はなこのアンテナ@無知の知

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『ダイ・ハード4.0』余聞(少々ネタバレあり)

2007年07月08日 | 映画(2007-08年公開)


(1)邦題と原題の違い

 ご存知かもしれないが、『DIE HARD 4.0』は邦題。原題は"LIVE FREE OR DIE HARD"である。

 邦題と原題が違うのはよくあること。たまたま見つけた記事~J-CASTテレビウォッチ日曜コラム~によれば、今回の原題は、独立戦争時代にまで遡る有名な演説の一節で、米ニュー・ハンプシャー州のスローガンでもある"LIVE FREE OR DIE"(自由に生きるか、さもなくば死ぬか)をもじったものらしい。だから米国人なら、このタイトルに思わずニヤリとするのだろうか?

 しかし米国人ならともかく、日本人には馴染みのない(と言うより米国以外の国々全てにとって馴染みが薄い?)言い回しだから、今回はよりシンプルで分かり易い邦題をつけたということなのか?確かに『DIE HARD 4.0』の方が、本作がシリーズ4作目、しかも”.0”を付加することでサイバーネタであることを暗示させて、多くの日本人に理解され易いと思う。タイトルの違いの裏に隠された文化的差異?を知るのも楽しいものだね。

 ところが、Rainy Londonさんのブログによれば、英国ロンドンでも『Die Hard 4.0』というタイトルで上映されているらしい。と言うことは、『LIVE FREE~』は米国内限定のタイトルで、米国を除く全世界では『ダイ・ハード4.0』で通っているということなのだろうか?その方が論理的には納得の行くオチのような気がする。

(2)決めゼリフの謎

「イーピーカイエー くそったれ」
 “Yipee-yi-yea... mother-fucker.”

 
 シリーズを通じて登場する決めゼリフ「イーピーカイエー」が気になって調べたら、以下のサイトに解説があった(綴りと実際の発音に多少違いがあるが、ブルースは確かに”カイエー”と言っている)

 カウボーイの雄叫びのようなもので、ウエスタンショーでよく耳にする言葉なんだとか。特に意味はないらしい。

 第一作で相手に時代遅れの「カウボーイ」呼ばわりをされたジョンがすかさず「イーピーカイエー くそったれ」と切り返したのが、そもそもの始まり…その後の作品の、どの場面で登場するのか、注視してみるのも面白いかも(笑)。

■参考サイト:MEDIA GUN DATABASE(サイトの性格上、ウチのセキュリティソフトに引っ掛かって、リンクできない。興味のある方はググってみてください)

(3)ネーミングの面白さ

 意外なことに、息子の友人の間では『ダイ・ハード 4.0』は話題になっていないらしい。過去のシリーズ作品を見たことのない子が多いそうだ。そう言えばどこかの記事で、「リアルタイムでシリーズ作品を見て来た中年層に人気」ともあったな。私は夫婦50割引で夫とも共に一足先に先行ロードショーを見たのだが、期末テストを終えた息子が見たい(友達を誘ったが、「興味ない」と断られたらしい。それぐらい説得できんのか。まったく…)と言うので、私と夫はマイレージ・ポイントを利用して息子に付き合った。2度目の鑑賞で気付いたこと。それは主な登場人物の名前の符号的一致である。

 なんだ、聖書にまつわる名前のオンパレードではないか?特にジョン(ヨハネ)マット(マシュー→マタイ)ルーシー(ルカの女性名) は、イエスの生涯とその教えを記した福音書記者である。もうひとりのマルコの名前が見当たらないが、もしかしてFBIの副局長ボウマンのファーストネームがマーク(マルコ)かも(笑)。

 敵役のガブリエルのファーストネームはトマス。12使徒のひとりである。イエスの弟子の中では疑り深く、的外れな言動が目立った人物(ファミリーネームのガブリエルは天使の名前だね。所詮、主役にはなれないということか?)対してジョン(ヨハネ)はイエスに最も愛された弟子と言われる。フランスなどは日本のように自由に子供の名前を付けることは許されず(日本は自由過ぎて少々困った事態になっているけれど)、聖人や偉人の名前が殆どらしい。そう言えば、芸術家の名前もやたらとジャン=バティスト(洗礼者ヨハネの意)が多い印象。

 それぞれの役名は単純に聖書にまつわる名前をあてがったのではなく、多少なりとも役名によって各々の性格づけがなされたのだろうか?そう考えて見てみると、また面白いかもしれない。
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