ホテルの朝飯は殆どのところがバイキングという名の人件費節約システムで、好きなものを気楽に食えるという利点はあるけれど、まずろくなものはない。
ウィンナーソーセージを煮たやつ。
スクランブルエッグ、ベーコン、どこからか出来合いのを仕入れてきた煮物やキンピラごぼうみたいなやつ。
マカロニとポテトサラダ。
さらには焼きそばなんていうのが並んでいたりする。
あとは納豆に海苔。
これらは毎朝同じものが出されるのだから、みんな大量ストック品と思っていい。
ドックフードとたいして変わらないのだ。
洋と和に分かれていて、パンはともかく和食の大きな炊飯器とみそ汁の入った寸胴鍋が、メインレストランのインテリアや気配に全く合わない。
炊飯器の横のところのしゃもじを入れるしゃもじ受けみたいなところに水が入っていて、底に水浸しのご飯。
まわりにはご飯粒が飛び散っていたりする。
そのとなりのみそ汁は、香りなど微塵もない単なる色つき湯。
たいていすでに椀の中に具が入っているが、小さな麩とワカメだ。
バイキングだから、それらは自分でとってきた自己責任モノなんだけど、つまりそんなのしかないのだ。
ホテルのこの朝食バイキングには大抵「食事券」というものがあって、入り口のところに門番面として立ちふさがり、この食事券なきものは一切通さず、のような男がかなりの率でいる。
まるで昔の関所みたい。
今では外国人観光客が2000万人を超えるらしい。
2年後の東京オリンピックにはさらに観光客が増えると思われるが、入国する外国人にとってこのバイキングの朝飯はどう映るのだろう。
国によって朝飯のスタイルはそれぞれかなぁ。
そこで日本貧弱朝食の改革案。
うまい炊きたてご飯に季節の具の沢山入ったみそ汁。
これだけで随分印象は違うだろう。
そしてメイン料理は一品、魚でも山菜でもその土地でその季節にとれたものを素材に作ってもらえればいい。
美保神社門前のお土産屋さんのイカの一夜干し
物干しざおにイカなんか、ここでしか味わえない御馳走だと思うけどなぁ。
朝どれの海産物、畑堀しなむしりとり野菜って絶対美味いに決まってるしね。
全国共通の味つけベタベタ海苔や、固形燃料点火式湯豆腐などはもういらない。
ホテル旅館戦国時代を生き残るために、是非考えてもらいたいものである。