Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

リビア革命雑感

2011-10-23 22:29:00 | インポート
まだ日中は、10月下旬とは思えぬ高い気温が続く当地名古屋であります。今週より月末にかけ、平年並みに下がるとの予報が出てはいますが、天気の変わり目は必ずと言って良い程荒れ模様になる事と共に、昨今の気象の困った一面を見る思いがしているのも事実。特に気候の変動は、我々の食生活を左右する農産物の出来にも大きく影響するだけに、こうした様子は注意して見て参る必要もあるかと心得ます。

さて先日、彼方のアフリカ大陸にては、大きな政変がありました。地中海沿いのリビア国にて、ほぼ40年間に亘り続いたM・A・カダフィ大佐による独裁政権が倒れ、国民評議会による暫定政権を樹立して、積年の国民的悲願だった民主化への一歩を踏み出す事となりました。

カダフィ大佐は、1969=昭和44年に当時王政であったリビア国にて軍事クーデターを敢行して政権に就き、以後約40余年に亘り同国の事実上の元首として君臨したのはご存じの通り。イスラム社会主義を標榜して自由権の盟主 米合衆国と長らく対立し、1988=昭和63年に英国近郊にて多数の犠牲を生じた米国旅客機爆破事件など、複数の国際テロ事件を後方で主導した疑いが持たれ、国際刑事裁判所よりは、逮捕状も出されていた模様。近年は欧米に歩み寄る姿勢も見せてはいたが、強硬な独裁的姿勢は最後まで変わらなかったとの指摘があるのも事実です。

同大佐の最期は銃撃戦に巻き込まれたものであるとの見方と、拘束後に反対勢力に射殺されたとの見方があり、これまでの反国際社会的な方向性を顧みれば前者である事を信じたいが、仮に後者の線であれば、政権奪取時のクーデターを無血にて成功させた事もあって、国際法に抵触する報復殺害の疑いが捨て切れず、関係者の罪責が問われる可能性もあるでしょう。

ただ、それにしても、カダフィ大佐落命のきっかけを作ったのは北大西洋条約機構=NATO軍による空爆の結果であり、その行動が事前の周到な情報戦略によるものである事を考えれば、同大佐の移動中を意図的に狙ったものである事は明白であり、調査の意向を明らかにしている国際連合の説得力にも疑問符がつくのでは?と私は見ています。

振り返ってみれば、此度のリビア政変を人道人権の見地よりもっともらしく批判している欧米諸国だって、17~18世紀の市民革命や独立戦争の頃には、これ位の流血事態を生じて来ている訳で、20世紀に入って整備されたジュネーブ条約などの人道に配慮したとされる国際法規の整備にしたって、欧米の都合が優先されている嫌いが付き纏っているのです。
リビアはイスラム国である以上、欧米の価値基準にて内政を云々するのは無理がある。それは先の大戦後に我国の戦後処理を強行した東京裁判こと極東国際軍事裁判のあり様とも通低する所がある様に感じる。我々は、この問題に関しては、そこの所を良く留意して議論をしなければならないと強く思います。

もう一つ、絶対に見落とせないのがリビア国のエネルギー資源の問題。
聞いた話では、リビア産の原油は世界屈指の良質の由。精製に有利な軽質油でガソリンや灯油の含有量が多く、欧米などの大消費国にとっては、垂涎の的の由。国連による監視なる美名の下、欧米による軍事介入の本当の理由がこれだと言われる。因みに我国が輸入・・・と言うより買わされているアラビア半島産は、精製に困難が伴う重油やタール分の多い重質油。しかも、紛争の多い地域が主と言うリスクを伴ってもいるのです。当然、欧米向けより割高となり、外交面の弱さがこうしたエネルギー買付の面にも露呈している訳ですね。

カダフィ大佐亡き後のリビア国は、前述の国民評議会の主導による民主化路線を進む事となろうが、歴史的に複数の部族が長らく対立を続けた難しい面もある。これらの問題をどう克服し、安定した統一国家を維持して行くのかが、これからの課題でありましょう。基幹産業たるエネルギー輸出も、適切な運営がされなければならない。
同じ石油資源の需要国として、又、曲がりなりにも長らく国内外の平和を維持して来れた我国として、これからの同国の力になれる所は本当はあるのでしょうが、今の民主党政権の迷走気味の体たらくを見ていると、それも難しいのかなと思ってしまいます。暫くは、リビア国のこれからを遠巻きに見守りながら、大災害にも見舞われた我国内の建て直しに専念するしかないのかも知れません。

P.S 今回記事は、初め主な趣旨を拙ブログ「トイレの雑記帳」に載せる予定でしたが、提供者都合によりブログ記事掲載が現在不能な状況の為、やむを得ず拙日記に載せました事を申し添えておきます。*(日本)*
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