ある統計によると、料理の付け合わせとして出てくるパセリを食べない人は八割を超えるという。
ほとんどの人が食べないのだ。
パセリは出てくるだけ。
チラッと見られるだけ。
いや、チラッとさえ見ない人もいるような気がする。
最初から「これは食べない」と決めている人と、「食べようか食べまいか迷って結局食べない」という人。
アタクシはこれまでずっと「迷う人」で、これから先も「結局食べない人」でいるような気がする。
スーパーの刺身のパックに入っている黄色い菊の花。
あれを食べようか、食べまいか迷う人はいない。
あれは食べないもの、という認識をみんなが持っている。
ところがパセリは明らかに食べられる付け合わせである。
しかも緑黄色野菜として、ビタミン、鉄、カロチンが豊富に含まれる。
食べたほうがいいに決まっている。
だけど八割の人が食べない。
たま~に迷いに迷ったあげく手を出すこともあるのだが、食べてみるとしみじみ不味い。
青臭いし苦い。
それに悪い噂もある。
店によっては客の残したパセリを捨てないで、使い回しをしているという噂である。
パセリ自身は悪いことはひとつもなく、悪いのは店のほうだが結局罪はパセリが負うことになる。
パセリは料理界の中では、付け合わせという位置にある。
ハンバーグの横にいても、オムレツの横にいても、海老フライの横にいても、見映えは素晴らしい。
パセリのないハンバーグ、パセリのないオムレツ、パセリのない海老フライを考えればそのことがよくわかる。
だが結局パセリは捨てられる。
食べ物でありながら、食べてくれる人がいない哀れ。
付け合わせでありながら、チラッとも見てもらえない孤独。
刺身に添えられる黄色い菊のように、はっきり食べないもののほうに区別されていればどんなに心が安らいでいただろうか。
だが、二割の人は食べてくれているのだ。
そこで思った。
パセリはもっぱらみじん切りで活躍すればいいのだ。
葉っぱのままでは抵抗あっても、みじん切りなら姿を変え忍者のように、いい仕事するんじゃないかい。
卵料理や焼きそば系、サンドイッチ系などには合いそうだ。
イタリアンや西洋料理でも活躍しそう。
ありのままの姿より、みじん切りのように姿かたちを変えたほうが、いい味をだすパセリかな…
がんばれパセリ
などと思うのであります。