老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

山法師  けふの花

2015-06-12 06:07:14 | 俳句

    ★  旅は日を急がぬごとく山法師   森澄雄

    

ラジオ深夜便を聴いていると 今日の花言葉は 「山法師」 友情だそうだ。
庭に咲いているので さっそく写真を撮りに。昨夜の雨が残っていて、庭全体が生き生きとしている。
友情 なんて言葉久しく使わなし、忘れていた感がする。いいな。青春がたっぷり、私にもたくさんあったんだ。

    

 沖縄は梅雨が上がったそうだ。

 
   ☆  九州を沈めて梅雨の上がりけり   長谷川櫂
   
   ★  梅雨の傘たためば水の抜け落つる

 二句とも長谷川櫂の作品。句柄が違う。
九州の句は 沈めて が私には正直 理解できない。あえて 大きな地球規模で観察すると、
宙から九州を鎮めて、鬱陶しい梅雨から 解放させましたよとうけとめていいのかしらと思う。
傘をたためばば は、畳んだ時の雨のしずくが傘を伝わって落ちて行くさまを、詠んでいる。
俳人の目が働いた。梅雨の傘だから、臨場感がある。
大きな自然のさまと、日常の生活感との 使い分けがいいなあと思った。

   ★  ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき   桂信子
 
 全く。女性にしか分からないこの乳房の重みと愛おしさ。心が弾む時は揺れて 持っていることさえ気がつかぬこともある。じっとしていても生汗が胸に滲んで、むしむしした梅雨の気分をなんと適格に表現したことか。こんな句に一歩でも近づく句が作りたい。


   昨日のしりとり俳句
   🏡   梅雨寒の着たり脱いだり作務衣かな
   
   🏡   いそいそと梅雨の隙もて句会へと
   
   🏡   五月雨や通学船に駆け込む子
    
   🏡   蝙蝠のかすめ篝火薪能

         




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猫と犬と。。

2015-06-11 12:21:47 | 俳句


この可愛い 猫と犬がいなかったら、何とつまらない毎日だったことか。
姫 がお姉さん。 殿 が弟。
姫 はわが家の女王。 今もこれからも。
殿 が亡くなって、「姫 殿が 死んだ。母さん辛い 辛い」 と姫を抱きしめながら言った。
姫 は 私の頬に手を添えて、しばらくそのまま。猫がこんなことしますか?「泣くな 泣くなあたしがいるじゃない」か とまるで、慰めてくれている仕草。 


  
 
   ★  緑陰へ呼ぶ犬の名はソクラテス   秋元不死夫
    
     情景が目に浮かびます。ちなみに昔 飼っていた猫の名は ナポレオン。

   ☆   天の川後脚を抱き犬ねむる   加藤楸邨

     難しい言葉を使用しなくても良い俳句の見本です 。

   ☆  古犬が先に立つ也はか参り   一茶

     殿もわが家の墓地を知っていた。車が近づくと、ここ、ここと吠えていた。
車から飛び出すと 墓を目指して駆けて行く。

   ★   陽炎や猫にもたかる歩行(あるき)神   一茶

     姫 もさぞや、自由に外を歩きたいだろう。

   
    🐢   尿する犬の背キチキチ跳びこしぬ        


 灰色の空。 姫 がいるだけで、どんなに癒される日々か。
   
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あぢさゐ

2015-06-10 22:54:37 | 俳句
   
  ★  あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ   橋本多佳子

 この俳句を読んだ時から 俳句が好きになった気がする。橋本多佳子も好きになった。
十七文字の中に含まれている、人生観のようなものを感じた。その頃は内の病気で、身体的にしんどい生活だった。 
  明日あるとおもう心のあだ桜夜半に嵐の吹かぬものかは  親鸞
 思うに任せない、身体、。親鸞の言葉を噛みしめ、今日を楽しく、永生き出来ないのなら、後悔しない一日にしようと、積み重ねる日々。 明日はあるだろうけれど、人より充実した満ち足りた心でいよう。無駄に無為でない生活なら一日が何も考えない人の二日分になる、いやそうしようと思って精一杯 頑張っていた。
夜の間に吹く嵐で、花は、散ってしまうかもしれぬ。嵐が吹くことを知っている自分こそ幸せでないかと言い聞かせていた。
多佳子の句は、昨日はもう過去。書いた手紙も、もう古い、私は今日を、気持も新しく生きよう、昨日の私じゃない。現在を大切に、過去は振り返りません。と解釈した。毎日をせめて大切に生きようと思っている私に、親鸞の言葉と同じだと理解した。
 あとで この手紙は恋文だと解釈する。 恋文と思わなっかた私はその頃から 華も彩も艶も無い句しか作くれぬ、暗示だったと今になってよくわかる。

