はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

最近、本当に外国人旅行者が多くなった!

2014年07月04日 | はなこのMEMO
昨日は上野に行った。上野恩賜公園は美術館・博物館等の集積地なので、とにかく普段から外国人観光客の姿を多く目にする。

さて、高台に位置する公園から、共にボランティアを務める方とふたり、エレベーターで地上に向かって降りていたところ、途中階から、白人の親子4人が乗り込んで来た。

レディーファーストのお国の方々とお見受けした。案の定、1階に到着すると、奥さんとお嬢さんを先に下ろし、お父さんと息子さんはエレベーターに乗ったまま、操作盤の前に立っている私の方を見ている。お国の習慣に従って、私にもレディーファーストを実践したいのだろう。

しかし、ここは日本である。私は構わず「After you」と言って、二人に先に降りるよう促した。すると一瞬、「本当に先に降りて良いのか?」とでも言いたげな戸惑った表情を二人は見せたものの、「Thank you」と言って、最後は笑顔で降りて行った。

世界はとかく分かり易い指標として女性の国会議員や上場企業役員の数を取り上げ、その少なさから日本のことを、「先進国でありながら、女性の社会的地位が低い」と決めつけ、奇異の目で見るけれど、現代日本における男女の力関係は、そう単純な話ではない。こと家庭においては、一見、女性が男性に傅(かしず)いているようだが、その実、権力を握っているのは女性であり、男性は女性の掌で転がされていることが多い。

学校での女子生徒と男子生徒との関係を見ても、さまざまな場面で、女子の方が舌鋒鋭く男子を言い負かしているように見える(実際、美術館にSGTで来る子ども達も、そんな感じだ)。草食男子と揶揄される男子は、強気な女子の言いなりに近い(笑)。

もしかしたら、私がエレベーターでした行為を、「また、日本がレディーファーストを知らない野蛮な国と思われてしまう」と心配する向きもあるかもしれない。

しかし、重ねて言う。ここは日本である。レディファーストは必ずしも世界標準ではないし、(かつて、何かの本でレディーファーストは、元々カウボーイ文化における男性優位、男性性を表明する手段であり、必ずしも女性を尊重する主旨の行為ではなかった、との記述も目にしたことがある) 。外国人がせっかく日本に来てくれたのだから、変に気を遣って相手の文化に合わせるより、日本流の"おもてなし"をするのが、結局、異文化理解に繋がるのではないか?その際、相手にも理解できる言葉での説明があった方が、より親切なのかもしれないけれど。

とにかく最近、外出先で本当に多くの外国人に出会うので、困っている様子を見かけたら、私は自分の英語力の拙さも忘れて、気軽に話かけている(まあ、そうすることで、自分の力不足を思い知らされ、英語の勉強にも身が入るものだ)

そして、英語で話かけてみると、国籍・性別・年代に関係なく、外国人旅行者のほぼ全員が、英語を普通に話すことに驚く。海外旅行をする位だから、自国に留まっている人より好奇心が旺盛で、学習意欲が高く、ある程度の生活レベルの層が、旅行者として来日しているのだと思うが、一見すると、「このお兄ちゃん、英語通じるかな?」と思うような人(←Tシャツに短パン、草履履きと、あまりにも服装がラフなので)まで、流ちょうにしゃべるので侮れない。

昨日も東京駅で、ホームに到着した電車から降りた二人のアジア系の男性(会話を聞くと中国人だった)が、すぐまた私の後ろに並んだので、不思議に思い話かけたところ、「○○に食事に行くつもり」と答えた。だったら最少から逆方向の電車に乗れば良かったのにと思ったのだが、後で、自分の過去の海外旅行のことを思い出し、そういうことも、日本の電車に不慣れな外国人ならアリかなと思い直した。

15年程前、ニューヨークに、ホテルとエアのみのプランを利用して家族で旅行した時のことだ。ある観光地を訪ねた帰り、地下鉄に乗ったのだが、その地下鉄は目指すホテル最寄りの駅には停まらずに、どんどんハーレム地区に向かって行った。

車窓を見ると、徐々にホームの様相が変化して行くのが見て取れた。日本の駅のホームと変わりない雰囲気から、次第に殺伐とした雰囲気に変わって行って、否応なく、そこが異国であることを思い知らされた。ホームでは壊れた什器が目につくようになり、柱や壁に落書きが増えて行った。車内の乗客の様子もどんどん変わって行き、車内の雰囲気にも変化が見られ、仕舞いには乗客が「このアジア人の3人は、一体どこに向かっているのだ?」とでも言いたげな表情で、ジロジロと私達を見るようになった。日本語で話すのも憚られる雰囲気だった。

辺りが薄暗くなったところで、さすがに怖くなり、「なんか変だね。次の停車駅で降りて、戻った方がいいんじゃない?」と漸く夫が言って、私達は見知らぬ駅のホームに降り立った。ホームは閑散として人影もまばらで、什器どころか時計も壊れていた。電車が来るまでの時間が、とても長く感じられた。

思い出せば、国内外を問わず不慣れな旅先では、こんなことはしょっちゅうだ。昨日出会った二人の外国人旅行客も、同じような状況だったのだろう。

諸外国と比べれば治安の良い日本ではあるが、少しでも観光客の旅先での不安を和らげる為に、(東京オリンピックが近いからと言うわけでもないけれど)私も地元の人間として、微力ながら旅のお手伝いができたらと思う。その為には、語学力を磨かねばね(本当は自分の経歴からすれば、現在の語学力は恥ずべきレベルである。周りの友人の多くが、英・仏・伊・西・中語と語学力に長けているだけに、自分の非力さが目立つ)

世界の趨勢を見ると、せめて大学を卒業した人は、英語で日常会話くらい出来ないと恥ずかしい時代になったのは確実かなと思う。もちろん、外国人との円滑なコミュニーケーションに、必ずしも語学力が万能というわけではないし、英語帝国主義の勝利には忸怩たるものがあるけれど(笑)、英語の国際語としての優位性・有用性は否定のしようがない。
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