普段あまり西洋料理というのにはご縁がないが、結婚式なんかに招待されると本格的西洋料理なんかに遭遇する。
左右にいろいろ形状の違うナイフやフォークが並び、すでにその種類と数で「どーだ」と圧倒してくる。
やがてうやうやしく前菜的なものが出てくるが、それなりに西洋料理の作法らしきものを緊張意識しながら、味もよくわからないまま食ってしまう場合が多い。
ナイフとフォークの使い方に慣れていないから、本格的な西洋料理(フランスあたりのお方が食べる)は食べ方が難しい。
全体のルールとしては、皿などの容器を持ち上げて食わないことだろう。
あくまでナイフとフォークでまとめ、口にもってこなければならない。
難行苦行、楽しくも美味しくもない。
後ろでは黒服のウェーターが、何か白い布を腕にさげてじっと監視してるから、恥ずかしいことはできない。
まだ食い途中のサインとか残してフィニッシュのサインはフォークの置き方で決まっている。
間違えて置いてしまうと、まだ食おうと楽しみにとっておいた皿を持っていかれてしまう。
ああ、しかしこれはいったい何なんだ~。
本当に美味いのは、かつ丼の左手握りのワシワシ食いなのだ。
出雲とんから亭のかつ丼
かつ丼が蓋つきの器で現れ、蓋を開ける前に割りばしをパチンと割り、左手でがっちりつかみ、いっときもドンブリをテーブルの上におかずガシガシ食う。
決して上品な食べ方ではないが、その一心不乱は人の心を打つものがある。
これぞ本物のかつ丼の食い方だ