    

   ★   ひと日臥し卯の花腐し美しや   橋本多佳子
   ☆   老いよしや赤き林檎を手に享くる
   ★   七夕や同じ姿に農夫老い
   ☆   枇杷を吸ふをとめまぶしき顔をする
   ★   夫恋へば吾に死ねよと青葉木菟

 いっぱい、いっぱい 好きな句がある。
    

 昨日のしりとり俳句 
  🏡   御陵や雲居の間より杜鵑
  
  🏡   夫に礼こめて旅信やほととぎす
  
  🏡   からくり時計夕立去つてゆく気配 
      

           


 
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久しぶりの 洋服づくり

2015-06-09 19:46:56 | 俳句

   ★   足袋つぐやノラにもなれず教師妻   杉田久女

 杉田久女の句。旦那様は教師。虚子の弟子だったが、破門された。
あまりにも有名だから、そのへんは。。。
ノラはイプセンの人形の家の主人公。ノラに自分を投影した、やりきれなさが滲み出ている。
才能に満ち満ちしていながら、虚子から疎まれてしまった。





 久ぶりのお裁縫。今から着れる夏のブラウスを縫った。毎年、シーズンの変わり目、去年は何を着ていたのか思う。流行は追わない。と言いながら。デパートへ行くと、自分ではとても縫うことの出来ないシルエットとか 手のこんだ服を買って帰っている。
 昨日作ったのは、普段着。家で着るとか、ちょとスーパーへの買物に。綿と麻50%づつ。
水でざぶざぶ洗って干せばすぐ乾くすぐれもの。夏はこんなのがあれば、重宝する。
私は、人が着ているのと同じは好きでない。何でも、手づくりした私だけのものが好き。
買うほうが簡単ですぐ間にあうのだが、いつも手づくりをしている。



今日が投句の締切だというのに、のんきにブログなんか。。。。

  しりとり俳句から
  💛   水槽の金魚見てゐる夜の病院

  💛   竿投げて白い雲釣る緑の日
 
  💛   まどろみにうからやからや麦の秋

  💛   虹に手を振りメリーゴーランド

                  
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たかが猫  されど猫

2015-06-09 10:55:59 | 俳句

   🐢  炬燵守る漬物石のやうな猫   

 いつも、三句投句 全没の中で、選に入った句。漬物石が良かったと自分では思う。
姫 が漬物石に見えた。まん丸に寝ている姿。首と尻尾を手と足に抱き込んで、まこと寝丸
っている。


姫 野良猫にやられた左足、触ると痛いのか まだ毛は抜けたままだ。

  ☆  猫の目がきらひだ   尾崎放哉 

 姫 いつも 人間を見透かしたような 目をしている。じろっと横目で私を一瞥 する。
なんと可愛げのない目。 姫 に限らず、猫のショップを覗くと たまに同じ種類のラグドールが売りに出されている。他の猫の目は 真ん丸で、本当に愛らしい。抱き上げて くちゃくちゃに頭をなでたい気がする。のだが、ラグは 姫 の目と同じ。ちらっと、こちらを見る。我 関せずの感じで しれっとしている。孤高さえ感じる。他の猫が (あたしを買って !
おうちに連れてって) と媚びを振りまいているのに ラグは (お前ら 勝手にしやがれ、オ ホホ ホホ )とせせら(笑)っているようだ。
しかし 姫 は愛しい、、、
私が 外出から帰る足音を聞きつけると、玄関先で待っている。目を覚ましている間は一時も私から離れようとしない。
旅に出る時 動物病院に預ける。
ご飯を食べないので、帰ったら好きな餌を与えて下さい。と言われる。置いておちおち旅行にも出れない。

 

   ★  色町や真昼ひそかに猫の恋   永井荷風

荷風ならではの恋の猫、色町に入りびたっていたから。

姫 は避妊手術していたから 女にも母にもなれなっかた。


  昨日のしりとり俳句 
   🎀   愛猫は闇をどこぞへ守宮狩り
 
   🎀   じゃじゃ馬娘素直に言えぬ薔薇が好き

   🎀   栗の花もくもくもくとよく匂ふ
      

               
          








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