はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

理念なき政治家が国政を担う国家の民の不幸

2008年12月02日 | はなこ的考察―良いこと探し
「無差別殺人」の多発、「麻薬汚染」の広がり、「万引き、窃盗、強盗、親族殺人、危険運転致死傷(特にひき逃げ!)」の増加、「高級官僚、公務員の不正及び職務怠慢」の発覚。これらの現象は何を意味するのか?日本人の心が壊れかけているのか?どう見ても、これらの事件報道は、人々の心を暗澹とさせるばかりだ。

それに拍車をかけるように、未曾有の不況が日本全体を覆い尽くそうとしている。連日、「大手企業の業績大幅下方修正」「企業倒産」「就職予定者の内定取り消し」「派遣労働者の首切り」と言った暗いニュースが報道される。

日本を取り巻く”負”の状況が、人々を「絶望感」へと駆り立てる。マスコミもネガティブ・キャンペーンばかり張らないで、もう少し明るい話題を提供したらどうだ?とひと言文句も言いたくもなる。と言っても、かつての、悪化する一方の戦況を正しく伝えず、いたずらに国民を侵略戦争へと追い立てた情報統制のような事態は真っ平ゴメンだ。

今、日本で何が一番問題かと言えば、政治の不毛だと思う。国の政(まつりごと)を司る政治家に理念がない。日本と言う国をどのような国家にしたいのかの青写真を描く政治家がいない。日本が向かうべき方向性を明確に示してくれる政治家が、ひとりとしていない。日本の国家としての弱点を着実に補強しつつ、一方で長所を伸ばし、世界へと堂々とアピールできる政治家がいない。

世襲政治家の多く(←全員とは言っていない)は「政治家」と言う「職業」にうま味があるから世襲するのであって、これが「労多くて益なし」であれば誰も好きこのんで世襲などするまい。「何がなんでも先代の理念を引き継ぎたい」のであれば、先代の地盤を安易に引き継がずに、違う選挙区から立候補すれば良い。「国家の為に、国民の為に命を賭して働けるか?」~世襲政治家の場合、それを自身の心に問うてから選挙に臨むくらいの気概を持つのが最低条件である。何より無名の政治家より知名度の点でアドバンデージがあり、ハードルを高くしなければ腐敗の誘惑が忍び寄るのが世襲の弱点であろうから。


将来を展望できなければ、国民は安心して生活を営むことはできない。不安の中で日々の暮らしに汲々とすれば、心は萎縮し、脳も働かなくなり、個々が本来持っているはずの能力さえ発揮できなくなるだろう。そのことによる国家の生産性の損失は計り知れない。

現状では若者はまともな就職ができず、十分な収入もなければ結婚もできず、たとえ結婚できたとしても子供を産み育てることをためらうだろう。子供が生まれたら生まれたで、教育費が嵩み、少子化を止めるだけの子供の数は到底望めない。豊かな時代に育った世代に「貧乏子沢山」の生活を強いることなどできまい。

経済の活況に消費は欠かせないが、将来への不安を抱えていては、消費者心理としては「消費」より「貯蓄」である。富裕層は資産防衛の為に資産の海外移転さえ考えていて、日本にお金を落としたりしない(不動産ほど水ものはないし、懸念される大震災でも起きれば、日本の不動産価値や貨幣価値、株価はクズ同然になる)。

大量生産、大量消費を前提とした経済の収益構造で、あらゆる点で国民の自己責任の部分が大きく(裁量権が大きく、自由度も高い)、階層間移動が盛ん(大成功のチャンスがある一方で、転落のリスクも大きい)な米国型社会を目指すのか、税負担の加重を覚悟の上で社会保障を手厚くした(医療費、教育費の公費負担を充実させる)北欧型社会を目指すのか、米・北欧の長所・短所をうまく調整したタイプの社会(←ってどんな社会?)を目指すのか、或いは全く新しい発想で日本独自の社会制度を創り上げるのか?

今いる政治家で、堂々と自身の政治的理念を示してくれる政治家はいないのか?いたら、その人の話に耳を傾けたい。


裁判員制度より先に、首相公選制を実現して欲しかった…(て言ったら、「あなたは議員内閣制の意味が分かっていない」と言われるのだろうか?)
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