ラーメン屋でラーメンを食べる。
どんどん食べていって、チャーシューもメンマも食べ、麺も一本残さず食べ終わる。
これで終わりと箸を置く。
そのとき、ラーメン丼の底にスープが少し残る。
ラーメン丼の底から2センチ、あるいは3センチ、スープを残してたいていの人は箸を置く。
自分はなぜこのようにわずかな量のスープを残したのか。
自問自答してもなかなか答えが出てこない。
いつもスープを全部飲み干したいと思っているわけではない。
いつも程よいところで箸を置きたいと思っている。
丼の底3センチぐらいのところになって、ここでやめよう。
そう思って箸を置きかけ、スープの表面を何となく見つめているうちに、もう一口いくか、と思い直してもう一口飲む。
なんてことはしばしば
もう一口飲んで気が済み、椅子から立ち上がりかけ座りなおしてもう一口。
なんてこともしょっちゅう。
ラーメンはカウンターに並んで食べることが多く、隣の人の食べっぷりがよく見える。
「隣のオッサン、スープを全部飲んじまった」
と思われるのが嫌。
世間はラーメンのスープを一滴残さず飲んじまった人をどう評価するか。
もったいない精神の立派な紳士、とは見ないと思う。
ひもじい人、卑しい人、はしたない人、そんな見方をする。
スープを少し残したほうが世間的に無難かな。
などと思うのでした。