「山笑う」 高橋順子
「山眠る」
「山笑う」
は俳句の季語である
それぞれ冬そして春
そして眠りから覚めて笑い出すのを見て歩いた
山は斑雪の光を日に返していた
山が薄目をあけて
かゆそうにしているところも
山が体毛をゆさゆさゆすっているのも見た
「山笑う中に鈴の音まじりけり」
これはわたしの駄句である
山が笑をおさめたころ
わたしどもは四国八十八ヶ所巡礼を結願して
大窪寺に最後の御札を納めた
杖は寺に納めずに家まで持ち帰った
あの世に行くときに使うつもりだが、そのときは
眠る川
笑う川
を一人たのしく越えてゆくのだ
「川眠る中を艪のない舟はゆく」
写真の山の奧に結願の大窪寺がある。
高橋順子の詩を今日は、たまたま目にした。
詩 はよく理解できない。
この詩にかぎれば、良く理解のできる詩である。
詩人の高橋は 俳句 も作る。
優れた俳人でもあると思っている。
才能のあるということは、発想が柔軟であるということ。羨ましいな。
💌 この私 この忙しき 極月に 詩を読むでいる 愚か者なる
俳句を作っていたのに字が余って三十一文字になってしまった。