老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

セーター      🐈

2016-12-26 10:44:00 | 俳句

      ☆    セウェターは悉く穴穴を着る    中原道夫
    
      

そうなんだ。セーターは穴で出来ているのだ。
セーターを毛糸で編んだ私にはこんなことに気がついていなかった。
「四季」の句を読んだとき、中原氏はいつも着物を颯爽と着こなしているので、たまにはセーターも着ることがあって、、などと解釈をした。
着物がトレードマークの中原氏。たまに書斎の掃除をご自分でやろうと、そんな時セーターに虫食いの穴があることに、、、、、。

掛け目をして二目一度。三目を一度して次は掛け目。
縄編み、透かし編み、色々な編みかたを連続して、きれいな模様編みのセーターとなる。
穴、穴があってそう穴がばかり。

中原氏の俳句。それを評する櫂氏。
セーターの穴に着目し、それを読んだ選者はくんだ意を飲み込み昇華させてゆく。
自分は時々大切なセーターに猫の爪がひっかって穴があいたり、収納の時に虫に食われたりいていることが往々にあるから、その視点で句を解釈した、おちょこちょいである。

       

今年、私が最も愛用をしているセーター。
深い紺色に水玉模様でが入り一と目で気に入って求めた。
カシミアで襟がとっくり、すこぶる暖かい。

        

後ろの肩と裾についている猫の編み込みが私を呼んでいた。
単純だな~。

     💌   セーターの胸で揺れをる万歩計

     💌   毛糸帽編みかけ刀自の召されたる
           投句をしたが没の句。月並み以外のなんでもしかない句。
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自慢 自慢

2016-12-25 15:54:39 | 俳句

お見舞いに行く。
いつも見舞われてばかりであるが、今日はお見舞いに。

     前身頃

初めての街であるから、お花屋さんに寄って病院への道を尋ねる。
買物に来ていた、私くらいの年齢の人に
「奥さん、素敵なお洋服ですね、、、、、、。」
何を言っているのか解らないので聞き返すと、
「着物のリメイクですか?綺麗ですね」
私の着ていた洋服のことを褒めて下さっている。
「ああ、これ私が作りました」
と答え、言葉を交わして道を教わった。

後身頃 

帰り、道の駅に寄って野菜を買う。
私と同年齢の二人連れの人が声をかけて下さる。
「奥さん、着物のリメイク 綺麗ね~。」とざっくばらんの口調で話かけてくる。
「有り難う、自分で縫ったのよ。」
「へ~上手だこと」
「趣味でぼちぼちとね」と云うと、もう一人の方が
「商売人泣かせだわ。商売あがったりになるわ」
正直に褒められたと受け取ろう。ちょっとお世辞も混ざっている言葉だけれど。

今日は二回も私の着ている物に興味をしめされて、お見舞いの方が思ったよりも元気だったこととで、帰り道は心が軽かった。
何年も前に縫ったリメイクの服も、着ないままにあるので、たまには袖をとおさなければ。


      🍒    オフィスの隅のゆりかご冬ぬくし

      🍒    蒟蒻と冬至餅買ふ山の駅
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見ちゃった見ちゃった

2016-12-24 15:02:57 | 俳句
      

面白い物を見つけた。
面白い?
鳥居じゃございませんか。
繁華街を歩いていると良く見かける鳥居です。
殿方が前のファスナーを開こうとして、はっとするあの鳥居と思います。

      

菜園にも並んでおりまする。
ワンコさまが散歩の途中、この畑を俺のテリトリーだと片足を持ち上げるのでしょうかね~。
この道は、畑や古い昔からの大きなお百姓さんの家のある、どちらかと云えば田園であります。
酔っ払いが屯するような場所には見えません。


      

道幅は4~5メートルでしょうか。・・・
しかし思い当たりました。失礼なことを申してごめんなさい_(._.)_

大なパチンコ屋さんがありまして、この市道を挟んで両脇に広い駐車場があります。
車が500台位は置けるようです。もっと?

