陸奥爆沈
2009-11-16 | 読書
昭和18年6月、瀬戸内海桂島沖(山口県周防大島の東側)の海底に沈んだ戦艦「陸奥」。
「陸奥」の火薬庫爆発事故原因は当初火薬、砲弾の自然発火とされながらも、実はある乗組員による放火の疑いが濃厚になる…
日清戦争の黄海海戦、日露戦争の日本海海戦など圧倒的勝利をおさめた日本海軍。
そうした輝かしい栄光につつまれた日本海軍が、相つぐ乗組員の行為による艦艇の爆沈、火薬庫火災の発生は乗組員の質の低劣さから発したもので、威信に満ちた日本海軍を失墜させるものでした。
軍隊という厳然たる階級組織が幹部と下部の人間関係を歪め、組織そのものを滅ぼす可能性があることを示した作品である…と思うのでした。