折も悪しく、全国の大学受験時期の始まりに 中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症第 6波が顕在化してきた様だ。速報によると、東京都で 4000人台、大阪府で 3000人超、当地愛知で 1500人に迫る新規感染が認められた由。昨年暮れの南アフリカ辺りが由来とされる オミクロン変異型の台頭による所が大きい様だが、理由はそれだけではなさそうだ。
やはり今季は厳冬という事もあって 屋内の換気が行き届き難い事、年末年始や成人式と重なり 大人数の会合が多く持たれ易かった事、又 以前よりは PCRや抗体などの検査頻度が向上した事なども背景の様だ。新変異オミクロン型ウィルスは、直前流行のデルタ変異型に比しても数倍の感染力を有するとかで 極めて広まり易い反面、人命を左右する様なリスクはやや下回るのではないかとの見方もある。デルタ型までが 肺へのダメージを及ぼしがちだったのに比べ、オミクロン型は鼻や喉辺りに症状が留まる事が多いとの報告による様だ。
とはいえ 高齢世代や基礎疾患のある各位への脅威はそう低下しているとも思えず、少なくとも 開始された第 3回ワクチン接種が済むまでは手洗いやマスク着用メインの基本対策を継続して実行すべきという事だろう。
社会的な影響も留意の必要があろう。今朝なども 東京大学の至近で刃傷事件が発生、受験生を含む 3人の重軽傷者を生じたとか。一言のお見舞いを申すと共に 狂わされただろう受験日程が救済される事を祈りたいが、犯行の挙に出た容疑者も又 受験生だったらしい報が、この事件の背景に前述感染症問題が横たわっているらしい事を想像させるのだ。勿論、犯行に関する処分は厳正に行われるべきだが。
前置きが長くなったというより そのまま本題に入る様な恰好だが、今国会で改正が見送られた感染症法には 症状の危険度に応じて段階を設け対応する規定が設けられている。前述感染症は現状 結核などと並んで上から 2番目に危険度の高い「2類」の扱いだ。対応できる病院初め医療機関が限られていた事から、昨年の第 5波までは 医療危機を生じ易かったとされる反面、治療などは原則全額公費負担で行える所もある。
今回主流のオミクロン変異型ウィルスは、こういう捉え方は慎重を期すべきは分かるが 以前よりは人命への脅威が低下したとの指摘もある。それに関連して 話自体は以前からあったのだが、前述感染症の危険度を見直し、毎冬流行る季節性インフルエンザと同等の「5類」への変更を求める論調も強くある様だ。拙者もこの主張は、条件付で耳を傾けたく思う者だ。
岸田総理はこの問題につき、当然ながら慎重姿勢。表向きは「第 6波が押し寄せている今は、議論すべき事ではない」の立場。それは一方でもっともだが、中国大陸などがさんざ躍起になっても叶わない「ゼロコロナ」志向は最早無理が分かっている。やはり目指すべきは「ウィズコロナ」志向だろう。遅れている第 3回ワクチン接種を少しでも加速すると共に 経口型薬剤を含む治療技術をより広く整備し「もし病気に罹っても、こうすれば良い」方法、つまり治る為のロード・マップを明らかにすれば 国民的不安は和らぐし、傷んだ経済の復興にもより力強い道が開けよう。
詳しくは末尾の関連記事に譲るが、もう暫く様子見の必要を認めるとしても 新型感染症の致死率、重症化率の減少傾向が掴めた所で 感染症法上の扱いも、危険度の規定を緩和しても良いのではないか。勿論 費用負担の問題が付き纏う事も理解する。前述感染症の法的位置づけが「2類」から「5類」に変わると、感染各位の費用面で一部自己負担を要する事となるからである。しかしながら、全額公費の「2類」にしても、後日健康保険料の引き上げ要因となる事は明白で「結局同じ」ではないだろうか。
厚生労働省がこの見直しに及び腰なのは、結局 医療面で自己負担を伴う様になる為、国政選挙で与党側に不利になるからとの見方もある様だ。「聞く力」を標榜の一方で どうもここ一番の決断力に欠ける印象もある岸田政権だが、だとすれば 今夏予定参院選の結果をみての見直しも有り得るという事か。先日の記者会見では、岸田総理も将来的な見直しに否定的ではない様だ。ただ 前述感染症の社会経済へのダメージは、一日も早い修復を目指さなければならない。その為の見直し準備は急がれるべきと愚考するがどうか。今回画像は再掲にて失礼。昨年暮れ 当地北郊の清須市内で見かけた、JR中央線貨物便向け次期電気機関車の試験風景を。新車とは参らない様ですが。以下に 関連記事をリンク致します。(デイリー新潮 1/7付) 「オミクロン株」感染者急増中 2類相当をインフルエンザと同じ5類相当に引き下げるのはいつか(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース