お墓参りに行く。
年末の内に終わらせていけない気ががりの行事のひとつである。
お天気が崩れて、今年一番の寒気が入ってきた寒い日であった。
昨日は 新潟の糸魚川で大火があった。
天皇さまも、参賀の言葉の中で被害に遭った方にお見舞いをおっしゃっていた。
次から次へと、日本列島も自然災害、人的災害と続いて大変である。
山はおにぎりのような讃岐と違って、阿波に入ると少し深く高くなる。
帰りに峠道にさしかかると、急に時雨てきた。
💌 あれよあれ前山は雪時雨かな
前方に雲がわいたと思うやいなフロントガラスを霰が打ちだした。
💌 車打つ霰の音や峠越
色づいていた雑木紅葉の山がたちまち煙に隠れてしまう。
「おい、天気予報は雨が降ると云ってたか?」と夫。
「いいえ」
こんな会話を交わしながら、峠を越して讃岐に入ると、どんよりとした黒い雲は垂れさがっているが雨は降っていない。
我が家に近づくと青空が見える。
故郷の霰の洗礼を受けて、墓参りを終えた。
お墓で掃除をしたり、お参りをしている間は故郷の山 高越颪の強い風に立っているのがやっとだったけれど。
雨も霰も降っていなくて無事にお参りをすることができた。
💌 水漬きゐる冬田けぶれる高越山
💌 水漬く田に鴨の番の来てをりぬ
💌 産土の畑の黒々はうれん草
💌 大根畑立つてをれなひやうな風
💌 芒かるる大河の中洲ゆるぎなし
💌 山眠る谷底にうどん店並ぶ
💌 雪しぐれ飯なく菜だけ道の駅
💌 冬至梅「ゆ」と染め抜きの暖簾かな
💌 北風に供華散らばりてをれる墓所