シャーと畑に飛ばすお方がいるのかもしれません。
あくまで私の想像でございます。
店内には冷暖房完備のがございますでしょうが、道を挟んだ駐車場に、勝負を終えていざ家に帰る途中、もよおして、やってしまうのかもかも知れませんね。
野原は開放感があって良いと、そんなお方がおいでになるのかも。
そんな想像力を働かせてしまいました。御免あそばせ。


     💌    冬うらら塀に吊りある鳥居かな     迷句

     💌    天を知り地を知りをる雪婆
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今年のことは今年のうちに

2016-12-23 18:53:04 | 俳句
   

お墓参りに行く。
年末の内に終わらせていけない気ががりの行事のひとつである。
お天気が崩れて、今年一番の寒気が入ってきた寒い日であった。
昨日は 新潟の糸魚川で大火があった。
天皇さまも、参賀の言葉の中で被害に遭った方にお見舞いをおっしゃっていた。
次から次へと、日本列島も自然災害、人的災害と続いて大変である。

山はおにぎりのような讃岐と違って、阿波に入ると少し深く高くなる。

帰りに峠道にさしかかると、急に時雨てきた。

     💌    あれよあれ前山は雪時雨かな

  

前方に雲がわいたと思うやいなフロントガラスを霰が打ちだした。

     💌    車打つ霰の音や峠越


  

色づいていた雑木紅葉の山がたちまち煙に隠れてしまう。
「おい、天気予報は雨が降ると云ってたか?」と夫。
「いいえ」
こんな会話を交わしながら、峠を越して讃岐に入ると、どんよりとした黒い雲は垂れさがっているが雨は降っていない。
我が家に近づくと青空が見える。

故郷の霰の洗礼を受けて、墓参りを終えた。
お墓で掃除をしたり、お参りをしている間は故郷の山 高越颪の強い風に立っているのがやっとだったけれど。
雨も霰も降っていなくて無事にお参りをすることができた。


    

     💌    水漬きゐる冬田けぶれる高越山

     💌    水漬く田に鴨の番の来てをりぬ


    

    💌    産土の畑の黒々はうれん草

    💌    大根畑立つてをれなひやうな風

    💌    芒かるる大河の中洲ゆるぎなし

    💌    山眠る谷底にうどん店並ぶ

    💌    雪しぐれ飯なく菜だけ道の駅

    💌    冬至梅「ゆ」と染め抜きの暖簾かな

    💌    北風に供華散らばりてをれる墓所


    
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昔をふりかえってばかりだ~ 🐑

2016-12-22 17:25:43 | 俳句
    

茱萸が塀の外に垂れさがっているのを黙って失敬をした。
(泥棒か?)
五~六粒いただいて口の中にほうり込む。
ひと噛みすると、口中に甘酸っぱい味が漂う。
舌で転がし種を取り出して味わう。味わうほどもないけれど。
5ミリくらいの大きさの実。南天の実の大きさかしらね。
朱色に黒味がかかっている。
子供の頃に食べた味だ。何十年も昔の味だ。想い出が一杯つまった味だ。
これを食べて、お腹の足しにしたのとは違う。
最後に渋みが口の中に数秒間残る。記憶のとおりだ。
おままごと、川原へあそびに行った帰りに採った河原茱萸のこと。

時々、山の辺の道を歩いていて、先だって海岸の崖で見つけた茱萸。
この家の茱萸は今まで見た茱萸の中で一番に綺麗だ。
普通、もっと大きい粒の茱萸を夏には良く見かける。
この茱萸は私の知識として河原茱萸の仲間だと思う。

歳時記を調べていると「霜茱萸」があった。
まさに、今はその霜の季節。「霜茱萸」だ。
夏茱萸はもっと俳人は諾っていることだろう。
秋茱萸は理解をしていたが初めて「霜茱萸」なる季語のあることを今日知った。
最近の子供は、ガーデニングで母さんが植えている綺麗な実の木だと思うのかしら。

    ☆   人棲みし名残りの茱萸の島に熟れ    上村占魚

> そんな景色に茱萸はぴったり。


    💌   あたたかな日和霜茱萸塀に揺れ

    💌   霜茱萸や団扇太鼓の洩れく家

    💌   老の講釈聞こゆ凧

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