Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

「平成の大合併」に関する日弁連調査への疑問

2019-11-10 13:08:12 | 国際・政治

先般の 東南アジア諸国連合拡大会合に際し持たれた日韓非公式会談の席を、韓国当局が我国側に無断で撮影、SNSにも公表した事が問題視されている様だ。当然抗議すべきだし、そうしたものと心得る。「冬の時代」の日韓関係改善努力は当然必要も、非公式とはいえ会談の模様を画像に録り公表するなら、当然に事前通告など所定の処置を経なければならないはずだ。それを実行しなかった韓国側の非礼は指弾されると共に、今後の改善努力にも水を射しかねない事を申し上げておくとしよう。

本題です。文 在寅(むん・じぇいん)韓国大統領の特技の一つが「蒸し返し」らしいが、この技にかけては我国の日本弁護士連合会も負けてはいないらしい。去る 11/6付で同会より、所謂「平成の大合併」と総称される地方町村地域の人口動態に関する調査が表されたが、それにつき 拙方は些かの疑念を覚えたので一言申し上げたく思う。

対象期間は、概ね 1999=平成11年から 2010=同22年にかけ、前述の市町村合併中 人口が概ね 4000人未満の旧町村地域について、合併はせず単独自治体として存続の選択をした町村に比べ、合併へと進んだ旧町村地域は人口減が加速する傾向にあるとしたもの。行政機関の統合が 商店や事業所の閉鎖を招く地域衰退を招く影響があったとするものだが、いかにも問題にするのが遅過ぎる印象を抱いたのは拙者だけか。

調査手法は、合併した旧町村と存続町村を組み合わせ、原則 2005=平成17年から 2015=同27年にかけての国勢調査人口の減少率を比較したとされる。双方共 2000=平成12年時点で人口が 4000人かそれ未満で距離が近く、産業構造などが類似するのが条件。これを満たした 47組中 43組で合併した旧町村の方が減少率が高かった由。「平成の大合併」当初は小規模町村間に「合併しないと財政が立ち行かなくなる」との危機感が共有され、合併推進の一原動力となったが、この間の当該 47町村の「積立金」は(財政健全化など公共事業費などを節減した結果) 2005=平成17年度の計約 518億円から 2015=同27年度に計約 1010億円に増え、云わば合併の一部に無理があった為に住民サービス低下などの基本的人権に関わる弊害が疑われる為 調査に及んだとされる。

この調査の報を聞いて、拙者は一抹の疑念を余儀なくされた。確かに平成中期には地方の市町村合併が相次ぎ、日弁連主張の弊害が一定はあった様なのも事実だが、この動きは実は昭和末期から続く行政改革の流れを汲むものだ。法曹の専門家集団たる日弁連程の組織なら そうした繋がりが理解把握できぬはずはなく、そうであれば何故 行政改革着手の初期段階で「地方の衰退を招く」として強い反対の意向を表さなかったのか。既に平成初期から行政窓口統合などによる利便性低下などの弊害は一部で生じ始めており「何を今頃?」の感がどうしても拭えない所だ。

先日、この事を報じた拙地元紙 C新聞は、更に有識者各位二名のご見解を紹介していたので、以下に載せておく。

「活性化へ圏域で協働を」(by 横道清孝・政策研究大学院大副学長)

市町村合併で 行政規模の拡大や広域的な街づくりが進めば、周辺部が廃れて中心部だけが活気づくとの懸念は当初からあった。ただ 大事なのはこれからどうするかだ。人口減と少子高齢化が進行し、市町村の財政も厳しさを増している。10年、20年後を見据えると、合併まで至らなくても 行政サービスの維持や地域活性化の為には、一定程度まとまった圏域で協働する事を考えるべき時期に入っている。

「合併後の分割、柔軟に」(by 池上洋通・自治体問題研究所員)

合併した旧町村の地域で人口が減少しているのは、安定的な雇用の場だった行政機関などがなくなり、若年層にとって将来設計が難しくなっているのが最大の要因だ。最初から予想されていた事で 今後は合併市町村の再分割などをもっと柔軟にできる様な仕組みを検討して欲しい。複数の市町村で構成する「圏域」を新たな行政主体として法制化する構想も 合併と似た問題を孕んでおり、今回の調査結果をよく検証して見直すべきだ。

お二方中、拙者はもうお分かりの様に、前者を支持するものだ。あくまで「反対意見」として挙げた後者が前向きに取り上げられるのは、当該自治体が社会経済や人口対策など単独で健全な運営見通しを立て得た場合に限られ(多分 前述の日弁連調査中、人口減を起こさなかった 4例の多くがこの当該だろう)、今は「積立金」に一定の余裕があれど、今後「本当に」国・地方共通の財政危機が本格化すれば「圏域」構想も法制化へ向け本腰が入れられなければならない。

で、ここで本当に問題視すべきは前述動態調査をした日弁連が、前述の有識者各位のご見解とどれ位真摯に向き合っているかが問われる事だろう。そもそも 最早調査が行われた時期に、我国の総人口は減少局面に入っていたのである。日弁連はこの事実と真摯に向き合っていない節が感じられ、そこから「積立金」のデータにしても、直ちに信憑性があるのか?疑念が過る。与党議員が知人の婚礼出席の折「是非子供を~」の言動には確かに行き過ぎも感じはするが、対極に立つ日弁連は「結婚は個人の自己決定の問題」なる殻から一歩も抜け出せない事だろう。それへの言及も「基本的人権」なる乗り越えられない壁があるからだ。否、自勢力で勝手に建てた壁かも知れないが。

地方自治体の地位低下の問題にしても、最も大事なのは納税人口をどの様にして維持、できれば増加させて行く事を模索し施策を打っていく事と それに関する有意義な提言のはずだが、問題提起だけの日弁連の現状姿勢からは、一向にそれらが見えて来ない。こんな事では国会で折々議事妨害を図り騒ぎ立てる特定野党の不良議員連中と大差ないものと心得るがどうだろう。今回画像は、今秋訪れた新潟県境に近い福島・西会津の「実りの秋」の記憶を。通る線路は JR磐越西線。冬場以外の主な土休日には、本当に蒸機の雄姿も拝む事ができます。

コメント (2)
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