煽られて、また町中に咲く木蓮科の花の傷もおおかた筋が残っている。
写生以上の句はできない。最近は句づくりもおざなりに。投句前にパソコンの前で作る。
久しぶりに、花めぐり中に拾った句だ。


     🐢     白木蓮切られの与三のやうな傷




コメント
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