米本国時間の昨日早朝、日本時間同日午後、米合衆国第45代大統領に、同国屈指の財界人 D・トランプさんが選出された。まずは、一言祝意を表したい。対日影響がどう表れるか未知数の所もあるが、暫くは、注意しながらトランプ次期政権の動向を理解し把握の上、我国の対応を決めて行くのが良いのではと心得る。
とは言え、経済、外交安保のいずれにも、相応の影響があるだろう。次期大統領自身も見解を表されているが、米合衆国内経済の再建と、較差の緩和が喫緊の課題にして公約だ。一定の保護貿易や、移民の制限など、大胆な手法を動員してでも、公約実現へと動く可能性が大きくあるだろう。後述する外交安保の面でもそうだが、最も密接な関係である国だけに、我国側では、変化の衝撃をできるだけ小さく抑える必要があろう。所謂「ソフト・ランディング」を目指すべく、選出前は殆どなかったとされる意思疎通を短時間に可能とし、政策面のすり合わせを急ぐ必要があるだろう。今日にも衆院採決予定の、環太平洋経済連携協定TPPの実施にも、前述の理由で消極的とされ、我国もそれを受け、法制化を保留した方が良くはないか。一定は時間をかけ、新しい日米の経済関係を調整した方が良い様な気もするのだが。
外交安保の面も、トランプ次期政権向けの、十分な説明が必要だろう。在日米軍の駐留費用上乗せを、更に求める意向の様だが、沖縄の基地負担や、我国側の基本負担分に上乗せされる、所謂「思いやり予算」の執行などを分り易く説明の上、理解を求める必要があろう。トランプ次期大統領は、政治家や職業軍人のキャリアこそないが、多くの米国民が夢見ると言われる、最も成功した財界人であり、その事から、人心を的確に掴み、大勢を的確に動かすセンスは磨かれている可能性が大きくある。粗っぽい言動が目立つ嫌いがあるのは事実だが、それだけに、見方を変えれば裏表の少ない人柄も窺えるのではないだろうか。事実だけを伝え、要点を集約した明快な説明を心がければ、必ず我国の「今」についての深い理解が得られるはずではと心得る。
トランプ次期政権の成立は、安保面で、我国の真の自立を考える好機ともなり得る。前大阪府知事で前大阪市長の橋下 徹さんも指摘された事だが、昨年の安保法制の諸問題に続き、米合衆国の西太平洋地域における軍事的影響力・プレゼンスの低下もやむなしとする同次期政権に対し、我国は、真の同盟国として、最低限すべき事、できる事、できない事をよく検証吟味して、平素から少しでも円滑な連携ができる様、協力関係を築く好い機会であるかも知れない。勿論、独立国として一定の自衛力の保有整備は当然であり、それは三自衛隊によって一定実現した。これからは、それを足掛かりに、自衛の範囲を逸脱しない所でどう協力して行くかを、深いレベルで話し合って行くステージに入ったと心得る。トランプ次期大統領は、そう言うキャッチ・ボールを期待されているはずだ。
残念ながら、民進を初めとする既成野党とエセ平和・お花畑勢力に、こうした対話を進める才覚や力量は見当たらない。言いたい事は言わせておけば良い。維新、日本のこころなど、良識ある野党の助言と問題提起を受けながら、少しでも分り易い日米関係の構築を、是非お願いしたい所だ。今回画像は、群馬県下で捉えた、北陸新幹線仕様の高速列車 E7系。今秋は、念願だった東北地方からの直通運転も果たし、不定期ながらも、これまでより広い、東日本の交流の活発化が期待される所です。